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給食費も「もう限界」/原油高で食材高騰
- 子育て・教育
- 2008/06/03
小麦の値上げや原油価格高騰のあおりを受け、県内の各自治体の教育委員会が給食の食材調達に頭を悩ませている。業者の協力もあってこれまでは年間契約で供給されてきたが、学期ごとの契約を余儀なくされているところも。給食費は約十年間据え置きだった自治体も多く、「もう限界」と悲鳴に近い声が漏れている。
値上げや量減らしも
県教育委員会によると、給食費は学校給食法に基づいて保護者に食材費の負担が求められ、各自治体(教育委員会)が実態に応じた給食費を設定している。
二〇〇七年五月の調査では小学校の給食費は、南足柄市の月四千百円(年間百九十二回)が最高で、一食平均単価は二百三十五円。最安値の横須賀市は月三千三百円(同百八十二回)で同百九十九円になっている。一九九一年度から据え置いているという横須賀市教委の担当者は「一括購入によるスケールメリットを生かしたり、納入業者などの協力が重なった成果だが、このまま給食費を据え置くのは非常に苦しい状況になっている」と打ち明ける。
学校給食の食材の基本は国内産。できれば県内産、さらに地場産とハードルを高くすれば、その分、調達費がかさみ、ますます予算面で厳しさを増す。
こうした中、〇八年度から値上げに踏み切った自治体もある。平塚、茅ケ崎の両市と湯河原町の二市一町で値上げ幅は月二百~三百円。いずれも、値上げは〇七年度に決まったもので、最近の食材の高騰が直接影響したものではない。
しかし、九八年九月以来、約十年ぶりに三百円の値上げをした茅ケ崎市教委の担当者は、〇二年に三十八円五十銭(二百㍉㍑入りパック)だった牛乳が〇七年に四十円九十六銭、今年は四十一円六十八銭と急騰する状況を例に「一食二百円程度でこの高騰は大変なもの」と苦しい台所事情を解説する。一人六十㌘だった肉を五十㌘に減らし、甘夏は四分の一から六分の一にしたりと副食でやりくりしている。
大豆やバターの高騰で、納入業者も見通しを立てられず、年間ではなく一学期単位の契約しかできないという。保護者にとっては安くて、良質な食材が期待されるが、先行きは一層不透明となっている。
◎市町村別の小学校の給食費
市町村 月 額 1食平均
横浜市 3,700 221
川崎市 3,500 210
横須賀市 3,300 199
*平塚市 3,455 208
鎌倉市 3,600 216
藤沢市 3,600 216
小田原市 3,800 227
*茅ケ崎市 3,600 216
逗子市 3,750 222
相模原市 3,700 226
三浦市 3,600 216
秦野市 3,600 220
厚木市 3,700 220
大和市 3,700 220
伊勢原市 3,700 226
海老名市 3,700 221
座間市 3,800 232
南足柄市 4,100 235
綾瀬市 3,800 229
葉山町 3,583 215
寒川町 3,677 221
大磯町 3,700 226
二宮町 3,800 232
中井町 3,900 232
大井町 3,800 224
松田町 3,800 228
山北町 3,827 231
開成町 3,900 233
箱根町 3,785 228
真鶴町 3,800 227
*湯河原町 3,600 218
愛川町 3,376 203
清川村 3,600 212
(注)2007年5月1日時点の県教委調査。単位は円。月額は年間徴収予定額を11で割ったもの。*の付いた自治体は08年度から値上げに踏み切った。
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