ベトナム:不動産取引の停滞で賃貸マンションの選択肢が豊富に
かつてないほどに賃貸マンションの供給が豊富になっている。昨年末、不動産コンサルティング会社CBREは賃貸マンション市場について、まだ供給が需要に追いついていないとの報告を発表していたが、このところホーチミン市の広い地域で供給が急増している。
7区Phu My Hung都市区のSky Gardenでは、約70m2の物件が平均月700ドルで貸し出され、10区Nguyen Kim Aビルは、完成したばかりだが月500万ドン(約313ドル)程度と手頃な水準だ。Phu Nhuan区のBotanicマンションでも、一般的な部屋からペントハウスまで、様々な部屋が借主を求めている。
様々な価格帯のマンションが賃貸に出されている状況について専門家は、これまでは投機目的での購入・転売が繰り返され実際に貸し出されることが少なかったためと話す。しかし市場が急に硬直したことで、多くのオーナーは銀行への返済にあてるべく、貸し出しを選ばざるを得なくなった。
現在4つの物件を持つある投資家は、物件を手放し資金を回収するべく価格を下げたが買い手がつかず、状況をやり過ごすために賃貸することにした。別の投資家も同様で、彼はPhu My HungのSky Gardenの70m2の部屋を月700ドルで貸し出している。
この物件の現在の市場価格は20億ドン(約12万5,000ドル)であり、部屋を売却し代金を銀行に預金すれば、月2,000万ドン(約1,250ドル)の金利が得られる計算だ。実際はその半分ほどの700ドルしか得られていないが、毎月の食い扶持を得るため貸し出す、これが、売却のタイミングを逃した投資家の共通の考え方のようだ。
賃貸価格は依然として高いが、供給物件が増えたことで場所や生活環境、価格帯の選択肢は広がった。専門家は、不動産売買熱が戻らなければ、引き続き供給は増えるだろうと話している。
(Thanh Nien)
(2008/06/03 05:22更新) |