ブログひろばのみなさん、はじめまして。
AzbyClub事務局ブログひろば担当の小林です。
本日よりAyaさんと共に、ここ「ひろば旬感ブログ」の更新をさせて
いただきます。
主に「富士通のそこが知りたい!」にて、製品の開発にまつわる裏話や、富士通に関するマメ知識などをお伝えしていきますので、どうぞ
よろしくお願いします。
さて今回は、FMV DESKPOWER LXシリーズの開発担当者にお話を聞いてきました。
他ではなかなか話せない、製品の開発についての想いを熱く語って
いますので、ぜひご覧ください。
開発担当の野村課長とFMV DESKPOWER LX
求められるようになった静音性
小林 | さっそくですが、DESKPOWER LXを開発する上で、こだわった部分、大変だったところなど、お客様にお伝えしたい点があれば、教えてもらえますか? |
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野村 | いろいろありますが…、静音性については、特にお伝えしておきたいですね。 とても重要なポイントのひとつだと考えていますので。 |
小林 | 静音性ですか。どういったいきさつから、重要なポイントと お考えですか? |
野村 | かつては、処理速度や表示機能などの絶対性能が追求 されてきました。 しかし、パーソナルコンピューターが一般家庭に浸透してきて、お客様から「より静かなパソコンがほしい」といった声を頂くようになってきました。 例えば、短時間メールを見るくらいの使い方であれば装置の音はそれほど気にならないかも知れませんが、長時間DVDやテレビ番組など見ていて、ちょうど感動的なシーンで突然ファンが大きな音を立てて回り始めたりすると、うるさく感じるかもしれません。 また、LXのテレビチューナー搭載モデルでは録画予約機能がありますが、もし深夜の番組を録画予約して寝た後で、突然ゴーッと大きい音がして予約が始まったら…。 |
小林 | 起こされてしまっては、予約の意味がないですね。 |
野村 | そういったことからも、静音性が重要になってくるのです。 |
小林 | なるほど。 |
野村 | 私たち開発の人間は、昔は、コンピューターに何かの計算をさせているときに冷却ファンの回転音が大きくなると、 「お、一生懸命計算しているな」 と感じたものです。 |
小林 | 「よしよし、パソコン動いてる」 という感じでしょうか(笑)。 |
野村 | そうですね(笑)。 とはいえそれも昔話で、スペック(性能)も上がり用途も 広がった今となっては、パソコンによって得られる体験に騒音は無用です。 |
冷却ファンをめぐる試行錯誤
小林 | 静音性について、実際に工夫されたのはどういった部分でしょうか? |
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野村 | 基本的なシステムができたのは2006年の夏モデルからになります。 騒音の一番大きい要素は、冷却用ファンが風を切る音なんですね。 冷却用ファンにはCPUのファンと電源のファンの2つがあり、省スペース型のパソコンでは1つの筐体の中に両方が入っています。 まず、CPUが局所的に熱くなるのでCPU用のファンが外気を送り込んで冷やします。 すると、筐体にCPUによって温められた空気が充満してきます。 電源ユニット用のファンは、その温められた空気を使って電源ユニットを冷却しなければならないのですが、温かい空気ではなかなか冷えませんから、どうしてもファンの回転速度が上がってしまいます。 そのために音が大きくなっていたのです。 |
CPUと電源で冷却系統が同じ場合のイメージ図
野村 | そこで、LXでは、冷却系統を2つに分け、CPUと電源をそれぞれ別に冷却できるようにすることで、ファンの回転数を抑え、騒音を低くするようにしたのです。 |
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DESKPOWER LXでは、CPUと電源で冷却系統が分かれている
野村 | また、筐体の構造やデザインが許すかぎり大型のファンを使うようにしています。 大きいファンなら少ない回転数でも風量を上げられるので、全体の音量を下げられるんです。 |
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小林 | なるほど。 |
野村 | ただ、ファンが大きくなればそれだけ材料費も高くなります。 そこでLXでは、直径90ミリ程度のファンを使用しています。 この大きさが、私たちがひとつの目安としている 「30dB(ささやき声程度)」を実現する上で、機能と価格のバランスがちょうどいい、と判断したのです。 |
小林 | 「ささやき声程度」ですか? それはどういう基準なんですか? |
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後編へ続きます