インサイダー取引で野村証券元社員ら２人を起訴　東京地検

　野村証券元社員らによるインサイダー取引事件で、東京地検特捜部は２日、「三光純薬」株や「アサヒ飲料」株などで不正取引を行ったとして、証券取引法（現金融商品取引法）違反罪で、中国籍の●（＝がんだれに萬）瑜（れい・ゆ）＝３０＝と、友人の会社員、蘇春光（そ・しゅんこう）＝３７＝の両容疑者を起訴した。

　不正が疑われた取引は２１銘柄で利益総額は約４２００万円に上ったが、特捜部は証拠があいまいな取引を除いた４銘柄５件に絞って起訴。不正に得た利益は２被告が共謀した取引で約１８５万円、蘇被告が単独で行った取引で約１１８４万円だった。

　起訴状によると、●（＝がんだれに萬）被告は蘇被告と共謀し、「三光純薬」「サイトサポート・インスティテュート」の２銘柄について、完全子会社化などの内部情報を入手。情報公表前に計約１万株を購入。蘇被告は「三光純薬」「富士通デバイス」「アサヒ飲料」の３銘柄について●（＝がんだれに萬）被告からの内部情報で公表前に計約５万７５００株を購入した。