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頭打ち漫画誌、節目に活路

2008年06月06日15時51分

 青少年向けの漫画誌が相次いで節目を迎える。ともに来年50周年のライバル誌、週刊少年サンデー(小学館)と週刊少年マガジン(講談社)が手を組んで増刊誌を出し、提携企業がコラボ商品を発売する。40周年の週刊少年ジャンプ(集英社)やビッグコミック(小学館)も特別企画を展開する。

写真50周年、40周年を祝う4誌

 サンデーとマガジンはともに59年3月17日の創刊。少年漫画誌の草分け的存在だ。相手の創刊日を探り合って予定日を繰り上げた結果、同じ日になってしまったという。両誌の発行部数は現在、マガジン187万部、サンデーが94万部。

 来春の50周年を前に、両誌は発売日にちなんで「チームウェンズデイ」を作り、3月から共同企画を進めている。目玉は、両誌の人気探偵漫画を再編集して一緒に掲載する月2回刊行の特別増刊誌「名探偵コナン&金田一少年の事件簿」。第1号の刊行を担当した小学館は、異例の40万部を刷った。

 両誌の代表作に関連する商品も続々登場する。江崎グリコが「うる星やつら」「天才バカボン」などをあしらったチョコレートを発売すれば、エポック社は今秋、「タッチ」の上杉達也と「巨人の星」の花形満らが対決する野球盤を売り出す。

 少年漫画誌のトップを走るジャンプは今夏、神奈川県鎌倉市に海の家を設け、スタンプラリーを開く。秋には「ドラゴンボール」「ONE PIECE」などのアニメ上映会を東京、大阪などで開く。

 ビッグコミックは68年の創刊時から続く「ゴルゴ13」が企画の軸。手塚治虫の作品集(全11巻)も今月出す予定。

 各誌の展開は部数減への危機感の表れだ。最大80万部を誇った週刊ヤングサンデー(小学館)は20万部に落ち込み、休刊が決まった。97年の425万部から半減したマガジンの森田浩章編集長は会見で「少年たちに夢を与え続けられれば、少年漫画は存在意義がある」と述べた。

 95年に653万部を記録したジャンプも事情は同じ。佐々木尚編集長は「日本での読者は頭打ち。海外にも目を向けていく時期」と言う。ジャンプの漫画をまとめ、北米で発行する月刊誌「SHONEN JUMP」(30万部)を充実させ、日本の外に読者を開拓していく方針という。(大室一也)

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