西日本新聞

「処女」とウソ結婚無効に 仏の地裁で判決 政界から批判

2008年5月31日 14:16 カテゴリー:アジア・世界

 【パリ31日高木昭彦】フランス北部リールの大審裁判所(日本の地裁民事部)が今年4月、イスラム教徒同士の新婚夫婦について、婚前に新婦が新郎に対し自分が処女であるとうそをついたことを理由に、婚姻無効とする判決を出していたことが分かり、政界や人権団体から猛烈な批判を浴びている。


 裁判所に婚姻無効を申し立てていたのは技師の30代男性。訴えによると2006年7月の結婚前、婚約者の女性は貞節を断言していたが、新婚初夜の明け方にうそをついていたことを告白した。「侮辱された」と怒った新郎の父親が女性を実家に送り返し、男性も別れることを決断した。

 判決は、この男性にとって女性の処女性が結婚の決定的条件だったとして、女性のうそは民法で婚姻無効を求める要件「配偶者としての重要な資質に問題がある場合」にあたると判断した。男性側代理人は「判決は極めて論理的」としている。

 これに対し、女性の人権担当閣外相は声明を発表し、「判決にがくぜんとした。民法の規定が解釈によって女性の地位を後退させた」と厳しく批判。与野党双方からも「判決は宗教の古くさい原理主義を支持した」(国民運動連合議員)、「女性が男性同様、自分で性行動や生き方を決める権利を踏みにじった」(社会党議員)と非難の声が上がっている。

=2008/05/31付 西日本新聞夕刊=

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