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東播磨

産婦人科休止へ 明石市民病院

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6月からの分娩休止を伝える張り紙=明石市鷹匠町、明石市立市民病院

 明石市立市民病院(明石市鷹匠町)が6月から、産婦人科医の不足を理由に出産受け入れを休止し、妊婦らからの不安が高まっている。市内の中核病院として自然分娩(しぜんぶんべん)だけでなく、異常分娩や合併症などリスクを伴う出産も手がけ、地域医療の「バックアップ機能」(和田満・同病院事務局次長)を果たしていた。事態はさらに深刻さを増す。産婦人科の常勤医師が全員退職する8月からは、同科の診療を原則として休止。市内で出産を扱う病院・診療所は6カ所となるが、一部はすでに「飽和状態」になるなど影響が広がる。(大月美佳)

 今月二日、親類の付き添いで同病院を訪れたパートの伊藤沙代さん(27)=明石市大久保町西脇=は現在妊娠中。市内の別の病院で出産する予定で、「本当は安心できるこの市民病院で産みたかった。何かあった時のための市民病院なのに…」と話す。

 市によると、市内の年間出生者は約二千七百人。同病院は年間五百五十-四百四十件の出産実績を持ち、産婦人科の入院患者数は二〇〇六年で九百八十四人。周産期の患者では救急搬送先の15%が同病院で、市内の医療機関では最多だった。

 あさぎり病院(朝霧台)では、明石市民病院が出産の受け入れ制限を始めた昨年から患者数が急増。四月に医師一人を増員したが、一カ月当たり百人の定員はすぐ埋まり、妊娠十二週以降の妊婦は受け入れないという。野原当院長は「あふれた妊婦の行く先が心配だが、これ以上の受け入れは危険」とする。

 これまで明石市民病院に搬送されていた高度医療が必要な妊婦は現在、加古川市民病院や県立こども病院(神戸市須磨区)が主な搬送先。しかし、両病院とも近隣病院が相次いで出産休止に踏み切ったことから、現場は「限界に近い」と話す。

 一方、四月に新病棟が開所した明石医療センター(明石市大久保町八木)は、新たに産科医三人を確保し、五人体制で臨む。出産室を兼ねた妊産婦用病室(LDR室)も新設し、担当者は「病院の魅力を高めるとともに、職場環境の整備も医師確保の一因」と指摘する。

 同市は市民病院の医師確保に向け、医学生らを対象に奨学金貸与制度を創設。産科の専門研修医には月額五十万円貸与という「破格」の厚遇で医師不足解消を探る。

 市地域医療課は「医療機関の連携による補完体制や、診療内容など病院・診療所ごとの情報公開が急務」としている。

(6/6 10:47)

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