Ameba by CyberAgent Ameblo
2006-11-01

■「銀河パトロール部隊」は必要なのか

Theme: オーマイニュース
http://www.ohmynews.co.jp/omn/News.aspx?news_id=000000002667

元原稿はこちら…
銀河パトロール部隊」は必要なのか
「コメント欄炎上問題に寄せて


先頃、「ココロ・プラネット(ココプラ)」というSNSにおいて、「銀河パトロール部隊」なるものがそのサービスを開始 しました。これは実は、個々の参加ユーザーを惑星(プラネット)に見立てて、すべての書き込みを検閲するサービスに名付けられた名称です。

公式サイト によれば、「悪口を言わない」というルールを徹底させるべく、「銀河パトロール部隊(は)毎日のように巡回して…あなたにとって不快な発言・コメントは、すぐに削除される」とのことで、これはこのSNSのある程度の集客に繋がりそうです。「自分を必ず認めてくれる暖かい場」また「ひとりひとりが…「プチ・カリスマ」「プチ・ヒーロー」になるような空間」という謳い文句に魅力を感じる人は少なくないことでしょう。

とはいえ、そのあとに続く「ココプラでブログを書くことで、「人の悪口を絶対に言わない」というルールが世界中に広がり、それによって世界が明るくなれば、とココプラでは考えています」という説明を読むと、はたしてこれは客寄せのための美辞麗句なのか、それとも本気でそう考えているのか、と首をかしげざるを得ません。

なぜならこのSNSが自ら認めている通り、そのような状況を作り出すためには「銀河パトロール部隊」が「毎日のように巡回」して「不快な発言・コメント(を)すぐに削除」しなければならないからです。このことをそのまま敷衍すると、そのようなルールを世界中に広げて世界を明るくするには、世界的な「銀河パトロール部隊」が必要、ということになります。

そのような「銀河パトロール部隊」は必要なのでしょうか? そもそも、それは可能なことなのでしょうか?

このSNS内に限って言えば、それは他サービスとの差別化のため、また参加ユーザーの強い要望のために必要であり、実際に可能なようです。事実、ココプラでは「神速削除」とも評されるコメントのスピード削除やユーザーの強制退会が現在進行中です。しかしながら、世界的な「銀河パトロール部隊」となると、その実現はまず不可能でしょう。インターネットというインフラの特性上、物理的に不可能ということもありますが、それ以前にそのような世界的な規制を行ない得る機関がありません。加えて、そうした規制を望んでいない人も多数います。

その一方で、ちょうどコメント欄炎上問題に端を発する提議意見の公募 を見るにつけ、オーマイニュース内に「銀河パトロール部隊」は必要なのか、と考えさせられます。と言うのも、記者が以前に執筆した記事 のコメント欄もまた、俗に言う「炎上」のために「閉鎖」されてしまったからです。

これは非常に残念なことです。なぜなら通常は、コメント欄でのやり取りから記者自身が得られるものは多く、それは他の記者やオピニオン会員の思考を刺激するだけでなく、恐らくは記事の情報を補足強化してより多くの情報を読者に伝えるものとなり得るからです。

しかしこの場合はそうはなりませんでした。インタビューの相手の人がネット界ではよく知られた情宣の達人また論客であったというだけでなく、その人が以前に奉じていた宗旨やその頃の活動が注目されてしまったためです。そのために、記事の投稿と掲載という行為自体が、過去に何らかの被害に遭ったと感じているかそれを目の当たりにしたと感じているのではと思われる一部の人々の感情に火を付け油を注いでしまったようです。

結果として、情宣の達人自身がネットを使った情宣の限界を語る、という非常に興味深い企画が、あろうことかインタビューの相手の人物がネット界への影響力の復活を目論む企て、と勘違いされてしまいました。記者も編集局も騙されているか言いくるめられている、この人物はその過去ゆえに今でも危険人物であるに違いない、果ては記者自身がそうではないと再三申し上げたにもかかわらず同じ宗旨の人間だとの烙印を押されてしまい、このことは記者本人に対する重大な名誉毀損とみなされかねない、という指摘があり、拠所なく状況を事務局側に打診、最終的にコメント欄の封鎖という残念な結果となってしまいました。

第2回目また第3回目の記事が、全く中立的な内容であるにもかかわらず未だに掲載されていないのは、既に以前の宗旨からのカミングアウトをはっきりと表明しているこのインタビューの相手と記者本人の身を案じてのこと、という編集局からの通知を受け取っています。これには感謝する一方で、記者としては複雑な心境でもあります。

記者として、今回の「炎上」であらぬ誤解を生んでしまったことを遺憾に思います。

と同時に、このような場合においては、やはりオーマイニュース内での「銀河パトロール部隊」ならぬ編集局の介入は相当であると感じざるを得ません。事実、このケースではコメント欄における記者の釈明がかえってインタビューの相手の人物への不当な擁護と受け止められ、誤解が解けないままコメント欄が「炎上」してしまったからです。

確かに、ネット全体を管轄するような規模の「銀河パトロール部隊」論は実質がありません。ネットでの発言は皆等しく、外部での批判やコメントやウォッチを避けることができず 、ネット全域を取り締まる権限を持った組織も個人も存在しないからです。オーマイニュースの市民記者であるわたしたちもすべからく、この事実は再三直視すべきでしょう。もっとも、それがどうしても耐えられない人々には、最初に取り上げたような場もあります。

その一方で今回の事例は、オーマイニュースのコメント欄において、今後、事務局が記者の要請に応じていわば「銀河パトロール部隊」として行動すべきかどうかの、一つのテストケースとなるに違いありません。

ある人がいみじくも述べたように、「(たとえ仮に一部の人々から犯罪者扱いをされてしまうような人)の言い分をそのまま載せることにも「ニュースとしての意味」はある 」のですから、記者の全く中立的な立場からのインタビュー記事に対して、コメント欄での穏やかな質疑応答を願ってやみません。



“市民みんなが記者だ”という理念で発足した日本版オーマイニュースが、現在「この記事にひと言」欄(コメント欄)の運用について意見を募集している..........≪続きを読む≫  

オーマイニュースが「ひとこと欄」に意見募集中

Comments

[Publish Your Comment]

Add your comment

Trackbacks

Trackback Ping URL for this entry :

http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/10019022906/a46696cd