2008年06月01日

ニコの運動会

 ニコの小学校の運動会はもともと土曜日の予定だったが、
 どうしようもなく天気が悪い予報なので、金曜日中に中止となった。
 日曜日は素晴らしい天気で、
 校庭も、真駒内南小学校ほど素晴らしい水はけではないにせよ、
 なんとなく、出来ている。

 さて、
 ってのは日曜の話だ。
 土曜の夜に、夜なべ仕事をしていた俺は。
 寝ようかなと思いつつ、お弁当が、気になる。
 1Fの書斎を出て、とことこ上って、2Fのキッチンを覗いてみた。

 1丁目ババや2丁目ババの援用は、ない。
 武蔵野では、一家4人しかいないのだ。

 妻はそれなりに、運動会のお弁当の素材を集めていたもよう。
 早起き覚悟の妻と、このままでは夕方まで眠ってしまいそうな俺。
 その彼岸が、この午前4時だ。
 頭は重かったが、なんかしでかそうと思った。

 ショウガ醤油で下味をつけてあった鶏肉に、かき混ぜた玉子をからめた。
 フライパンで、いわば巨大オムレツのように火を通す。
 ブロッコリとアスパラは、それぞれ塩味で茹でる。
 ブロッコリには、オリーブオイルと塩。
 アスパラには、マヨネーズと醤油。
 てきとうに和える。

 新潟から通信販売で買った、無農薬とやらのお米がある。
 これは、めったやたらにうまいのだ。
 妻が仕込んだタイマーによれば、
 それが炊けるのはどうやら6時らしいという炊飯器の表示なので、
 飯の分野は無視することにした。
 ショウガ味の鶏玉子とブロコリとアスパラを仕込んで自己満足。
 1Fに戻り、雨戸を閉めて寝た。

 ニコは、転校したばかりの学校で、初めてリレーの選手に選ばれた。
 ところが練習の過程で、顔に大けがを負った。

 俺は、ここ数年で、最大の憂鬱を感じている。
 俺の顔をマスクメロンみたいにギザギザにしてもいいから、
 ニコの傷をすっかり治してくれと思う。
 彼女の傷がすべすべに治るなら、指の一本くらいはあげます。
 まあ、若さの治癒力が、すべて解決してくれるだろうと信じているのだが。
 あるいは現代の形成外科の先生の、超絶技術を信じたいのだ。
 ブラックジャックにシンパシーするよりも、
 ブラックジャックに大金を払いたい気分だ。
 
 それはともかく、運動会の当日。
 ニコは、バトンの受けも渡しも、バッチリで、よかった。
 素晴らしく速かった。

 武蔵野の小学校の運動会は、とても逞しかった。
 大玉転がしや組体操など、これまで見たこともなかった種目に感動した。
 ニコが怪我を負うことになったきっかけの「棒引き」も、実に面白い種目だった。

 9時から15時まで、グラウンドにいた。

 真駒内ではずっと選手だった紅円は、リレーに出たくてたまらぬ様子で、
 その欲求を「PTAおよびOBによる綱引き」に賭けていた。
 俺は、絶対に手首か腰を痛めそうなので、逃げていた。
 妻と紅円でニコの白組を応援したが、どうにも弱かったようだ。
 二人ともてのひらにマメを作っていた。

 真っ青な空、校庭の上を何度も巡っていたヘリコプターたち。
 ──のべ9機は、いったい何だったのだろう?

 ニコの顔の傷がまっさらになるなら、指などとられてもいい。
 俺の指なんかやってもどうしようもないだろうが、
 そういう科学があるなら、替わってやりたい。
posted by TAKAGISM at 23:59| Comment(0) | 休日
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