公共交通機関の利用を促進するため、和歌山県は通勤などで積極的な利用に取り組む企業・団体を認定する新制度を創設した。 認定制度は県内に事務所または活動拠点がある法人、企業、団体が対象。「マイカー通勤している従業者のうち10%以上かつ10人以上が募集期間内に公共交通の利用を伴う通勤に変更」「ノーマイカーデーの月1回以上の実施」など4項目の取り組みすべてを行っていることが要件になる。 要件を満たしたうち、優良と認める企業などを認定(2008年度は上限10団体)する。そのほか、5万円相当の「鉄道またはバス乗車カード」などを贈る、JR西日本和歌山支社はJRでの通勤に変更した人数に応じ、JRオレンジカードを進呈する予定。認定企業・団体は県ホームページや県広報紙で公表する。募集期間は8月8日まで。 高齢化・過疎化が進行する中、交通弱者の移動手段となる公共交通機関の役割は重要性を増しているが、利用者は年々減少している。 県の調べによると、06年度の県内鉄道乗降者数は約7733万人で、ピーク時(1975年)の約1億2463万人から38%減少した。 乗り合いバスはさらに厳しく、06年度が約1508万人で、ピーク時の約7136万人(71年)から79%も減少。県と国は地方バス路線維持・運行対策に06年度も3億6964万円の補助金を交付している。 県庁では月1回、ノーマイカーデーを実施。出張での公共交通の利用などを呼び掛けている。民間ではノーマイカーデー推進協議会に15企業・団体が参加している。活動はいずれも和歌山市に集中している。 県総合交通政策課は「制度が知られることで、公共交通の重要性に対する認識が高まり、利用促進につながれば」と話している。 問い合わせは県総合交通政策課(073・441・2353)へ。