【成都(中国四川省)成沢健一】中国・四川大地震の土砂崩れで川が埋まってできた四川省北川県の巨大せき止め湖「唐家山ダム」が6日午後、ほぼ満水になった。決壊を防ぐために造った排水路から自然に流れ出す構造だが、水抜きが追いつかなければ決壊する恐れがある。
新華社通信によると、午後2時(日本時間同3時)、せき止め湖の水量は、上流からの水が流れ込み、日本の黒部ダムを上回る2億2370万立方メートルに達し、水位も満水まで50センチを切った。降雨による急激な水位上昇、あるいは上流の小型せき止め湖が決壊した場合、ドミノ式に唐家山ダムが決壊する恐れもある。
中国の温家宝首相は6日、四川省綿陽市に設置された唐家山ダム対策本部を訪れ、「ダムの水量が増せば、危険も増える。安全性と科学を基礎とした思い切った選択も必要だ」と述べ、爆破も選択肢の一つに含む緊急対策を指示した。
毎日新聞 2008年6月6日 20時54分