他人の土地所有権を暴力団の組長名義にするため法務局で虚偽申請したとして、県警組織犯罪総合対策本部と武南署は9日、熊谷市末広4、山口組系暴力団組長、山崎秀豊(63)▽行田市棚田町1、司法書士、中本幸男(62)▽行田市若小玉、会社役員、牛久保憲一(34)の3容疑者を偽造有印私文書行使、不動産登記法違反容疑などで逮捕した。改正不動産登記法は05年3月に施行され、改正法違反での逮捕者は全国初。
調べでは、3人は北本市内の建設会社が所有する群馬県太田市の土地約1050平方メートルと事務所(約2700万円相当)の所有権を組長名義にしようと計画。07年5月上旬、偽造した建設会社の印鑑などを使い、土地と建物を売買したように装って、前橋地方法務局で登記申請した疑い。法務局が虚偽申請を疑って却下したため、実際に所有権の移転はされなかった。
不動産登記法は改正後、弁護士や司法書士が売買者の本人確認をすれば、土地の権利書がなくても登記申請できる。中本容疑者は、窓口に提出する「本人確認情報」に偽造印を使うなどして申請していた。【浅野翔太郎】
毎日新聞 2008年5月10日 地方版