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【衝撃事件の核心】出会い系の女性“シャブ漬け”常習か 「青梅のナオキ」戦慄のワゴン車内 (1/4ページ)
「青梅のナオキ」。そう呼ばれる容疑者は薬物中毒症状のためか、供述は支離滅裂で、上申書もうまく書けない。覚醒剤を打ち、連れ回した石田佳奈子さん(19)の行方は分からないままだ。容疑者の車からは、最悪の事態を想定させる尿反応が出たうえ、戦慄の常習犯をうかがわせる“物証”が…。携帯電話の出会い系サイトで女性を誘い出し、“シャブ漬け”にすることを繰り返していた疑いが持たれている容疑者。佳奈子さんが誘い出されてから2週間。一刻も早い救出が待たれるが…。
(伊藤真呂武)
■パンツのポケットに覚醒剤…「俺が打ってあげた」
《一緒に冷たいのをキメない?》
携帯の出会い系サイト掲示板に、塩野直樹容疑者(26)がいつもの誘い文句を載せた。その誘いに応じてしまったのが、佳奈子さんだった。
4月5日午後11時ごろ、東京都江東区のJR亀戸駅北口のパチンコ店前で、2人は顔を合わせた。佳奈子さんは直前まで一緒にいた友人の女性に「池袋で男の人と会う。会うのは初めて」と告げていたが、結局、待ち合わせは佳奈子さんの自宅近くの亀戸駅に変更した。
塩野容疑者が警視庁にあてて書いた上申書などによると、ワゴン車に乗り込んだ2人は圏央道あきる野ICを下り、途中、ガソリンスタンドやカレー屋などに立ち寄りながら、塩野容疑者の地元、青梅市方向に向かった。
《眠くなったので、車の中で休憩した》
塩野容疑者は車を止めると、パンツに縫いつけたポケットから小袋に分けた覚醒剤を取り出し、注射器の準備を始めた。
「(佳奈子さんは)下手だったから、打ってあげた」
警視庁の調べに、塩野容疑者は平然と言い放っているという。
佳奈子さんが助けを求めて110番通報をしたのは、6日正午ごろだ。
電話は山梨県警通信指令室につながった。
「はぁ、はぁ…」
息遣いだけが約20秒間続いて、電話は切れた。
不審に思った指令室は直後に折り返し、約10分後につながると、佳奈子さんが名前を告げた。
「ワゴン車で連れてこられた」
「どこにいるか分からない」
佳奈子さんはこう続けた後、数分で通話は切れた。約5分後に再び佳奈子さんから通報があったが、呂律(ろれつ)が回らない様子だったという。
通信指令室は、7日午前7時ごろまでに数十回、佳奈子さんの携帯電話にかけ続けたが、つながらない状態だった。担当者は午前8時半に上司に引き継ぎ、勤務を交代したが、上司は捜査部門に連絡していなかった。