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サッポロの「赤星」、しぶい人気

2007年10月10日

 めったに見かけないサッポロビールの「赤星」がじわりと売れ始めている。正式名は「サッポロラガービール」。白いラベルに赤い星のマークが描かれ、「白ラベル」とも。昭和の時代に人気を博した「知る人ぞ知る通のビール」(同社)。レトロな味わいと希少性が受けているらしい。(アサヒ・コム編集部)

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伝統の赤星がついたサッポロラガービール

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赤星は瓶しかない

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昭和30年代のポスター

 サッポロによると、全国で赤星を取り扱っている居酒屋、料亭、各種料理店などは1〜2パーセント。100店に1、2店しかない計算だ。首都圏でも約4パーセントだという。瓶のみの発売で缶はなく、小売店に並ぶことも少ない。

 そんな赤星だが、昨年、異変が起きた。需要が前年比105パーセントと増加に転じたのだ。瓶ビール全体の需要が、前年比93パーセントと落ち込む中での健闘だ。

 昭和レトロブームのおかげか、新たに開店した和風ダイニングなど、しゃれた店での扱いが増えている。同社の赤星にかける宣伝費はゼロ。「お客さまの口コミ、ネットワークがありがたい」と担当者。

 そもそも、ビール各社が一つの銘柄しか販売していなかった昭和の時代には赤星は主役だった。「ミュンヘン、サッポロ、ミルウォーキー、これが世界のビール三大名産地です」(1958年)、「男は黙ってサッポロビール」(70年)。この宣伝文句で売られていた。

 その特徴は昔からずっと変わらない味だ。苦みや辛みなどを強調することもなく、すっとのどを通る。料理の味を邪魔しない。

 ところが、製造技術の進歩などで、徐々に脇役に追いやられてきた。

 赤星はビールをつくる過程で、ビール酵母の活動を止めるために熱処理をする。酵母を濾過(ろか)する技術が進歩し、熱処理をしない黒ラベルの「びん生」が77年に登場、主役の座を奪われた。80年代後半には、辛口ビールの「ドライ戦争」。さらに、飲食店が生ビールサーバーを置くようになり瓶ビールの需要が縮小。90年代半ばから発泡酒、第3のビールへと主役が移った。

 しかも、ラガーといえばキリンのイメージが強い。事実、昨年の出荷量は赤星の39万ケース(1ケースは大瓶20本)に対し、2370万ケース(クラシックラガーを含む)と約60倍の差をつけられている。

 90年代前半は毎年、生産中止が検討されたが、業務用の根強い需要があり、命脈を保ってきた。そんな中での静かな赤星ブーム。これから驚異の大逆襲が始まる予兆かもしれない。

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