大阪府高槻市の違法マンションをめぐるあっせん収賄事件で、逮捕された同市議、段野啓三容疑者(66)が絡んだ土地取引の交渉に、知人の暴力団組員(42)が協力していたことが6日、わかった。府警捜査2課は段野容疑者が暴力団の「威光」を利用し、利権話に食い込んでいたとみて調べている。
関係者によると、組員は山口組系暴力団に所属し、地元の生コン運搬会社の社長も務めていた。長年、段野容疑者の事務所に頻繁に出入りしていたという。
土地取引などの“もうけ話”にも積極的に関与。贈賄容疑で社長が逮捕された不動産会社「リケン」が市土地開発公社の代替地を取得した際の取引のほか、段野容疑者らが同市内の土地を電子機器メーカーに高値で転売しようと画策した際にも協力していた。
転売計画が始まったのは昨年1月。段野容疑者がこの土地で営業していたバイク店に押しかけ、経営する兄弟に「もう出ていかなあかんで。土地を売るんや」としつこく要求。兄弟が拒否すると、組員が訪れ、「段野先生に渡すから全員の名刺をくれ」と迫ったという。段野容疑者らは、兄弟から対応を一任された建設業者に注意を受け圧力を中止した。
結局、取引に関与できないまま売却話がまとまったが、組員らは標的を建設業者に変更し、バイク店の解体工事を「300万円で請け負ったる」と要求。建設業者は「通常の3倍で高すぎる」として拒絶し続けた。昨年7月、この業者は乗用車のフロントガラスを割られる被害に遭い、府警に被害届を出した。
組員は昨年11月、生コン関係の労働組合員に暴行したなどとして、傷害容疑などで府警に逮捕。その後、生コン運搬会社の代表取締役を辞任している。
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