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橋下大阪府知事:「財政再建」が生活にも影響へ…維新案

会見で大阪維新プログラム案について説明する大阪府の橋下知事=大阪市中央区の府庁で2008年6月5日午後4時27分、竹内紀臣撮影
会見で大阪維新プログラム案について説明する大阪府の橋下知事=大阪市中央区の府庁で2008年6月5日午後4時27分、竹内紀臣撮影

 大阪府の橋下徹知事が5日発表した「大阪維新プログラム案」。府民生活に影響の大きい一般施策経費の削減額は、4月に改革プロジェクトチーム(PT)が発表した試案よりも圧縮された。PT案に盛り込まれた医療や福祉の削減は一部見送られたものの、文化や男女共同参画などは大幅に削減される。事業を担ってきた出資法人、府有施設も廃止や統合などが打ち出され、関係者はショックを隠せない。「財政再建」を旗印にした行政サービスの低下は、じわじわと生活に影響を及ぼしそうだ。

 橋下知事は文化や男女共同参画の分野に「ほとんど関心がない」(府幹部)ためか就任直後から「人件費や維持管理費が高過ぎる」と指摘してきた。

 漫才師の喜味こいしさんらが現地存続を求めてきた上方演芸資料館(ワッハ上方)は、展示機能と演芸ライブラリーを他の府有施設へ移転、ホール機能は廃止される。入居ビルを所有する吉本興業の吉野伊佐男社長は「賃料の値下げについて具体的な提案をさせていただいたが、府の一方的に発表された決定は極めて遺憾。存続に向けて可能な限り交渉を続けていきたい」とのコメントを発表した。

 また年間の利用者数が同種施設で全国トップクラスの38万人を誇る女性総合センター(ドーンセンター)は相談や啓発事業が府直営になったり廃止・縮小に追い込まれる。運営する男女共同参画推進財団への補助金(年間1億3600万円)は09年度から廃止され、自立を求められる。時岡禎一郎理事長は「人件費が大半を占める補助金を廃止されると運営は事実上、立ち行かなくなる」と懸念する。

 一方、1953年から大相撲春場所が行われている府立体育会館はPT案で示された廃止・売却方針が当面見送りとなった。橋下知事に直接、存続を要望した北の湖理事長は「ずっと親しまれており交通の便も最高。ありがたい」と話した。ただ、会館はコスト縮減や増収に取り組み府への納付金を増額するよう求められた。府はその成果をみて09年度に改めて検討するという。

毎日新聞 2008年6月5日 20時10分(最終更新 6月5日 23時43分)

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