専門医不在、都市部から離れるほど深刻

 総務省消防庁は6月6日、「全国メディカルコントロール(MC)協議会連絡会」を開き、救命救急センターの医師や行政担当者らが、救急活動に対する医学的観点からの助言・指導などを担う地域のMC協議会の現状などを報告した。山形県MC協議会の森野一真氏(山形県立救命救急センター)によると、県内の「村山地域」(人口約58万1000人)で昨年中に発生した医療機関の「応需不能」では、都市部から離れるほど「専門医の不在」による割合が高くなった。

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 森野氏によると、「村山地域」では医療機関が救急搬送に対応できない「応需不能」が昨年中に685件(出動件数1万2835件)発生した。対応できなかった理由では、「入院ベッドの満床」が全体の20%を超えて最多だったが、「専門医の不在」と「標榜科目外」も多く、これらを合わせると全体の約40%を占めるという。

 森野氏は、専門医不在による「応需不能」の割合は、都市部から離れるほど高まるとも指摘。また、市立病院の精神科撤退に伴い、地域の周辺病院で「急性薬物中毒患者」の搬送件数が急増したことも紹介し、「(専門科目の偏在は)われわれの地域では深刻な問題だ」と述べた。

 このほか、救急隊員に対してホットラインで助言・指導する「オンラインメディカルコントロール」のうち、全体の17%で、助言の要請を受けてから医師が実際に対応するまでに3分以上の時間を要している点も問題視した。


更新:2008/06/06 21:49     キャリアブレイン

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