備後版で五月下旬から企画「備後発!エコでいこう」を連載している。地球温暖化対策を中心に、市民グループの取り組みを紹介しているが、活動のすそ野が広がっていることを感じる。
福山市の五月のばら祭は数十万の人出にもかかわらず「ごみゼロ」だったという。食品トレーや割りばしは回収して再資源化し、食べ残しは堆肥(たいひ)化。持続可能な社会を目指す「ごみ5R推進本舗」を中心に、二日間でボランティア延べ八百人が参加し、三年連続の達成だ。
十以上の団体で昨年始まった「菜の花プロジェクト」は、育てた菜の花の油を、調理などに使用後、燃料に再利用する。この春、芦田川沿いなど十カ所に初めて花を咲かせた。これとは別に、市販の食用油を燃料に再利用する取り組みも、業者と町内会などが連携して広がっている。自治体や企業も、今回は取り上げていないが、対策を強化している。
環境問題といえば以前は公害だった。場所は局地的で、主に企業責任が問われた。地球温暖化は世界の問題で、国際協調が必要だが、もう一つ、再利用したり電気の使いすぎをやめるなど、より個々人の対応が求められているのが特徴だろう。
私もマイバッグを使い、自転車通勤は週二回以上を目標にしている。
出前講座でこまめな節電を呼び掛ける福山市の「脱温暖化ぬまくまフォーラム」は「温室効果ガス削減を繰り返し言ったところで何も進まない。一緒にやりましょうという発想が大切」と指摘した。一緒にやりますか。
(福山支社・柏原康弘)