【岐阜】鵜飼いはペルーから伝播? 1400年前の土器に絵2008年6月6日
南米など4カ国を歴訪してペルーを訪れた古田肇知事らが、現地で出土し、鵜飼いの様子が描かれた1400年前の土器に遭遇した。1300年の歴史を持つ岐阜市の長良川鵜飼より100年早い。「ペルーから岐阜に伝わったのか」「いや中国から南米に渡ったのでは」などと、古代ロマンに思いをはせた。 土器は、ペルーの首都リマ市にある天野博物館の収蔵品。高さ25センチほどで酒器とみられる。薄黄色の表面に赤茶色の絵の具で、首に縄をつないだ5羽の鵜を操る男性がくっきりと描かれている。同じ形の別の土器には鵜の首を絞めて魚をはき出させる様子も。 出土した場所はリマ市の北60キロにあるチャンカイ谷。天野博物館を開いた実業家の故天野芳太郎氏が戦後発掘した数多くの土器類の1つで、西暦600年ごろの作という。 土器の存在は研究者間で知られている。鵜飼いに詳しい岐阜市歴史博物館の学芸員大塚清史さんは「中国の鵜飼いの起源は1−2世紀までさかのぼり、長良川鵜飼は中国から伝わったというのが定説。ヨーロッパやエジプトなど世界各地に鵜飼いがあったことを示す史料もあり、ペルー人が同じような漁法を考え付いたと考えるのが自然では」と話した。 (武藤宗広)
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