2008年05月30日 更新

前節完敗…流れ変える! ベガルタFW再編、田中が先発

FW田中(左)

切れのあるドリブルで攻め込むFW田中(左)。湘南戦のスタメン起用で、練習にも自然力が入る

FW再編で勝利をつかむ−。J2ベガルタ仙台の手倉森誠監督(40)が29日、ここまで全試合に先発起用してきたFW中島裕希(23)の湘南戦(31日、ユアスタ)のスタメン落ちを決断。代役にFW田中康平(22)を指名した。この日の紅白戦では複数の組み合わせを試すなど、FW陣の先発争いが激化。中島がベンチ外になる可能性もでてきた。チームはこの日、泉サッカー場で練習を行った。

湘南戦を2日後に控え、手倉森監督が大きな決断を下した。

「(中島は)ここまで使い続けてきて結果が出ていない。しっかり受け止めなきゃいけないし、(中島を)基本的にスタメンから外す方向で考えている」

指揮官がFW中島のスタメン落ちを明言した。辛抱強く先発で起用してきたが、11試合連続無得点。結果が伴わない選手をこれ以上使えば、日々努力している他の選手のモチベーションは下がるだけ。限界だった。

中島に代わってこの日の紅白戦で主力組FWを務めたのは、FW田中だ。21日の熊本戦(熊本陸)で移籍後初出場したばかりの田中だが、手倉森監督の評価は高い。

FW中原(右)と手倉森監督

FW中原(右)に声をかける手倉森監督。湘南戦に向け、FW再編を決断した

「(味方FWと)一番連動して動ける。湘南戦は連動したFWのコンビでいきたいし、それができる田中は(出場の)可能性は高い」

25日の福岡戦(レベスタ)は引いて守る相手に対し、前線の連係が悪く攻撃のリズムを欠いて0−2で敗れた。湘南も同じように引いて守ることが予想されるため、指揮官は2トップの連動を重視。田中をFW陣の軸に据え、平瀬との2トップスタートを考えている。

また引いて守る相手を崩すため、ドリブルと早さが武器のMF西山を紅白戦の主力組FWでテストした。通常、FWは試合ではスタメン2人、控え1人の3人体制で臨んでいる。平瀬、田中に加え、西山がベンチ入りすれば中島、中原がベンチから外れる可能性もある。まさにFW再編。

「落ちるところまで落ちた。あとはやるだけ」

神妙な面持ちで中島が語った。今季4得点の中原も、やすやすとベンチ外になるわけにはいかない。田中の台頭でFW陣の競争が激しさを増してきた。

「チャンスをもらえれば、チームの勝利に貢献したい。得点に絡めるよう頑張りたい」

今季初先発へ、田中が強い決意をにじませた。第2クールを黒星発進したチームが決断したFW再編。これが大英断となるか大失敗となるか−。待ったなしで31日の湘南戦を迎える。

(有吉広紀)

■田中 康平(たなか・こうへい)

1985(昭和60)年12月11日生まれ、北海道出身、22歳。池田中から帯広北高へ進み、04年にJ1鹿島に入団。05年にJ2山形に期限付き移籍し、翌年鹿島へ復帰。今季J2仙台へ加入した。山形時代の05年9月14日の札幌戦で、プロ初出場初得点をマーク。今季リーグ戦1試合出場0得点、J1通算3試合出場0得点、J2通算4試合出場1得点。1メートル80、73キロ。ポジションはFW、背番号は「15」。