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グッドウィル支店幹部らを逮捕へ 二重派遣幇助の疑い

2008年06月03日08時46分

 日雇い派遣大手グッドウィル(東京都港区)が派遣した労働者を港湾関連会社の東和リース(同)が二重派遣していたとされる事件で、警視庁は3日、グッドウィルのEV(イベント)新宿支店の当時の支店長ら数人を職業安定法違反(労働者供給事業)幇助の疑いで、東和リースの幹部を同法違反容疑で取り調べる。容疑が固まり次第逮捕する方針。派遣業で二重派遣は横行しているとされるが、刑事事件になるのは初めて。

 保安課の調べでは、東和リース側は派遣業の許可がないのに05年冬〜07年夏、EV新宿などグッドウィルの複数の支店から派遣された労働者数人を、港湾荷役会社の笹田組(横浜市)と太洋マリーン(港区)に二重派遣し、供給先の両社の指揮下に置いて東京湾の埠頭で働かせた疑いが持たれている。グッドウィルEV新宿支店の当時の幹部らは、東和リースなどによる二重派遣を違法と知りながら労働者の派遣を続けた疑い。

 警視庁は、グッドウィルが支店幹部らだけでなく会社ぐるみで二重派遣に関与していた可能性もあるとみて、同社の本社側の関与についても解明を進める。

 港湾業務など危険の伴う業務への労働者派遣は労働者派遣法で禁止されている。東京労働局によると、グッドウィルは04年10月〜07年6月、港湾運送業務に延べ1240人(実数52人)の労働者を派遣していた。グッドウィルの複数の支店は、労働者から作業内容の報告を受けており、日当に約500円を上乗せしていた。

 これまでの警視庁などの事情聴取に対し、グッドウィル側は二重派遣について「派遣契約書など必要書類の不備でわからなかった」と話しているという。また、東和リースが港湾業務への派遣をしていたことには「倉庫での仕事は港湾運送業務には当たらないと判断し、派遣を続けた」と説明しているという。

 東京労働局は今年1月、東和リースなどを職安法違反容疑で警視庁に告発。同庁は同月31日、グッドウィルの本社などを家宅捜索していた。

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