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【三重】

制服着たまま、3回出動も 四日市市消防・仮眠時間問題

2008年6月5日

 「夜勤中の仮眠時間は労働時間」と主張する四日市市消防職員協議会が全職員に呼び掛けて四日、同市文化会館で開いた勉強会。仮眠時間中の労働実態を示すために同協議会役員が紹介した事例で、頻発する仮眠時間中の出動の状況が明らかになった。

 ある救急隊員は午前零時半−同五時の仮眠時間中に三回の出動要請があった。業務を終えて署に戻ると再び要請が入り、休憩すらできない。午後五時−翌午前八時三十分までのこの日の勤務全体では、計九回出動した。

 所属や隊によって異なるが、通常一回の夜勤の間に平均約五回の出動があり、うち一回は仮眠中の出動になる。仮眠時は出動する際の装備からヘルメットと手袋、靴を脱いだだけで横になる。出動要請が入ると天井のランプが点灯、ブザーや音楽が鳴り起こされる仕組みになっている。

 ある職員(32)は「出動に備え常に緊張した状態では、眠ることはできない。現場の職員からすると、やはり仮眠時間は労働時間」。別の職員(33)は「休憩時間は精神的、肉体的に疲労を回復する時間というが、出動に備えていると疲労回復はできない」と漏らす。

 年々、火災や救急の出動要請は増える一方で、同市消防本部では昨年一年間で一万三千二百三件の要請があった。同協議会は「労働態勢は昔のままなのに、仕事内容や種類はどんどん複雑化している。住民の要求は高くなってきており、職員の士気を高める意味でも、仮眠時間は労働時間として扱ってほしい」としている。

 (蜘手美鶴)

 

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