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県内の暴走族、激減

2008年06月05日

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 県内の暴走族が激減している。県警のデータでは、07年は258人で、10年前の約10分の1。04年に暴走族の活動を抑えるための県条例ができたことに加え、構成員の中心になる少年世代のバイク・車離れも要因のようだ。

(長野佑介)

 県警は、暴走族を大きく二つのタイプに分ける。ひとつは、おもに二輪車の集団で市街地などを暴走する「共同危険型」。もうひとつは四輪車で山道などを無謀運転して技術を競う「違法競走型」だ。

 県警交通捜査課によると、県警に暴走族対策室ができた96年、取り締まり活動などを通じて県警が把握した暴走族は計3042人だった。

 97年には2315人と減り、その後も年々減少。07年は258人と、過去最少となった。「共同危険」のグループも最盛期の00年には81グループあったが、07年は6グループまで減ったという。

 先月も県警は、平塚市内などで活動していた暴走族「相州連合」と県内唯一の女性グループ「流狂連合」を解体し、計42人を検挙したと発表した。

 警察庁によると、全国の暴走族は最新のまとめの06年で1万3677人。97年の3万4051人より半分以上減ったが、神奈川の方が減り方の幅は大きい。

 県警は少子化を大きな要因とした上で「インターネットやテレビゲームなど身の回りの楽しみが増え、昔ほど車やバイクへのあこがれがないのではないか」とみる。また、暴走族での上下関係を嫌う傾向もあると分析している。

 04年の道路交通法改正も大きい。改正前は実際に迷惑を受けた被害者がいないと「共同危険行為」にみなされなかったが、改正後は暴走行為が目撃されれば摘発できるようになった。

 さらに県内では04年、暴走族の取り締まりを強化する県条例が施行。暴走行為に声援を送るあおり行為や、暴走行為への勧誘などにも罰則が設けられた。県内で暴走行為が行われる地域は「暴走族追放モデル地区」に指定。県警の暴走族相談員らが中学校で、暴走族の活動が暴力団につながることなどを伝えている。

 暴走族の減少とともに、騒音苦情など暴走族関連の110番通報も、97年の1万819件から07年は5744件と約半分にまで減った。

 県警は「どのグループを暴走族とみるかの線引きも難しくなってきている」として、暴走族とされてなくとも大音量で走るグループなどは取り締まっているという。

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