「理科の勉強は大切で、将来に役立てたい」と考える中学3年生の割合を07年、経済協力開発機構(OECD)が実施した15歳対象の国際学習到達度(PISA)調査に当てはめたところ57カ国・地域中54位の水準であることが国立教育政策研究所の調査で分かった。「科学は身近で有用」と思う中3の割合も52位と国際水準に達していなかった。「科学を学ぶのが楽しい」と答えた割合は36位と国際水準並みで、中学の授業で理科の大切さや有用性を伝えきれていない実情が浮かんだ。
07年の国際調査で日本の高1の理科学習の意欲や関心度が国際的に最低レベルと判明したことから、中3の状況を探るため調査した。08年1〜2月、全国の中3約3000人に、高1と同じ質問をした。
同研究所は「科学を学ぶ意義を実感できる授業に変え、科学関連の職業への関心を高める情報をもっと与える必要がある」と分析している。【加藤隆寛】
【関連写真特集】
ディスカバリー:打ち上げ成功 星出さん、宇宙へ
【関連記事】
火星探査機「フェニックス」
【関連記事】
教育予算:「高等教育予算、やっぱり少ない」 財務省の主張に文科省が再反論