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2008年6月4日

 1カ月たってもミャンマーのサイクロン被害の実態は深刻である。ジャパンテントに参加した元留学生からも、支援の訴えが本紙に相次いでいる

力になりたいが、事はそう簡単ではないようである。各国からの援助物資を、軍事政権が横取りしているという情報が絶えない。手助けが独裁政権の私腹を肥やすのでは、逆に被災者を困らせる。援助があだになりかねない、悲しい現実がある

きのうの本紙連載「実践編子ども栄養学」に理想の朝食が紹介されていた。ご飯にみそ汁、焼き魚、卵焼き、納豆というありふれた和食。とりわけ、ご飯は頭の良くなる優れものだそうである

共に米を常食とするミャンマーや四川の被災者を思えば、ご飯のありがたさが身にしみる。おいしい米を彼らにもおすそ分けしたい、とも思う。が、被災地支援の盛り上がりは、いまひとつとも聞く

無関心ではあるまい。善意がきちんと届くのかという疑いが、なお消えぬからに違いない。善意が裏切られるほど、つらいことはない。そのことを、現地で活動する元留学生たちは、分かってくれているだろうか。


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