事件・事故
名古屋の暴力団、関西進出の拠点か 神戸・入居詐欺
指定暴力団山口組系組員と、港湾運送最大手の「上組」元専務によるマンションの入居詐欺事件で、兵庫県警は、関連先として神戸市中央区熊内町の山口組ナンバー2の最高幹部住宅を初めて捜索した。この幹部は、名古屋を拠点とする「二代目弘道会」組長を務めており、2006年に住み始めてから、兵庫県内ではこれまで下火だった弘道会の活動が一気に活発化。県警は、この住宅が事実上、弘道会の勢力拡大に向けた関西の拠点になっているとみて解明を急ぐ。
今年一月、神戸市内の弘道会系組員が神戸・三宮で無許可のゲーム店を開いたとして県警に逮捕された。三宮は地元団体の縄張りが強いとされるが、組員は「特に他団体に遠慮することなく、堂々と活動していた」(県警)という。
ほかの暴力団の周辺者らからトラブル処理を請け負い、摘発された同会系組員もいた。県内の建設工事に、同会が介入しているとの情報も多く、一月の川西市のごみ処理施設建設をめぐる恐喝未遂事件では、弘道会と関係の深い右翼団体幹部が逮捕された。
県内で急激に活動を活発化する弘道会。しかし、県警が把握する県内の同会系組事務所は一カ所で、所属するのは準構成員を含めても約二十人。県内の暴力団員全体の1%にも満たない。
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「最高幹部が神戸に入り、県外の弘道会系組員も兵庫県内で強気で活動するようになった」と県警捜査員は説明する。
県内では、山口組最大派閥「山健組」(神戸市中央区)の影響力が強いとされてきたが、山健組出身だった五代目山口組組長が〇五年に引退。代わって弘道会の前組長と現組長がそれぞれ、山口組六代目組長と同組最高幹部に就いた。このため、弘道会が山口組各組織のトップに。資金源の取り合いで優位に立ったほか、トラブル処理や用心棒といった裏社会での依頼も多くなっているとみられる。
山健組は山口組五代目組長時代の一九九〇年代に組員を増やし最大勢力に。しかし、〇四年に準構成員を含め、八千五百人以上といわれながら、六代目体制で直系に一部が引き上げられる人事もあり、現在七千人前後に減少。かたや当時、三千数百人といわれた弘道会の組員は着実に増えているという。
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「とりでのようだ」。三日午前、最高幹部の住宅の捜索に入った捜査員が漏らした。
高台に建つ住宅は、幅の狭い階段でしか敷地に入れず、入り口には防弾とみられるステンレス製の門が立ちはだかる。四方には、監視カメラが設置されていた。最高幹部の護衛役の組員らが待機しているとみられる四階建てビルが隣接。内部には十数台のモニターがあり、近づく人物などを点検していたという。
徹底して組織を統制し、警戒心が強いことで知られる弘道会。警察や反対住民への敵対意識も強く、昨年十月には鹿児島県内で組事務所の追放運動を率いた住民側リーダーを刺す事件も起きた。
兵庫県警は今後、押収資料などを分析し、住宅や隣のビルの使用実態を解明する。
一般市民を巻き込む大規模な内部抗争をかつて繰り返してきた山口組で、弘道会が山健組と並ぶ勢力となった現状を踏まえ、県警幹部はこう話す。
「(弘道会と山健組の)表向きの共存関係はいつ崩れるか分からない。細かい情報を取りながら、積極的に取り締まりたい」
(6/6 09:09)
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