３月25日に能登半島地震が起きたとき、実は金沢市内の実家に居たんです。食器などが落ちて壊れましたが、家は大丈夫で家族も無事でした。その日は夕方まで携帯も固定も電話が通じなかったのですが、イ ンターネットは問題なくアクセスでき、友人らに無事をメールで伝えることができました。

　２年前に始めたブログに地震の話を書いたところ、40万件以上のアクセスがあり、びっくり。多くの方からコメントも頂きました。普段のアクセスは１万件ぐらいなんですよ。ブ ログというネットメディアの可能性についても強く意識しましたね。

　実は、2001年９月11日に起きた米同時テロの時もニューヨークにいたんです。語学学校で勉強していたんですが、外をたくさんの人が走っていて、自分も夢中で逃げました。持 っていた携帯電話はずっと不通状態。近くのネットカフェに入って、メールで無事を伝えました。

　テレビで仕事をしてきましたが、ブログを代表とするネットメディアはテレビとは違った特徴を持っていますよね。インターネットは災害に強いし、自分で素早く発信できるので速報性が高く、コ メントなどを受け付けるので双方向性もあると感じます。

　テレビでは制作にかかる時間や作業量は膨大です。ところが、放送時間には限りがあるので、内容は凝縮されていてほんの一部しか放送できません。一方、ブログは無限。テレビで伝えきれない部分を、色 々な特徴を持つブログで補っていきたいです。

　ブログはパソコンで書いてますね。私自身がパソコンで読むことが多いので、自然にパソコンで書くものだなって思って。最近、兄オススメのパソコンに買い替えたのですが、と ても使いやすく気に入ってます。最近、携帯からブログを読む人が多いことを知ったので、携帯から書くことにもチャレンジしようと思っています。

　もともとはフライトアテンダント志望。テレビ局は就職活動の練習のつもりで受験したところ受かってしまいました。入社当時、同期の新人は学校などでアナウンスの基本技術を身につけていました。で も私だけ完全な素人。最初の３年間はとにかく全速力で駆け抜けました。

　この１、２年、アナウンサーの仕事とは何かと考えるようになりました。現時点では、アナウンサーは琵琶法師みたいな「語り部」じゃないかなと考えてます。もし、琵琶法師がいなかったら、後 世に伝わらなかった出来事ってあるのかもしれません。

　テレビを中心に語り部を務めていきますが、テレビでは伝えきれないことがブログだと伝えるられるかもしれない。ブログはずっとログも残りますよね。時 代を反映するストーリーを全力で語っていきたいですね。（談）

　かわだ・あこ　1979年石川県生まれ。白百合女子大文卒、2002年ＴＢＳ入社。バラエティー番組などを担当。07年3月にＴＢＳを退社、４月からフリーアナウンサーに。