県は家庭での小児救急対処法を解説するパンフレットを作製した。核家族の育児への不安を解消すると同時に、救急病院など高次医療機関への軽症患者の時間外受診を減少することで、医師不足が深刻な小児科の病院勤務医の勤務環境改善を図るのが狙い。
■発熱や腹痛13項目解説 県、12万部配布へ
県によると、2006年度の県内の小児科医は103人で、10年前の89人から14人増加しているが、夜間呼び出しが続くなど勤務環境が厳しくて病院勤務医は減少傾向にあるという。
勤務環境が厳しい背景には、子どもが風邪など軽い症状でも外来に駆けつけたり、親が仕事の終わった後の夜間など時間外に診察を求める傾向が強いことなどが指摘されている。このため「救急病院に患者が殺到すると緊急処置が必要な重症患者を救えない危険性がある」(県医務課)として家庭での初期的な対処法の啓発が必要としてパンフを作成することにした。
パンフは発熱、腹痛など13項目について解説。例えば、発熱では「水分や食事が取れる」「夜は眠れる」などの場合は通常診療時間を待って受診するよう呼びかけている。県は小学校などを通じてパンフ12万部を配布することにしている。
=2008/06/04付 西日本新聞朝刊=