いつものことながら俺が出かけようとすると、雨が上がる。
言い換えれば、雨の降る間は出ようとしないということなんだが。
妻を伴い、駅そばのビルへ。
誕生日の贈り物はすぐに決まったが、いろいろ欲しくなる。
革製のつづらも欲しいし、ガラスの填った戸棚も欲しい。
ぐっとこらえて、クラシックなワイングラスを4脚買う──俺以外に誰が使う?
ちょうど正午を回り、
「何か食おうか。しかし、午になっちゃったぜ。どこも混むなぁ」と言ったとき俺は、そこらのスパゲティかホットサンドイッチをイメージしていたのだが、妻が、
言い換えれば、雨の降る間は出ようとしないということなんだが。
妻を伴い、駅そばのビルへ。
誕生日の贈り物はすぐに決まったが、いろいろ欲しくなる。
革製のつづらも欲しいし、ガラスの填った戸棚も欲しい。
ぐっとこらえて、クラシックなワイングラスを4脚買う──俺以外に誰が使う?
ちょうど正午を回り、
「何か食おうか。しかし、午になっちゃったぜ。どこも混むなぁ」と言ったとき俺は、そこらのスパゲティかホットサンドイッチをイメージしていたのだが、妻が、
「井の頭公園のそばの……なんてったっけ、あの焼鳥屋さん」
「いせや、か? こんな時間、やってんのか?」
「やってるよ」
突進モードに入り、南口に出る。
なるほど昼間のいせやは客もまばらで、天井高く、なんとも居心地がいい。
俺はホッピー妻はコーラをたのみ、ひなを4本、ネギを2本、つくねを2本、レバーを1本と、地味な注文。
ホッピーを初めて見た妻は、「いせや、か? こんな時間、やってんのか?」
「やってるよ」
突進モードに入り、南口に出る。
なるほど昼間のいせやは客もまばらで、天井高く、なんとも居心地がいい。
俺はホッピー妻はコーラをたのみ、ひなを4本、ネギを2本、つくねを2本、レバーを1本と、地味な注文。
「それは何なの?」
「まあ、ノンアルコールビアだな」
「そっちの透明なのが、水?」
ウブなやつよのう。
「いや、こっちが焼酎だ」
「え、どうなってんの?」
「この、ノンアルコールのビアに、こっちの焼酎をこうして混ぜれば、ほれ、貧乏人の生ビールってわけよ」
「こっちの茶色いの残っちゃったじゃん」
「だから、そこはそれで作法があるんだ。まあ見てろよ」
ひなって串は胸肉でボソボソしているのだが、
「こっちのネギと交代で食べなよ」との妻のアドバイスにて、その通り口内ねぎまを作ると確かにうまい。
それから、タンを2本追加し、俺はホッピーのナカを、妻はトウモロコシを頼んだ。
「あんたここ、毎日通いなさい」
「俺は仕事があるからな。がむしゃらに働かないといかんから」
「ここでゲーム作ったり文章書けばいい」
いせやでMacBook開くのかよ──そんなやつは、感じ悪い!
2時にも近づこうとするころ、昼間のいせやはなんとなく混んできた。
さっくり帰った。