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【経済】

食糧危機に日本のMA米を活用 フィリピン支援で米政府と合意

2008年5月24日 夕刊

 【ワシントン=古川雅和】日米両政府は23日、ワシントンで農業関係の実務者協議を行い、世界的な食糧危機問題の沈静化のために、日本が米国などから輸入したミニマムアクセス(最低輸入量)枠のコメ(MA米)を活用することで一致した。日本は、フィリピンが要請している20万トンのMA米の提供に応じることを米国に報告、日本国内での消費を求めていた米国も日本の行動への支援を表明した。

 日本は世界貿易機関(WTO)協定に基づいて現在、毎年76・7万トンのコメを政府が輸入している。加工用や飼料用以外に年間10万−20万トンをアフリカや北朝鮮への支援に使い、2007年10月末で約150万トンの在庫がある。

 一方、米国はMA米の約5割を占める米国産米の消費拡大のため日本の消費者に販売するよう日本政府に求め続けてきた。ただ、ベトナムやインドがコメの輸出規制を行い、穀物市場に投機資金が流入したことで、国際的な食糧危機が発生して社会不安も起きていることから、日本の在庫米を食料不足の解消に利用した方がいいと判断したようだ。

 日本は今後、フィリピンと売却や無償支援などMA米の提供方法について協議を行い、早期に送りたい考えだ。

 

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