経営悪化が続いている白老町立病院は、病床数を削減し老人保健施設を併設した病院に変更する案が新たに浮上した。飴谷長蔵町長は今月末までに、この新案や診療所化などを含め病院運営の方向性について最終決断を下すが、赤字額の圧縮と病院機能を残した案だけに有力視される。ただ、医師確保など難題は残されている。
町立病院は現在、病床数が92床(一般76床、療養16床)。経営については規模縮小や診療所などさまざまな観点で検討してきた。さらに今年3月、道などで組織する自治体病院等広域化・連携構想白老地区検討会議は、主に診療所(19床)と病院(46床)について検討。
10年後の経常収支は、病院で3億5000万円、診療所で1億5000万円の収支不足が生じるとした。この結果、診療所は経営リスクが軽減され、さらに少ない医師で済むことから「診療所による経営が望ましい」と結論付け、町に報告している。
今回、新たに浮上した案は、病床数を50床に削減。29床未満の小規模老健施設を併設するという内容。従来は併設する場合、同一の建物でも玄関は別にするなど機能分担が条件だったが、今年5月1日の法改正でスタッフの兼用や厨房関係なども含め共用できるようになり、経営の効率化が図れる。10年後の赤字額も1億円以内に圧縮できる試算。町は今後、さらに細部を詰めていく考えだ。
同病院の経営状況は、経営健全化の効果もなく平成18年度で不良債務が4億4500万円に達した。19年度決算予測でも2億円の単年度赤字。町の一般会計の持ち出しは1億8000万円に上る。
同病院は、鉄筋コンクリート造り3階建て。昭和41年に建設され、老朽化が著しい。今回の案では、当面は現在の建物を使用していく。
ただ、近い将来は建て替えが必要になることから、町の危機的財政状況の中で財源確保などの問題もある。さらに、病院機能だと医師の配置基準では6人が必要。診療報酬の改定など病院経営が今後厳しくなるなど課題は山積する。診療所案もいまだに残る中で、飴谷町長は病院の在り方について6月中に結論を出すとしている。
(半澤豊彦)
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