【ソウル堀山明子】韓国の金夏中(キムハジュン)統一相は4日の記者会見で、トウモロコシ5万トンを北朝鮮へ支援しようと3週間前から南北協議を呼びかけているが、北朝鮮の反応がないと明らかにし、「回答を待っている」と訴えた。李明博(イミョンバク)政権の対北朝鮮人道支援は「要請があれば妥当性を検討する」のが原則。国際的な北朝鮮支援が広がる中、韓国は「支援したくても要請がないから動けない」というジレンマに陥っている。
金統一相によると、トウモロコシ支援は昨年末に北朝鮮から要請され合意したが、穀物価格急騰で提供するタイミングを失っていた。5月中旬に米国が50万トンの食糧支援を決定した直後、公式の対話ルートである板門店の赤十字を通じ「支援のための協議」を呼びかけたが、「何度電話しても『分からない』を繰り返すばかり」という。
北朝鮮専門家の間では、「米国の食糧支援が始まる時期であり、北朝鮮は焦って韓国と対話する必要はない」との見方が大勢だ。
毎日新聞 2008年6月5日 東京朝刊