「第三次石油ショック」

　かつて35年前の石油ショックは、アラブ諸国から問題が発生し、石油価格が4倍に高騰したその打撃は、日本経済を震撼させたものだった。今回の高騰もジワジワとではあるが価格が同じく4倍に高騰している。だが、打撃は万力で締め付けるような圧迫感を伴っている。

　問題は、今回の高騰が一時的なものでなく構造的なものであることだ。中国やインドといった新興経済国家の石油への需要の増大に対して供給サイドが追いつかないことだ。資源がないわけではない。だが、供給を増やすためには新たな油田の開発などが不可欠で、そのコストも高くつき、実際の石油が出てくるまでには時間がかかる。つまり、今回の石油ショックは長引きそうだということだ。各国もガソリン税の軽減や補助金など、消費者向けの対策に頭を悩ませている。根本的な解決は、石油から早く代替エネルギーへと転換していくしかないのかもしれない。

本文はこちらから