京都府舞鶴市の府立高校1年、小杉美穂さん(15)殺害事件は、7日で発生から1カ月となった。府警舞鶴署捜査本部は小杉さんの衣服や防犯ビデオの映像などを公開して情報提供を呼びかけているが、容疑者逮捕には至っていない。小杉さんが最後に携帯電話で話した同級生の女子生徒(15)は、毎日新聞の取材に「早く犯人を捕まえてほしい」と訴えた。
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「あんなにいい子がなぜ」。小杉さんと女子生徒は幼稚園から「一番の親友」だった。小学3年で小杉さんが市内の別の学校に転校した後も、頻繁に連絡を取り合い、共通の趣味の音楽の話で盛り上がった。「人見知りだけど、友達思いで優しい性格。誰かが悩んでいると一緒に心配していた」と振り返る。
今年4月、2人は定時制の府立東舞鶴高校浮島分校に進学。不登校だった小杉さんを「気持ちが落ち着いたら一緒に通おう」と励まし続けた。5月2日に会った時、小杉さんから「今日は学校に行く」と聞いた。「緊張する」と不安がるのを「大丈夫や」と励まし、この後、7年ぶりに机を並べた。小杉さんは楽しそうな様子で、自分のブログにも「ちゃーんと、一日 通えたよ」と書き込んだ。
最後の電話がかかってきたのは7日午前0時49分。小杉さんからの深夜の電話は珍しくなく、特に不審には思わなかった。車が通る音とともに「散歩してる」「薬局にいる」という声。笑っているようにも聞こえた。「いつも夜中に出歩くような子じゃない。家にいることが多く、人が少なく涼しい夜に歩いてみたくなったのでは」と気持ちを推し量る。
小杉さんとの電話は1時間を超えることも珍しくない。だがこの日は、うとうとしていたため10分程で切り上げた。「お母さんにばれんように、はよ帰りや」。これが最後に交わした言葉になった。
小杉さんが自転車の男性と歩いていたことは報道で知ったが、まだ信じられない。「特定の男友達もいなかった。知らない人に付いていくことはあり得ない」。たくさんの「なぜ」が頭を離れない。
形見になってしまった小杉さんからの贈り物を大切にしている。「もっと一緒に学校に通いたかった。バンドも組みたかった。犯人は絶対に許せない」。強い口調に怒りと悔しさがにじんだ。【村上正】
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