2008-05-29
■自殺を無くそうなんて考える前に少しは病気のこと理解してあげてください
ああもうだめだ。なんかもうイライラしてきちゃって、俺が本来こんなこと書くべきではないとは思うんだけど……
痛いニュース(ノ∀`):「そんな次元の悩みで自殺。川田アナは世間知らずで打たれ弱いお嬢さん」…故・川田亜子さん批判で電撃ネットワーク・南部のブログが炎上
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なんでまだ「自殺は根性の無い奴がやること」だとか思ってる奴多すぎなのよ。
これが正論? 自殺者叩けば自殺者が減る? そんなわけねーだろ!
ていうか実際のところ自殺者が出た家は、それをひた隠しにしたりするよね。それってつまり「すでに叩かれてる」ということにならない?
叩かれないなら隠す必要無いだろよ。
でも一向に減ったりしないでしょ、自殺。叩いたって無駄っつーか、逆に遺族の行き場所無くして自殺の連鎖増やすだけなんじゃね?
あとね、自殺って「安易な逃げ道」だと思ってる奴けっこういるけど、意外とそうでもないのよ。本当に死を目の前にしたことある?
自分の死が目前にあるとき、このままじゃ死ぬと思ってるとき、どんな落ち込んでたりしたって火事場の馬鹿力が出たりするの。死のう死のうと思ってたって死にきれない奴なんていくらでもいるの。
自殺未遂者数のデータはちょっと見つからなかったけど、自殺者統計を見ると「少なくとも10倍はいると言われてる」とのこと。
つまり年間3万人の自殺者がいるということは、30万人以上の未遂者がいる。それだけの「死にきれなかった」やつらがいるの。
そんな中で本当の本当に死んじゃった人は、本当に強い決意があったのだろうと思う。
もちろん、死に切れなかったから決意が弱かったとも限らないけどね。未遂者は無意識のうちにギリギリ助かるように仕込んでおくという話も聞いたことがある。
それに自殺の原因なんて「心の弱さ」なんて曖昧なものに集約されるほど単純じゃない。さっきのサイトの自殺綜合対策大綱から少し引用する。
自殺は、健康問題、経済・生活問題、人間関係の問題の外、地域・職場のあり方の変化など様々な要因とその人の性格傾向、家族の状況、死生観などが複雑に関係しており、自殺を考えている人を支え、自殺を防ぐためには、精神保健的な視点だけでなく、社会・経済的な視点を含む包括的な取組が重要である。また、この様な包括的な取組を実施するためには、様々な分野の人々や組織が密接に連携する必要がある。
自殺で一番多いのは健康問題なんだそうだけども、不健康は経済的問題も産むし無理解な人間からの無意味なプレッシャーで鬱病をいわば合併症的に発症してしまう人も少なくないんじゃないかな。
結局自殺にの原因になってるのは「心が弱い」だの「怠け病」だの「根性でどうにかしろ」だのその病気の名前でググったこともない奴らなんじゃないのかね。ある意味殺人じゃないのかと思うこともある。その言葉が一人の人間を死に至らしめる弾丸になるんじゃねーかと。
俺は昔心理学に興味もって少しかじったことがある程度で、精神の専門家でもなんでもない。でも専門家はこんな乱暴なこと言わないだろう。
まあ、俺がそんな乱暴なこと言いたくなるくらい腹立ってるだけかもしれんけどね。
自殺全般と捉えると結局死んだ人からデータ取れないので難しいという面もあるようだけども、少なくとも鬱病くらいはメジャーなんだからいい加減覚えておいて欲しい。
以前にも書いたけども、怠けてるようにしか見えない病気ってのはいっぱいあって、理解もされにくいし見つかりにくいし、下手すると原因不明のままなんてことだってある。
かといって家族や周囲の人間にできることなんてありはしないのだ。だって病気なんだから。病気は医者にしか治せないよ。
できることは声をかけることや俺が治してやるなんてお節介でもなければ叱りつける事でもない。ただ病院へ連れて行くことだけだ。
とりあえず下のリンクでも読んどけ。
うつ病のサインを見逃すな! うつのチェック項目5カ条と対処法5カ条--心の健康診断(2):スペシャル - ZDNet Japan
この記事について
記事中にも書いてますが俺は精神・神経の専門家じゃないです。周囲にはいろんな病の患者がいますが鬱病と認められた人はいません。本人は鬱病を疑われた事がありますが認定には至ってません。
ということでいろいろ勘違い・間違い等含まれてる可能性がありますのでトラックバック・はてなブックマークコメント等あわせてお読みください。
……とか書いといて誰もTB・ブクマ付けてくれなかったらどうしよう。
追記
幸いなことにTBもブクマもいっぱい頂いて、ホントに嬉しい限り。みなさんありがとうございます。
特にid:l11さんのブクマコメントにあった「WHOによる自殺予防の手引き」というPDFがとても参考になるので、ぜひみなさん読んでください。一部引用しておきます。
自殺:誤解と事実
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/pdf/tebiki.pdf
誤解 事実 1.自殺を口にする人は本当は自殺しない。 1.自殺した人のほとんどはその意図を前もってはっきりと打ち明けている。 2.自殺の危険の高い人の死の意志は確実に固まっている 2.大多数の人は死にたいという気持ちと生きていたいという気持ちの間を揺れ動いている。 3.自殺は何の前触れもなく生じる。 3.自殺の危険の高い人はしばしば死にたいというサインを表している。 4.いったん危機的状況がおさまって症状が改善すると、二度と自殺の危機は起きない。 4.いったん改善してエネルギーが戻ってきて、絶望感を行動に移す事ができるような時期にしばしば自殺が生じる。 5.すべての自殺の予防ができるわけではない。 5.これは事実である。しかし、大多数は予防が可能である。 6.一度でも自殺の危機が高くなった人はいつでも自殺の危機に陥る可能性がある。 6.希死念慮は再び生じるかもしれないが決して永遠に続くわけではないし、二度とそのような状態にならない人もいる。
自殺の危険の高い人をどのようにして発見するか
現在や過去の以下のような行動からそのサインを発見する。
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/pdf/tebiki.pdf
- 引きこもりがちな行動を認め、家族や友人と良好な関係を持てない。
- 精神障害。
- アルコール依存症。
- 不安障害、パニック障害。
- 不安・焦燥感、厭世的態度、抑うつ感、無力感などに現れる性格変化。
- 自殺未遂歴。
- 食事や睡眠パターンの変化。
- 自己嫌悪、自責感、無価値感、恥辱感。
- 最近、重大な喪失体験があった。例:死、離婚、別居など。
- 自殺の家族歴。
- 個人的な事柄を突然整理しようとしたり、遺言状を用意する。
- 孤独感、無力感、絶望感。
- 遺書。
- 身体疾患。
- 死や自殺をしばしば話題にする。
援助源
以下の人々や機関がサポートを差し伸べてくれる。
- 家族
- 友人
- 同僚
- 聖職者
- 危機管理センター
- 医療従事者
どのようにして援助源に連絡を取るか
- まず本人の同意を取った上で、どこに援助を求めるかを説明してから、連絡する。
- 本人の同意が得られない場合、自殺の危険の高い人に対してとくに共感を抱いている人を探すように努力する。
- 相手が傷つかないように配慮して、愛する人よりも、むしろまったくの他人と話すほうが楽だということを前もって十分に説明する。
- 行動に移す前に誰にサポートを得られるか検討しておく。
- 援助してくれる人の状況についても配慮する。
すべきこと・してはならないこと
すべきこと
- 共感を示しつつ、相手の訴えに耳を傾けるとともに、冷静な態度を保つ。
- 支持的な態度で接し、相手を思いやる姿勢を示す。
- 相手の置かれた状況を真剣に受け止め、自殺の危険の程度を判断する。
- これまでにも自殺を図ったことがあるかどうか質問する。
- 自殺以外の可能性を探る。
- 自殺の計画について尋ねる。
- 十分な時間をとる。
- 自殺しないという約束をしてもらう。
- どのようなサポートが得られるか検討する。
- 可能ならば、自殺に使われるそうな手段を取り除く。
- 実際に行動を起こし、他者に知らせ、助けを求める。
- 自殺が生じる危険が高い場合、その人と一緒にいる。
してはならないこと
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/pdf/tebiki.pdf
- 状況を無視する。
- 狼狽したり、パニックになる。
- 何も問題はないと言う。
- 自殺してみろなどと挑発する。
- 些細な問題だととらえる。
- 誤った保証を与える。
- 秘密にすると約束する。
- その人をひとりにしてしまう。
その他有用な情報がたくさんあるので、みなさんぜひ目を通しておいてください。
俺もちょっと印刷して周囲に配ってみようかと思います。
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