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10羽みんな巣立ったよ 聟島移送のアホウドリ

2008年05月27日08時29分

 伊豆諸島の鳥島から小笠原諸島の聟島(むこじま)へ運ばれ、人工飼育されていた国の特別天然記念物アホウドリのヒナ10羽がすべて無事に巣立った。26日、環境省が発表した。

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成鳥のデコイ(模型)にエサをねだるしぐさを見せていたヒナは、10羽の中で最後に巣立った=小笠原諸島・聟島、小林正明撮影

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22日昼に巣立ったアホウドリ。飼育場所から飛び立ち、無事に海上に着水した=山階鳥類研究所提供

 ヒナ10羽は2月19日、鳥島からヘリコプターで350キロ離れた聟島へ運ばれた。アホウドリの営巣地・鳥島は火山噴火の恐れがあり、新しい繁殖地をつくるためで、山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)の研究員らが無人の島に滞在し、餌をやって育ててきた。

 今月19日朝に1羽目のメスが巣立ち、25日朝に最後の1羽のオスが島を離れた。

 この保護事業は日米が協力する5カ年計画で、今年始まった。山階鳥研の尾崎清明・標識研究室長は「1年目が成功してほっとした。成鳥になって聟島に戻って来るのに3年以上かかるが、いまからとても楽しみだ」と話した。(中山由美)

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