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2008/06/02

吉兆よりイルカ鍋

1978年に保育社という版元から出た本で「吉兆」という写真集があるらしい。B4版190ページで8万円という豪華本なんだが、コレが売れたらしい。というのも、プロの料理人がこういうのを買えば「元が取れる」わけだ。「この写真集を見て、什器と盛り付けだけを真似た“日本料理の高級店”が全国津々浦々に乱立した」、と宝田豊の「新マネー砲談」に出ているんだが、
吉兆の理念とは 「 客は店が育てるもの 」 と確信させられる。
その自信あるいは責任感を 「 傲慢すぎる 」 と非難することはできない。
湯木は20世紀の千利休を目指した才人であるからだ。
すなわちバカ高い料理代は野蛮人に礼儀作法を教えてやる授業料であると。
戦国時代が終結する頃、千利休は勝ち残った戦国大名を集めて茶席を催した。
もう、これからは刀槍で切った張ったの時代じゃないよと。
戦に明け暮れ、読み書きさえ満足に出来なかった武士階級に礼儀を教え、ついでに贅沢の極みを垣間見せてやったわけだ。
こういう料亭文化のベースとなっているのは茶道文化なわけだ。茶道とは何か? 日本独特のモノなんだが、単純に言ってしまえば
金持ちが貧乏人のフリして遊ぶわけだな。足利時代とかはそうでもなかったようなんだが、つうか、支那渡来の高級な茶道具を自慢したりしていたようなんだが、そのうち千利休という人が
カッコ悪い事がカッコイイというひねくれたコンセプトを持ち込むわけだ。茶道で尊ばれる茶道具で井戸茶碗というのがあるんだが、アレは朝鮮の貧乏人が使っていた日常雑器でね。その中でも不良品で釉薬が溶けきってないガサガサのヤツなんぞを「名品だ」と称してバカな大名なんぞに売りつけたあげくにインチキがバレて切腹させられてしまうんだが、今でも千利休は詐欺師の神さまと呼ばれていて、日本各地で詐欺師の神さまを祀る儀式が、詐欺師たちの手によって行われているわけだ。で、たまに詐欺がバレたりするんだが、
吉兆の凋落は法人資本主義の崩壊に最大の原因が求められる。
すなわちサラリーマン重役による「 交際費を使った料亭遊び 」 が困難になったからであろう。
くわえて客層が破滅的に堕落した。
高度成長時代の野武士たちは、交際費を遊興費に転用するときも天真爛漫のガッツに溢れた。
嫌らしい言葉であるが「 がんばった自分への御褒美 」 であると。
湯木は茶道の才人であると共に 「 機を見るに敏な関西商人 」 だったのである。

1980年代以降の社用族はキック・バックを欲しがるネクタイ乞食ばかりになってしまった。
日本経済に利権の徒花(あだばな )と咲いた法人資本主義が、ポロポロと落花していく状況である。
つまり、吉兆のような料亭がショーバイになったというのは、法人資本主義の領収書本位制ゆえだというわけで、それが、外国人株主とか厄介なモノが増えてナアナアで済まされなくなって来ると。今では高級料亭なんざ、官僚とか政治家しか行けなくなってしまったわけだ。なので、そんなもんいくら潰れてもおいらの生活には何の支障ももないので、野蛮人は野蛮人らしくイルカ鍋でも食ってるのでどうでもいいです。

吉兆 料理花伝 吉兆 料理花伝
価格:¥ 12,600(税込)
発売日:1983-01

コメント

>茶道とは何か? 日本独特のモノなんだが、単純に言ってしまえば
金持ちが貧乏人のフリして遊ぶわけだな。

まさしくその通り。
そして莫大な金を掛けて貧乏人の振りをするという歪んだ思想なのだよ。茶室なぞその典型。これも一種の「裸の王様」で当たり前のことを当たり前にいうと差別されるので、学者からマスコミ・メディアも賞賛することで今日まで生きながらえているのだ。

>金持ちが貧乏人のフリして遊ぶわけだ
侘び、とか寂びとか言わず、目に見えるタトエがすばらしい。これなら紅毛南蛮の徒輩にも分かります。

「批評」とは「褒めるコトダ」と言い切った小林秀雄は、だから伝統に則ってお仕事したのダ…ということなのですね。。U~MM

>カッコ悪い事がカッコイイ
カルト臭がするw

>イルカ鍋
危険臭がスルwww

今から 公民館に 貧乏人の振りの稽古に 行って来ます。

茶室はマー 外見は(建築費は不明なるも)贅沢ではないのは分かるとして。他にどんな事でしょうか? 思いつきません。 お教え下さい。当方今までは あまり貧乏人に成った事が無いので。そろそろ貧乏人にりそうなので後学の為に。

上の投稿。言葉足らずですみません。漠然とは良い例えのように思えるんですが具体的には思いつきません。 茶道で「貧乏人の振りをする」のが 例えば どういったことかご教授下さい。どなたか。

>1980年代以降の社用族はキック・バックを欲しがるネクタイ乞食ばかりになってしまった。

至言だね。

二階堂さんの記事で「なるほど!」と膝を打った。「料理の使いまわし」は民事再生法適用狙いで船場吉兆自らがリークしたものであると。

湯木の娘、おそるべし。

>茶道での貧乏人の振り とは。
野次馬さんの書かれている 「朝鮮の貧乏人が使っていた日常雑器の不良品を名器と賞する」
とか
最小限の動作と言葉で マメに気配りする。
とかではないでしょうか?
私は 正真正銘の貧乏人なので 茶道についてアレコレ言う資格はありませんが。

ひと粒ひと粒、選び抜いたコメでメシを炊くというのもあったな。

茶道では「安南手」と呼ばれる染め付けが尊ばれるんだが、アレもベトナムで作られていた「雑器」だ。安物なので絵付けが雑で、溶けて流れているようなのを喜ぶ変態趣味です。日本では何百万もするんだが、ベトナムでは今でも掘ればザクザク出てくる。茶道の茶碗のサイズだと日本の骨董屋がみんな買って行っちゃうんだが、ドンブリサイズとか妙に小さいヤツだと売れないので二束三文w

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