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　愛知県警捜査１課と瑞穂署は４日、教え子の女子中学生（１３）に暴行したとして、日本フィギュアスケーティングインストラクター協会の元理事で元コーチの酒井康資容疑者（５６）を強姦（ごうかん）致傷の疑いで逮捕した。酒井容疑者は４月１１日、自宅に宿泊させていた女子生徒に馬乗りになるなどして暴行し、１週間のけがを負わせた疑い。調べに対して「酒を飲んでいて覚えていない」と容疑を否認している。

　警察車両に乗せられた酒井容疑者は４日午後３時４０分ごろ、瑞穂署に入った。捜査１課や同署は先月、女子生徒の家族から告訴を受け、生徒側から事情を聴くなど慎重に捜査を進めてきた。この日逮捕された酒井容疑者は「酒を飲んでいて覚えていない」と容疑を否認しているという。

　調べによると酒井容疑者は４月１１日午前３時４５分ごろ、名古屋市瑞穂区の自宅に宿泊させた女子生徒が１人で寝ていた２階の部屋に忍び込み、馬乗りになるなどして暴行した疑い。生徒は妹（８）と一緒に昨年から酒井容疑者の指導を受けていた。練習が早朝にある時などに、同容疑者宅に宿泊していた。被害に遭った当日は、生徒の母親と妹も同容疑者宅に泊まっていたが、別の部屋で寝ていたという。生徒の家族が被害を県警に相談し、５月に正式に告訴していた。

　酒井容疑者は、選手としてジュニアの全国大会で優勝した経験があり、名古屋市内のスケートリンクで小中学生を中心に長年指導に当たっていた。レッスンを分刻みのスケジュールでこなすほど人気を集め、全国大会レベルの選手を多数育成。教え子の中には後に冬季五輪代表に選ばれた選手もいた。個人レッスンを受けていた女性は「生徒を分け隔てしない良い先生。口下手で照れ屋だがまじめだった」と印象を語った。一方で、今回の事件の被害者と同様、競技会が近づくと「合宿」と称して、小中学生の教え子を自宅に泊めることが多く、教え子との距離感に首をかしげるレッスン関係者もいた。

　逮捕される直前まで広報部理事を務めていた日本フィギュアスケーティングインストラクター協会の役員は「信じられない。温厚で子どもにも人気があった」と驚きを隠さなかった。

　［2008年6月5日7時49分　紙面から］

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酒井康資

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