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タケダは、1990年代後半以降、日本発の世界的製薬企業を目指し、国際戦略4製品(リュープロレリン、ランソプラゾール、カンデサルタン、ピオグリタゾン)の成長、海外拠点の整備・強化による海外事業の拡大、医薬外事業の再構築などに取り組んでまいりました。
2001年度以降は、「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」という当社経営理念の実現に向け、「01-05中期計画」の遂行により、医薬事業への特化を進め、世界的製薬企業への挑戦の第一歩を踏み出しました。
グローバルな競争が厳しさを増す中で、真の世界的製薬企業への飛躍に向けた当社の挑戦は、「自社研究開発による継続的な医薬品の創出」、「海外市場へのさらなる浸透」の両面において、これからが本当の正念場となりますが、2006年度を起点とする5ヵ年中期経営計画「06-10中期計画」においては、グループの総力を結集し、以下の経営課題に積極的に取り組んでまいります。
当社の経営哲学である「タケダイズム(誠実=公正・正直・不屈)」を事業運営の根幹に据え、徹底・浸透を図るなかで「長期的視点に立った緻密な戦略立案と実行」、「高い生産性・効率性」という自らの強みを徹底的に磨き上げ、06-10中期計画を完遂することにより、日本発の世界的製薬企業として、さらなるグローバルな持続的成長の実現と企業価値の向上につなげてまいります。
研究開発マネジメントの見直しとともに、グローバルな研究基盤整備などに重点的に経営資源を投下し、2011年度以降、自社研究開発からの新製品を継続的に発売できる体制を構築します。同時に自社研究を補完する導入・アライアンス活動を積極的に展開し、「2015年度 自社医療用医薬品売上高2兆円」を見通せる研究開発パイプラインを2010年度までに構築します。
日米欧三極のマーケティング機能が等距離で日本本社と直結し、各市場に応じたオペレーションを自律的に遂行する体制を構築します。2010年度には日本市場におけるシェアNo.1の維持(自社品:7%)とともに、米国TPNA社のシェア1.5%以上、欧州6ヶ国のシェア1.1%以上、アジア5ヶ国のシェア1.4%以上を目標とし、進出地域シェア2.5%の達成を目指します。また、グローバル企業として欧米市場におけるシェア3%以上を長期的なシェア目標として事業基盤の強化を図ります。
グループ経営における「自己責任の原則」、「自主独立の原則」を保ちつつ、本社部門が、グループ共通の業務運営方針に沿って、機能別にグループ各社の当該機能をコントロールする体制を整備し、効率的かつ整合性のとれたグループ運営を実現します。また、MPDRAP戦略[※]を強化し、各機能が明確な役割分担のもと、それぞれの責任を果たす中で、一体となって製品戦略を遂行する体制を引き続き強化してまいります。
[※]営業・生産・開発・研究・アライアンス・知的財産の各機能に横串を刺し、情報を共有化することで、迅速な意思決定を可能にする戦略
当社の経営哲学である「タケダイズム(誠実=公正・正直・不屈)」を具現化し、グローバルな事業運営をマネジメントできるビジネスリーダーを国内・海外において計画的に獲得・育成することにより人材パイプラインを強化します。
営業、生産、開発、研究、アライアンス、知的財産、それぞれの機能における世界トップレベルの生産性・効率性の実現を通じて、欧米大手製薬企業に伍して戦い得るMPDRAPの各機能強化を達成します。
当社は当中期計画においても、企業価値の持続的向上に向け、研究開発型国際企業にふさわしい研究開発パイプラインの充実と国内外の事業基盤強化を中心とする戦略投資を行ってまいります。
その成果配分については、引き続き「配当性向を安定的に高める」ことと併せ、資金需要を総合的に見極めながら、資本効率の向上と機動的な財務政策の実現を目的とした「自己株式の取得」を弾力的に実施する予定です。
なお、配当方針としては、長期的な視点に立ち、連結業績に応じた安定的な利益の配分を基本方針とするとともに、成果の配分をさらに高めていくべく、中期計画最終年度の連結配当性向を「45%程度」とすることを新たな目標とし、段階的に引き上げていきます。
以上
本経営計画に含まれる将来の予想に関する各数値は、2006年5月時点で入手可能な情報による当社の仮定および判断に基づくものであり、既知または未知のリスクおよび不確実性が内在しています。したがって、実際の業績は、予想数値とは大きく異なる結果となる可能性があります。