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自家製たい焼き ( マッパッパ より)

JUGEMテーマ:インターネット




自家製たい焼き ( マッパッパ より)
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hatena.com

意外だったが、サービス・ドメインはhatena.usではなくhatena.comだった。
whoisでみる限り、別の所有者がいたようだが譲ってもらった、ということだろうか?
とにかく、まずは、はてなの米国進出を祝したい!

http://www.hatena.com/

同時に国内でも同様の新サービスを開始した模様。

はてなダイアリー日記

はてなスターTシャツ欲しい!
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英EMIグループ、ユーチューブと提携

いよいよ一気に業界動向が幅広く変化していき、経営決断を要する案件がますます増えていくだろう。
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あなたは独立向き?起業家適性診断テストで占ってみよう

Test Results How do you compare

あなたは独立向き?起業家適性診断テストで占ってみよう

http://jp.techcrunch.com/archives/are-you-a-y-combinator-founder/

当たっている部分もあり、当たっていない部分もあり。
http://likebetter.com/
が開発したテスト。
それにしても、版権はクリアになっているのだろうか?

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海外SNSビジネス #2 『競合・新興勢力の動き』

古めのエントリー記事(2005年12月4日)ではあるが、アメリカSNS事情を俯瞰できるので、一部抜粋する。

日本・海外SNS、人気は特定のサービスに偏る傾向
http://nicemeets.com/taiken/archives/000629.shtml
アメリカではRyze、Tribe、LinkedIn、Friendster、Spoke、Visible Path等、日本と比べ物にならないくらいたくさんのSNSが立ち上げられ、運営されています。
それでもやっぱりトップレベルの人気サービスは限られてきてMySpace、Hi5、Friendsterがベスト3となるそうで、その他のサービスは会員数の伸びが鈍化するサービスも珍しくないらしい。
(technologyreview)

元ネタはこちら。

Social Networking 3.0
http://www.technologyreview.com/read_article.aspx?id=15908&ch=infotech

言うまでもなくMySpace、LinkedIn、Friendsterが有名だ。そして、MySpaceを追う競合としてBeboやTagWorldがある。

SNSの米Bebo、米国以外でMySpace.comを猛追
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/08/09/12953.html
MySpace.comは米国では依然として50.18%の市場シェアを持ちSNSでは首位の座を固く守っているが、米国以外ではそうでない。オーストラリアではMySpace.comが16.68%のシェアで首位を保っているものの安泰ではなく、ニュージーランドではBeboが、香港ではXangaが、シンガポールではFriendsterが首位の座を保っている。

人気の米SNS「MySpace」に新たな挑戦者--「TagWorld」がサービス開始
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20092709,00.htm
TagWorldを開設したEvan Rifkinは、「MySpaceが最終形だとは思わない。これはSNSやオンライン音楽サイトのスタートに過ぎないと思っている」と述べている。

そして、SNSの基本特許をFriendsterが取得したことによって、SNS業界の図式は大きな波乱含みとなっており、ここでもLinkedInが重要な鍵を握っていきそうだ。

FriendsterがSNSの基本特許を取得,競合他社とのライセンス交渉が始まるかも
http://zen.seesaa.net/article/20444352.html
RED HERRINGの解説によると,Friendsterの特許は別のソーシャルネットワーキング技術関連特許を引用しているという。引用された特許は,今の SNSブーム以前の2001年にSix Degrees社によって取得されたものだが,その後,LinkedIn とTribe.netの創立者によってオークションで買い取られている。
こういう背景もあるので, LinkedInなどのSNSがFriendsterの特許を侵害しているのかどうか,はっきりしない点もある。

さて、ビデオ共有サイトという括りでいくと、YouTubeを中心に以下のような競合サイトがある。

YouTube一人勝ち阻止へ競合サイトが続々参戦
http://www.nikkeibp.co.jp/netmarketing/column/web_mkt/060913_video2/
YouTubeと同じようなビデオ共有サイトも次々と生まれている。Google Videoのほかにも最近ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントが買収を発表したGrouper、Revver、Veoh 、Metacafe編集機能をつけたJumpcut、VideoEggなどが続いている。

特にRevverのビジネスモデルは興味深い。

映像と利益を共有するサイト、Revver
http://japan.cnet.com/special/media/story/0,2000056936,20314887,00.htm
Revverのサイトが本格運用を迎えてからわずか1カ月で、同社はYouTubeで最も人気が高い一部の映像制作者を引き込むことに成功している。たとえば、「Lonelygirl15」の制作スタッフだ。

CGMメディアとしてのSNSが、今後ビジネスモデルとしての分岐点を迎えるとすれば、広告収入をどうやってユーザと分配するか?という点になってくるのだろう。
日本ではまだ表面化していないが、アメリカのソーシャルメディア(SNSやソーシャルニュースやソーシャルブックマーク)は、明らかにこうした段階に突入している。

ソーシャルメディアのトップユーザに報酬を。勢力は変わるのか?
http://jp.techcrunch.com/archives/top-social-media-users-getting-paid-is-the-balance-shifting/
* Diggのトップユーザーの中には喜んでいないユーザーもいる
* Calacanisによれば、Netscapeが雇ったトップコントリビューターたちは、ページビューを急増させている
* YouTubeのトップユーザーは、プロの製作者だった
* YouTubeのユーザーはプロ化していき、プロはYouTubeで成功している。
* MySpaceはもはや練習の場ではない。販売のプラットホームである。
* Revverには独自のスターが存在し、彼らは収入を得ている。
* みんなParis Hiltonが嫌いだ。

ユーザにプレミアム課金する、というモデルは、おそらく通用しなくなるだろう。
圧倒的なユーザー数を牽引するために、広告収入の利益分配をビジネスモデルに組み込む必要が出てくる。もはや、Amazonのアソシエイト・プログラムの収益を運営者側とユーザー側のどちらが持つべきか?という矮小な問題のレベルではなくなってきているのだ。

広告商品の付加価値を高め、その収益をユーザーと分配することで、さらなるユーザーの拡大と広告収入の増大を目指す…当面は、こうしたCGMビジネスが定着していくのではないか?と思う。
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以上で、SNS関連のエントリーは、ひとまずお休みとします。ここ数ヶ月の間にも刻々と新しいITニュースが流れ、SNSの話題にこと欠かない日々が続いています。SNSはWeb2.0の一部とは言いにくい側面もありますが、ネット・ビジネスの主軸として、しばらくは目が離せない動きが続きそうです。
ご愛読ありがとうございました。

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国内SNSビジネス #2 『ターゲットSNS』

B2Bの各業種向けSNSやB2Cの各世代向けSNSなど、ありとあらゆるターゲット向けSNSが登場している。ここでは、代表的なものを紹介していく。

日経ベンチャー経営者倶楽部がSNSを開始--Beat Communicationがシステムを提供

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20321667,00.htm
「日経ベンチャー」が運営する日経ベンチャー経営者倶楽部は11月20日、サイト全面リニューアルに伴い会員間のコミュニティ機能としてメンバーズサロン(SNS)を正式にリリースしたと発表した。

Beat Communicationは、B2C向けの登録制(オープン型)SNSも運営している。

会員以外にも閲覧可能なオープン型SNS「vyyt!」が正式公開
http://v.japan.cnet.com/news/article/story/0,2000067548,20277607,00.htm
SNSパッケージの販売とSNSのASPサービスを手がけるBeat Communicationは10月17日、会員以外のユーザーでも閲覧可能なオープン型SNS「vyyt!」を正式公開した。

Beat Communication
http://www.beat.co.jp/
「vyyt!」
http://vyyt.com/

Beat Communicationは、各業種・業界向けSNSの構築を手がけている。ビジネスSNSも多数構築した実績がある。
SNSビジネスは、mixiやGREEのようにB2C向けのメディア(ネット広告)事業が柱となる一方、Beat CommunicationのようにB2B向けのSNSソリューション事業も大きな可能性を秘めているといえる。

実績紹介
http://www.beat.co.jp/contents/result.html

Beat、建築家などを対象にしたSBIホールディングスの新SNSに技術提供
http://v.japan.cnet.com/news/article/story/0,2000067548,20317807,00.htm
Beat Communicationはこのほど、SBIホールディングス(SBIH)にソーシャルネットワーク技術を提供、SBIHが建築家やデザイナーを中心にしたソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「デザインハウスプロジェクト」を開始したことを発表した。
「デザインハウスプロジェクト」
http://dhp.re-guide.jp/
完全な双方向ではなく、Blog発信権限は運営者側が選別した建築家&デザイナーに限定されており、クライアント側は自分の気に入った建築家&デザイナーに対してコンタクトをとる、という形式になっている。
そういう意味では、SNS機能を取り込んだマーケット・プレイスといってもいいだろう。

さて、日経(NIKKEI NET)が40代以上をターゲットに、コンテンツとコミュニティ(SNS)の融合をはかったサイトが『日経WagaMaga』である。

日経WagaMaga
http://waga.nikkei.co.jp/
https://waga-sns.nikkei.co.jp/
40代から団塊の世代までを中心とした「オトナ」の年齢層向けに、アタマとカラダを刺激する独自のコンテンツを満載。無料の会員制ページ「日経 WagaMagaラウンジ」では、旬の著名人らが話題を提供するコミュニティーに参加して感想を書き込めるほか、自分の日記「マイページ」を立ち上げて他の会員との情報交換もOK。会員登録するには、すでに会員になっている人からの「招待」が必要。

シニア・ビジネスの可能性が謳われる昨今だが、このターゲティングがあまりにも大括り過ぎるという議論もある。日経WagaMagaはターゲット年齢層を40代にまで引き下げ、より広範なリーチをとろうとしているようだが、逆にターゲット・デモグラフィが曖昧になってしまっている。
日経新聞読者及びNIKKEI NET読者をターゲットにするのであれば、日経ブランドだけではなくコンテンツ・リソース(過去の新聞データベースなど)も活用するくらいの意気込みがあっていいのではないだろうか?

一方、明確にシニア層(及び予備軍)をターゲットにしたSNSコミュニティサービスを構築するベンチャー企業もある。

小僧com
http://www.kozo-japan.com/index.html
過ごしたいと考えているアクティブな "シニア=小僧" たちと、そんな "小僧" に憧れる30代、40代のエグゼクティブやプロフェッショナルたちに、さまざまなコミュニティサービスをご提供します。

有料会員を主体に考えているようで、それだけの会員ロイヤリティを確立できるかどうか?がポイントとなるだろう。

これらのように業種や世代でターゲット・セグメントを切ったSNSビジネスというものがどうなっていくのか?
また、国内でのSNSビジネスのノウハウを海外で展開しようという事例も出てきた。

インデックスグループ、2007年春をめどに中国でSNS事業を開始
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20329147,00.htm
インデックスグループは11月27日、2007年初春をめどに中国でソーシャルネットワーキングサービス(SNS)事業を開始すると発表した。日本で提供する携帯電話向けSNS「Gocco」(http://gocco.jp/)を、中国での拠点会社Skyinfoを通じて展開する。

特にモバイルSNSに関して、日本は他国に比べて一歩先をいっている印象を受ける。
単に技術的ノウハウだけではなく、運営ノウハウやビジネスモデルの構築にあたっても(現時点においては)アドバンテージがあるといえるだろう。

グロービス・キャピタル・パートナーズ小林氏に聞く「投資したいWeb 2.0企業」
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/web2/2005/12/26/6848.html
CGM的なところで、日本でも特化型というか垂直型のSNSがどんどん出てきてますが、あれらは全部消えて淘汰されると思います。技術面やインフラ面で革新的なことをやらないで、業界特化とかターゲットの絞り込みに動くのは、CGM的なサービスとしては逃げであって、バブル期にもありましたが、やはりほとんど消えてしまいました。

このコメントにもあるように「CGM的なサービス」(B2Cビジネス)としてみたときに、業種やターゲットを絞り込むモデルは得策ではないのだろう。B2Bのソリューションとしては、SNSもツールのひとつとしてコモディティ化していくのではないか?と考える。
SNSビジネスを展開する上では、こうしたポジショニングも精査した上で、「ターゲットSNS」の可能性を検証していくべきだろう。

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海外SNSビジネス #1 『大手ポータル・サイトの動き』

「ポータル」という言葉自体が死語になりつつあるが、USサイトのトラフィック・ランキングをみると、GoogleによるYahoo!包囲網(※)のため、Yahooに危機が迫っていることが伺える。MSNも厳しい戦いが続くだろう。
Yahoo
Google
MySpace
MSN
eBay
Amazon.com
YouTube
Craigslist.org
Wikipedia
CNN

(USのサイトAlexa Top 10)

※:GoogleはMySpaceやeBayとは提携、YouTubeは買収、Wikipediaには資金援助という形で関与している。但し、eBayはYahoo/Googleの双方と提携をしている。

AOLは既にTop 10から脱落しているが、最近無料サービス(広告モデル)に特化してから業績が向上している。ここでは、Google以外の三者(Yahoo,Microsoft,AOL)の最近の動きについて紹介したい。

◆Yahoo!

Yahoo!、Facebook買収交渉で行き詰まり
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0610/12/news079.html
Googleの迅速なYouTube買収と比べて、Yahoo!の拡大路線は減速している。人気SNSのFacebookとの買収交渉も、近いうちにはまとまりそうにない。

米ヤフーのSNS事業買収、グーグルのユーチューブ買収で急務に=アナリスト
http://www.thinkit.co.jp/free/news/reuters/0610/11/4.html

Yahoo!の「ピーナツバター」戦略を幹部が批判
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/20/news060.html
米Yahoo!の上級副社長が同社の投資戦略を、パンの上に非常に薄くピーナツバターを塗るようなものだと批判した。(ロイター)
 組織再編を求める今回のメモは、Yahoo!株を年初来31.5%安へと突き落とした一連の問題を受けてのもの。
同社は、はるかに急速に成長するライバルのGoogleに後れを取るまいと急ぐ中で、広告事業の一部不調に苦しんでいる。
 問題のメモ――Yahoo!の投資戦略を、パンの上に非常に薄くピーナツバターを塗るようなものだと主張していることから、「ピーナツバター・マニフェスト」と呼ばれている――は、創業12年の同社の「急進的な再編」を求めている。

さて、そんなYahoo!の最近のM&Aがどんな事業に向けられているか?を見てみよう。

Google, Microsoft, Yahoo Acquisitions
http://www.shmula.com/blog/timelines/google-microsoft-yahoo/g-y-m.htm

このサイトでは、各社がどんな企業を買収したか?時系列でみることができる。
関連するITニュースの見出しと共に、以下に抜粋・整理してみる。

米Yahoo!、Web上で動画を編集できる米Jumpcutを買収
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/09/28/13433.html

Jumpcut
From the Yahoo! SearchBlog: "Yes it's true! Jumpcut just announced they've agreed to join us, which will make Yahoo! Video an even better place for people to create, share, and discover great video online. If you haven't heard of Jumpcut, it's a San Francisco-based startup that has a passionate community of users and a great suite of online video editing capabilities. "
Tue, 12 Sep 2006 13:01:00 GMT

Yahoo!、オンラインコンテストサイトBixを買収
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/18/news011.html

Bix
Bix.com is a site that allows users and advertisers to create, enter into and judge online contests. The deal is an attempt by Yahoo to bolster its offerings in social media, an area where it has struggled to compete with sites like MySpace and YouTube.
The purchase price was not disclosed.
Fri, 17 Nov 2006 13:01:00 GMT

MyBlogLog、Yahoo!に買収 Yahoo!と買収交渉中
http://jp.techcrunch.com/archives/mybloglog-to-be-acquired-by-yahoo/

MyBlogLog
MyBlogLog is acquired for $10 Million USD.
Fri, 17 Nov 2006 13:01:00 GMT
MyBlogLog is a blog community and analytics tool used here on TechCrunch (see sidebar) and many other blogs around the web. Just recently out of beta, the site gained traction in a hurry.

KenetWorks
The acquisition of KenetWorks is part of Yahoo's focus on the mobile space.
Fri, 17 Nov 2006 13:01:00 GMT
つまり、「動画編集」「オンラインコンテスト」「Blogツール」「モバイル」というわけで、GoogleやMicrosoftに負けないためのポートフォリオ(株価維持のためのIR情報)をなんとか作ろうとしている様子が伺える。


◆Microsoft

Microsoft,SNS機能を統合した新ブログ・サービス「Windows Live Spaces」を開始
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20060803/245037/
米Microsoftは米国時間8月2日,ブログ・サービスの新版「Windows Live Spaces」を開始した。Microsoftが同日明らかにしたもの。従来のブログ・サービス「MSN Spaces」をベースに,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)機能などを追加している。

MS、YouTube対抗サービス「Soapbox」のテストを開始
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20237347,00.htm
MicrosoftがスタートしたSoapbox on MSN Videoは、人気のビデオ共有サイトYouTubeを真似たものだ。
YouTubeは、素人のユーザーが作成した動画を共有するという点で、オンラインで大きな話題を呼んだサービスだ。このほかにも、オンライン動画市場には、Google Video、Yahoo Video、Revverなど多くのサービスがある。

MSN Soapbox
http://soapbox.msn.com

Microsoftは、MSNという枠組みをWindows Liveに移行するための産みの苦しみ(?)を味わっている。
SNSやビデオ共有の機能を組み込んで、なんとかトレンドに追いつこうとしているが、後手に回っている感は否めない。
一方で、MicrosoftのSNS絡みのトピックとしては、以下のようなものもある。

米MicrosoftからスピンアウトしたSNS「Wallop」がベータ版に
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/09/27/13417.html
独自のビジネスモデルを模索しているSNSの「Wallop」が、ベータ版サービスを開始したことを26日発表した。Wallopは、米Microsoftからスピンアウトしたベンチャー企業として知られている。このプロジェクトはMicrosoftで4年間研究された後、起業家のKarl Jacob氏とWallop開発者のSean Kelly氏によってベンチャーとして創業され、現在では複数のベンチャーキャピタルから資金を受けている。
Wallopが独特なのは、広告をビジネスモデルとして採用しなかったことにある。
Wallop
http://www.wallop.com/

Microsoft、ITプロフェッショナル向けSNS "Aggreg8"公開
http://journal.mycom.co.jp/news/2006/11/13/344.html
米Microsoftは、情報通信関連技術者向けソシアルネットワークシステム「Aggreg8」を開設、サービスの提供を開始した。サービスの利用には、Windows Live IDまたはMicrosoft Passportアカウントが必要。

Microsoft、Aggreg8をローンチ。まずい出来映え
http://jp.techcrunch.com/archives/microsoft-launches-aggreg8-dead-on-arrival/

…あまり評判はよろしくないようだ。


◆AOL

AIM Pages
http://www.aimpages.com/

AOLは、独自のBlogサービスの他にAIMユーザーをベースとしたSNSサービス「AIM Pages」を開始している。これは、MySpaceの競合サービスとなることを意図したものだろう。

AIM Pages ローンチの所感
http://jp.techcrunch.com/tag/Aim-Pages/

AOL、IM サービスの最新版『AIM 6.0』をリリース
http://japan.internet.com/wmnews/20061116/12.html
『IM Buddy Updates』という新機能は、『YouTube』『Digg』『Flickr』などのコミュニティ系コンテンツサービスでユーザーが何か更新を行なった時、知人リスト内のメンバーに RSS フィードを使って通知できる機能だ。

AOL Video
http://video.aol.com/

テキスト検索はGoogleに任せ、AOLは動画を中心としたリッチメディアの検索やアグリゲーションに特化しつつあるようだ。現時点でのAOL Videoの評価は決して高くない。しかし、M&Aや資本参加によって技術力の強化をはかっていることが伺える。

AOL Launches Developer Program for AOL Video Search Engine
http://press.aol.com/article_display.cfm?article_id=1052§ion_id=14
AOL Acquires Userplane
http://press.aol.com/article_display.cfm?article_id=1031§ion_id=14
AOL to Launch New Video Portal
http://press.aol.com/article_display.cfm?article_id=1019§ion_id=14

AOLも出資しており、AOL Videoと提携しているBrightcove社の動きが興味深い。

Brightcove、小規模ビデオパブリッシャーのためのネットワークをスタート
http://jp.techcrunch.com/archives/brightcove-launches-its-network-for-small-video-publishers/
Brightcoveのユーザーがサービスが提供されるのを待っている間にYouTubeがこの分野を盛り上げ、ニーズを満たし、買収されてしまったので、新サービスのベールが外されてみるといささかアンチクライマックスの感じがする。それでも、僕の考えでは、長期的にみると、小規模なビデオ製作者の配信チャンネルとして現実性のある道を開いたのではないかと思う。

AOL+Weblogs=Netscape?

この夏から、NetscapeはCGMサイト、いわゆるソーシャル・ニュース・サイトに変貌した。

http://www.netscape.com
Netscape.com is a service of Netscape Communications and Weblogs, Inc. and part of the AOL Network owned and operated by AOL, LLC, a Time-Warner company.

What is Netscape?
The new Netscape.com is a social news portal programmed by you?the audience! All of the stories on Netscape are submitted and voted on by our members. We also have a Netscape web browser.

しかし、その後の経緯は、あまりハッピーではない方向だ。

「ブログでNetscape復活」ははかない夢だ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0603/23/news020.html
ValleyWagサイトが報じたところでは、Time WarnerはWeblogsのジェイソン・カラカニスCEOをNetscapeの新しいディレクターに任命する計画だという。Weblogsは America Online(AOL)傘下の企業で、NetscapeとAOLはいずれもTime Warnerの傘下にある。

この記事が出てから半年余りで、以下のようなことになった。

Weblogs創設者、AOLを退社
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/21/news008.html
Weblogsを立ち上げ、AOLへの売却後もAOL内で運営を続けてきたジェイソン・カラカニス氏が、AOLを退社する。

カラカニス氏がAOLを去る要因のひとつには、AOLのCEOだったJon Miller氏が退任したこともあったようだ。
彼はMiller氏を “自分の人生で出会った数少ない師のひとり” と呼んでいる。

NBCUのトップがAOLの会長兼CEOへ
http://adinnovator.typepad.com/ad_innovator/2006/11/nbcuaolceo.html
NBC Universal Televisionグループのプレジデント兼COOのRandy Falco氏が、AOLの会長兼CEOになることが決まった。AOLはISPから広告によるポータルモデルに変換しつつあり、伸びつつあるビデオビジネスのためにはテレビでの経験が必要とのことだ。

AOLは、本来のDNAであるエンタテインメント・コンテンツに特化したWebメディアとしてのポジショニングを戦略としてとっているようだ。もうひとつの持ち味であるコミュニティに関しては、AIMブランドにおける巻き返しを期待できるが、残念ながらAIMのマーケティング上の強みは今やUS本国においてのみであり、グローバル展開を望むことは難しい。

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国内SNSビジネス #1 『モバイルSNS』

各サービスともにモバイル対応が進んできたが、ここでは代表的なSNSをあらためてピックアップしてみる。

◆GREE
「“予想外”のサービスはいらない」--EZ GREEに賭ける両社の思惑
http://japan.cnet.com/interview/media/story/0,2000055959,20306727,00.htm

モバイル版GREEが大幅リニューアル--EZ GREEと同等の機能を実装
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20316847,00.htm

au公式SNS「EZ GREE」スタートで、GREEはこう変わる
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/mobile/articles/0611/16/news024_2.html

現在グリーの登録ユーザー数は約35万人(2006年8月の数字)だが、ほとんどがPC版をメインに利用するユーザーだ。「今回の新サービスでは、携帯 “だけ”の人のためのサービスに注力した。携帯のみで利用しているユーザーはまだまだ少数派だが、今後急激に増えるだろう」と田中氏は話す。またGREE には年齢制限がないため、現在20代半ばであるユーザーの平均年齢が下がるだろう、とも予想している。
「携帯のみのサービスを開発するに当たって意識していたのは、SNSに(他の機能を)取り込むのではなく、他の機能にSNS的要素を付けたらどうなるかという考え方。」(田中氏)

KDDIの資本参加を受けて、auの公式SNSとなったGREE。
他の2キャリアのサイトもリニューアルした。ポジショニングとしては、PCに付帯するモバイル、ではなく、モバイルしか使わないターゲットへの訴求を前提としている。
今後GPSとの連携やキャリア公式メニューへのフィードなど、いろいろ斬新な試みがなされてくるだろう。日本はモバイル先進国なので、ここで培った技術はグローバルに移植することも可能だろう。そろそろ海外進出(?)も視野に入ってきているかもしれない。


◆mixi
mixi、モバイルメッセージ機能を全会員に提供。携帯電話での入会も対応
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/16032.html
ミクシィは、SNS「mixi」の機能拡充を12月に実施すると発表した。12月2日より有料会員以外でも携帯電話からメッセージが送受信できるようになるほか、12月4日からは携帯電話からの入会も可能になる。

いっぽうSNSでは現在一人勝ちと言われているmixiは、プレミアム会員限定だったモバイルメッセージ機能を全会員に提供することになった。モバイルの需要を喚起する上では、正しい選択だと思う。ヘビー・ユーザーにとっては欠かせないメッセージ機能だが、この機能のためだけにプレミアム会員になっていた層はごく一部のはずだ。
こちらも更なるモバイル・マーケットの拡大に向けて、新たな展開を模索している。
メディアとして広告媒体価値を高めてきたことが、モバイル広告ビジネスにも活きてくるだろう。


◆Any

Any、約5億の増資でSNS事業を本格化。2006年度で80万会員獲得を目指す
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/14932.html
「米国で今流行のMySpaceやYouTube、Flickrはすべて外部に公開されたSNS。また、招待制はすでに下火になっている」と海外の事例を紹介した上で、「我々はユーザーが自由に参加でき、インターネットにも公開できる登録制を採用する」とした。
Anyのビジネスモデルは「インターネット広告」「オプション/コンテンツ」「CRMディベロップメント」「システムディベロップメント」の4つを柱とする。

Anyは、元ネットマイルの畑野氏が社長を務め、慶応大学の学生たちのアイディアと商社やVCから集めた豊富な資金をバックに「ビジネスとしてのSNS」を追求している。
こちらは、招待制ではなく登録制。MySpaceなどと同様に「来る者は拒まず」という仕組みだ。
現在は、ユーザー数の急増にインフラ増設が間に合っていないようで、一部機能制限をかけてサービスを提供している。


◆びーぐる
http://www.xgroove.net/sns/
18万人を超える会員(2006/9/15現在)を持つ"ケータイ×PC"SNS。
あくまでもケータイがメインであり、PC版は付帯サービスに過ぎない。
運営するエクスグループは、業界別SNSなどのパッケージ・ソリューションも提供している。


◆Gocco

日本最大級のモバイルSNS 「Gocco」動画対応にパワーアップ!
http://www.gocco.co.jp/press/r_20060927.html
2004年12月にモバイル専用SNS「Gocco」のベータ版を立ち上げました。モバイルならではのSNSを展開し、サービス開始以来順調に会員数を伸ばし、現在約35万人の会員数を擁し、モバイルSNSでは日本最大級の規模を誇り、確固とした地位を築きました。

インデックスグループ、2007年春をめどに中国でSNS事業を開始
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20329147,00.htm
インデックスグループは11月27日、2007年初春をめどに中国でソーシャルネットワーキングサービス(SNS)事業を開始すると発表した。日本で提供する携帯電話向けSNS「Gocco」(http://gocco.jp/)を、中国での拠点会社Skyinfoを通じて展開する。



◆モバゲータウン

成長速度はmixiの倍・9カ月で200万人 携帯SNS「モバゲータウン」の強さ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/24/news027.html
携帯向けSNSが盛り上がりを見せ始めた。今年2月にスタートしたDeNAの「モバゲータウン」は9カ月で200万会員を獲得。10代から圧倒的支持を受け、mixiの倍速以上で急成長中だ。

登録無料のモバゲータウンは、広告モデルで運営している。ゲーム内通貨「モバG」(モバゴールド)がビジネスモデルのカギ。モバGは、アバターアイテムを購入するのに必須で、入会時に300Gもらえるほか、友人を招待したり、広告をクリックしたり、スポンサーサイトに登録したり、提携ECサイトで買い物するともらえる。広告クリックで2G前後、スポンサーサイト登録で50〜300G前後が相場だ。友人招待なら300Gもらえる。
モバGは現状、現金で購入することができないため、貯めるには多く友人を招待するか、スポンサーサイト登録や広告クリック、提携サイトからの購入を繰り返すほかない。「アバターを飾りたい」というユーザーの欲求が、集客と広告収入のドライブになる仕組みだ。

運営は、ビッダーズのディー・エヌ・エー(DeNA)。まさに携帯SNSビジネスモデルの典型的な成功例。ターゲットを携帯ユーザー(ティーン)とし、既存サービスのオイシイところをアレンジした感がある。

他にもモバイル対応済みのSNSはいくつもあるが、豊富なリソース&ユーザー数をベースにモバイルSNSとしてビジネス的な拡大の可能性が見えているのは、現時点ではこの辺りだろうか?
今後は、MySpaceなどのモバイル対応も始まるだろう。
○招待制か登録制か?
○B2Cだけではなく(広告であろうとASPであろうと)B2Bのビジネスとして成立するかどうか?
○トラブル防止のための監視体制ができているかどうか?
○プライバシーに配慮したきめ細かなアクセス制限機能があるかどうか?

こういった点が今後のSNSビジネスの明暗を分けていくのだろう。
先行優位性だけではトップをキープできないのが、ネット・ビジネスの面白いところでもあり怖いところでもある。

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ウワサのMySpace(ソフトバンク) #6

◆mixiに勝つ?

世界最大のSNSであるMySpaceは、はたして国内最大のSNSであるmixiを超える人気を集めることができるか?皆が注目しているはずだが、mixi支持派とMySpace支持派のコメントを紹介しよう。

MySpace上陸しても、mixiには勝てない4つの理由
http://kyounosinbun.cocolog-nifty.com/syasetu/2006/11/myspacemixi_f9ec.html

1.JASRACが日本にあるから
2.自由度が高すぎるサービスは日本ではあまりうけない
3.音楽ならmixiもすぐに対抗サービスが打てる
4.SNSは、国民性にあったものでないと広まらない

なかなか説得力のある内容だ。特に「SNSは、国民性にあったものでないと広まらない」という点は全く同感。MySpaceのバタ臭いテイストを好む人々はマジョリティではないと思う。

MySpaceがmixiを喰ってしまう方策
http://kaizawa.jugem.jp/?eid=258

極めて単純で、『myspaceにログインすれば、mixiのマイミク日記やコミュニティなどの更新情報がすべてわかるコンテンツアゲリゲーションの仕組みを実装してしまう』という、myspaceがmixiのサービスを包含してしまうような構造をつくってしまえば良いような。

ちょっと緩い論旨で、説得力に欠ける。(苦笑)しかし、mixiに替わるものに期待している気持ちはわからなくもない。
おそらく、MySpaceのポジショニングとしては、mixiを競合と考えるのではなく、SNSに限らず他のBlogサービスも含めた中でのオリジナリティを打ち出していくべきだと思う。
自由度の高いカスタマイズと音源や画像のマッシュアップぶりを喜ぶ層は確実に(多数ではないが)いるわけで、そこを深堀りしてマーケティングしていくことが強みになるだろう。


◆エンタメ系の著作権保護

MySpace、著作権者保護の方向へ
http://jp.techcrunch.com/archives/myspace-moves-to-protect-copyright-holders/

著作権物、特に音楽はソーシャル・ネットワーク成功のカギを握っている。MySpaceには300万以上のバンドがページを持っていて、今や MySpaceでのプレゼンスがバンドとして事実上の必須条件になっている。
競合のBeboも、スタートから1年ですでに30万以上のバントが利用していると最近発表した。

JASRACと調整中といわれるMySpace Japanだが、本国ではGracenoteとの提携を発表。

MYSPACE IMPLEMENTS UNAUTHORIZED COPYRIGHTED MUSIC CONTENT FILTERING SYSTEM
http://www.gracenote.com/gn_japan/corporate/press/article.html/date=2006103000

Utilizing Gracenote's MusicID™ audio fingerprinting technology and Global Media Database, MySpace will review all music audio recordings uploaded by community members to their profiles. The technology enables MySpace to identify copyrighted music audio recordings in the Global Media Database for designated rights holders, allowing MySpace to block the uploading of such works.

Gracenoteの"MusicID”という楽曲識別技術とGlobal Mediaデータベースを使って、MySpaceのメンバーページにある著作権侵害の音楽ファイルを見つけて、公開されるのを防いでいく。MySpaceは、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づく削除通知に応じるのは無論、こうした技術的対応を整備していくことで、著作権保護に関してさらに前向きな姿勢を示したことになる。YouTube同様、こうした姿勢は今後のブランディング及びリスク回避の観点からも重要だ。
こうした動きをふまえて、日本国内でのJASRACとの交渉結果がどのような展開になるのか?興味深い。MySpaceがブレイクスルーをもたらすことに期待したい。


◆グローバルだけど日本では?

Rupert Murdochは、提携発表の記者会見の席上で、ソフトバンクについて「グローバルサイトのローカライズにも成功している」とコメントしたようだが、そもそもYahoo! Japanはローカライズというよりも半ば純国産品の感もある。
JVビジネスに関して、これまでソフトバンクが成功した事例はあまりないだろう。
そういう意味では、今回のソフトバンクとMySpaceの提携は、双方にとって利害は一致しているが、成功シナリオが今ひとつ見えてこない。やはり、モバイル・サイト次第というテスト・マーケティングの印象は拭えない。

MySpaceの巨大さは、サーバ・レスポンスの不安定さからも推察できる。(苦笑)
まだ日本版サービス用のチューンアップができていない、ということもあると思うが、これだけ大規模なコミュニティが画像や音楽をふんだんに使っているのだから、膨大なデータ・トランザクションだろう。
しかし、ユーザビリティにおいてサクサク感がないと、なかなか利用層は厚くならない。
(mixiが成功した要因のひとつは、急激なユーザー数増加にも関わらずDBシステムの拡張・運用を安定継続できたからだ。)

さて、十年近く前にAOLが日本に進出した際に、「黒船来襲?危うしニフティ」などという記事もあったと思うが、今回はどうだろう?
グローバル(といっても英語圏中心だろうが)なSNSサービスは、はたして日本ではどこまで健闘できるだろうか?

ネットビジネスに限らず一般論としていえば、米国最大の○○が日本国内でも最大になった事例は、ほとんどないのだから。


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ウワサのMySpace(ソフトバンク) #5

◆個人ポータル

MySpace.comを使ってみてそろそろ日本でもナイスな個人ポータルサイトが出てきても良いんじゃないかしらとおもった
http://blog.windy.ac/archives/000654.html
このMySpace.com、いちおう分類としてはSNSになるのだろうが、方向性としてはたぶん「個人ポータル」と呼ばれるものにより近い。mixiや GREEはそこに集うユーザ同士のコミュニケーションの場を提供することを主体としているが、MySpace.comは第一に自己表現の場を提供しており、その一つ上のレイヤにユーザごとのコミュニケーションが乗ってくるという印象を受ける。

この指摘はわかりやすいと思った。「個人ポータル」というコンセプトは日本人に馴染みにくいものだろうが、ブロードバンドの力を使って、映像と音楽のマッシュアップが可能となる、という点が最も特徴的なのだろう。


◆マイスペース ジャパン

http://jp.myspace.com
もともとUS版のアカウントを持っていたので、それでログインしてみた。
日本版用の使用条件合意書への同意を求められる。
MySpaceの社長Tomからの「ウチの弁護士が必ず読んでね、といっているのでヨロシクね」というメッセージが出る。
使用条件合意書の中には「jp-privacy@myspace.comに使用条件合意書という件名の電子メールをご送付いただきますと、本合意書の写しを入手することができます。」という記載があるので、興味がある人は試してみるといい。<やってみたが、自動送信メールじゃないのかもしれない。この原稿を書いている今現在、まだメールが届いていない。>
日本語メニューを使うことはある程度できたが、ブログ投稿をしてみると文字化けした。
アカウントについては、日本版で新規に取得しないとMySpace Japanのサービスを正しく使うことができない。ということがわかったので、新規にアカウントを取得する。
今度は問題なくブログ投稿もできた。

日本版の場合は、新規入会したときに"Tom"の他に日本向けサイト担当Ozzie(オジー)さんから「MySpace Japanへようこそ!」というメッセージが自動的に届く。
http://www.myspace.com/hiozzie
ベータ版の不具合などについても彼のところにコメントが集まる仕組みになっている。


◆Secret Shows

Secret Shows JP
http://myspace.com/secretshowsjp
MySpace Japanの中で現時点で最も面白いのがこのページだろう。
11/15のOasisのノエルとゲムによるシークレット・ライブのキャンペーンで盛り上がっているが、今後も様々なイベントが企画されていくだろう。USやUKのMySpaceでは、こうした企画がアーティストのプロモーション手法として認知されつつある。
CGMのマーケティングとして、シンプルだけど強い訴求が期待できる。
Secret Shows
http://myspace.com/secretshows
ちなみに、UKでのMySpaceシークレット・ライブの第一弾は、Primal Screamだった。
Primal Scream First UK MySpace show
http://www.primalscream.net/www/news_view.php?content_id=91


◆MySpaceGeek.net "Layout Stealer"

http://www.myspacegeek.net/layout-stealer/
MySpaceの特徴は、かなり自由なカスタマイズ機能だが、実際にやってみようとするとCSS/HTMLなどの知識がないとうまくいかない。そこで便利なのが、こうしたサイト。
他のMySpaceで気に入ったレイアウトを見つけたら、そのコードをいただいてしまおう、というもの。
Friend IDを入力して"Get Code"をクリックするだけ…。
Have you ever seen a really nice MySpace layout on someone's profile page, but didn't know where to get the code from? Well, now you can get any MySpace layout code you want! It's really easy to do, just enter the Friend ID of any profile page below... then click "Get Code" and we'll grab the MySpace layout code for you!


htmlHELPsite / html help for your MySpace website
http://www.htmlhelpsite.com/
参考になるサイトとしては、こんなのもある。右側には様々な類似サイトへのリンクもある。
USでMySpaceがいかに人気があるか?をうかがい知ることができる。
ここで気に入ったテンプレートのコード(HTML/DHTMLまたはCSS)をコピーして、「Profile編集」>「About Me」欄にペーストすればいい。

個人ポータルともいうべきパーソナライズド・コンテンツをSNSの枠組みの中で共有していく…。MySpaceの面白さは、まさに"Space"なのだろう。
しかし、コミュニケーション・ツールとしては「押し出し」の強さだけが目立つコンセプトでもあり、その辺りが「バタ臭い」印象を受ける理由なのかもしれない。
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ウワサのMySpace(ソフトバンク) #4

マイスペース ジャパン

数日前からリーク記事も流れていたが、やっと正式に発表された。

ソフトバンク、「マイスペースジャパン」日本版でSNS市場に参入
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/11/07/13858.html
ソフトバンクと米News Corporationは7日、SNSサービス「マイスペースジャパン」を運営する合弁会社を共同で設立することで合意、同日都内で発表会を開催した。出資比率は50%ずつ、11月7日より営業を開始する。

ソフトバンク、世界最大のSNS「マイスペース」日本語版を開始--ニューズグループと合弁で
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20304189,00.htm
ソフトバンクはRupert Murdoch氏率いる米News Corporationグループ傘下でオランダに本社を構えるエフ・アイ・エム・インターナショナル B.V.(FIM)との間で合弁会社マイスペースの設立に合意し、同日に契約書に調印した。合弁会社の設立は11月中旬の予定で、資本金は約5億9000 万円となっている(資本準備金も同額)。出資比率は50対50となっている。

キャプションにもある通り、孫氏とMurdoch氏が組むのはテレビ朝日買収の一件以来とのこと。

双方の記事に詳しい内容が出ているが、ポイントは以下の通りだろう。

・Yahoo! JAPANとの提携?
また、Yahoo! JAPANとして提供しているSNS「Yahoo! Days」については、「Yahoo! JAPANとMySpaceが提携できる可能性があるかは今後話し合いを進めていく」と説明。

おそらく独立独歩になるだろう。ただ、MySpaceの広告インベントリの一部をOvertureが扱うようなモデルはありえるのではないだろうか?

・音楽著作権の処理
MySpaceの特徴の1つとも言える楽曲の公開機能だが、現時点ではマイスペースジャパンでは利用できない。著作権の処理のため、JASRACなど著作権団体と現在調整中で「権利処理が済み次第公開していく」(香山氏)としている。

これはMySpace最大の売りモノなので、早急に処理しないと魅力が半減したままの状態だ。

・モバイル対応
ソフトバンクモバイルだけではなく、各キャリアに対応していく模様。

米MySpace側からみれば、モバイル大国日本のノウハウを蓄積できることは大きな魅力だろう。Newsの傘下に入っていなかったら、あるいはソフトバンクがボーダフォンを買収していなかったら、今回のJV話はなかったのかもしれない。
さらにChris氏は「5カ月前には日本でのサービスについて深く考えてなかった」と前置きし、「孫氏というすばらしいパートナーに出会えた。前向きに本格的なサービスをしていきたい」とした。

・Google or not?
Googleと提携したMySpaceだが、日本国内での提携については白紙状態の契約になっているようだ。よくそんな契約ができたな、と感心。(苦笑)
また、海外ではGoogleと提携関係にあるMySpaceだが、孫氏は「日本では(Googleと)提携する義務もないし、排除する必要もない中立な立場」とした。

これらのポイントもふまえて、次回からはもう少しサービスの内容と方向性を検証していきたい。

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ウワサのMySpace #3

競合サイトたち

「MySpace」訪問者が5,000万人突破、「YouTube」は倍増〜米comScore
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/06/19/12376.html
SNSのユニーク訪問者数では、「MySpace」の5,144万人がトップで、圧倒的に多かった。以下は「Classmates」の1,479万人、「FACEBOOK」の1,406万人、「YouTube」の1,266万人と続く。そのほか、「MSN Spaces」は956万人で5位、「Yahoo! 360°」は493万人で8位だった。米comScoreのピーター・ダボールCEOは「SNS人気はしばらく衰えそうにない。この現象は、米国だけでなく世界中でも同じことがいえる」と指摘する。


米SNS最大手のMySpace、Yahoo!やGoogleを抜いて米国一のサイトに
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/07/12/12641.html
インターネット調査会社の米Hitwiseは11日、米国で人気のソーシャルネットワーキングサイトMySpaceが訪問者数ベースで米国一のWebサイトになったという調査結果を発表した。
調査は2006年7月8日までの1週間に渡って行なわれた。調査の結果、訪問者数ベースで、Yahoo!やGoogle、MSN、eBayを抜いて、MySpaceがすべてのWebサイトでトップシェアを獲得したことが明らかになった。


SNSの米Bebo、米国以外でMySpace.comを猛追
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/08/09/12953.html
世界最大のSNSは、7日に米Googleとの提携を発表したFox Interactive Mediaが保有する米MySpace.comだが、米国以外では米Beboがシェアを獲得しつつあるとの統計が公表された。これはアクセス解析大手のHitwiseが分析したデータによる。
それによると、2006年8月5日に終わる週に英国でのSNSのシェアを調べたところ、1位はBeboの12.91%で、MySpace.comは12.49%と2位に甘んじた。


米国ストリーミング放送サイトの視聴者数、Yahoo!とMySpaceが両巨頭
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/09/28/13435.html
それによると、2006年7月に米Yahoo!でストリーミング放送を視聴した米国のユニークユーザー数は3,793万4,000ユーザー、次いで米MySpaceが3,742万2,000ユーザーとわずか50万程度の差で続き、3位のYouTubeは3,053万8,000ユーザーだった。米国でストリーミング放送を最もよく見られているサイトはYahoo!であるということが判明した。
しかし、そのサイトで視聴されたストリーミング放送の数で比較すると様相は一変し、MySpaceが圧倒的な首位となった。
MySpaceが14億5,900万本だったのに対して、2位のYahoo!はその6割弱しかない8億1,200万本、さらに3位のYouTubeは6億4,900万本だった。


YouTubeは、Webサイトの中でも最も急速に成長したサイトのひとつであり、MySpaceのライバルとなった。
今年9月の投資家向けミーティングにおいて、(MySpaceの親会社である)ニューズ・コーポレーションのCOOであるPeter Chernin氏は、「最近のWeb2.0と呼ばれるアプリケーション(YouTube、Flickr 、Photobucketなど)は明らかに"MySpaceの後から追い上げてきた"ものであり、仮にそのトラフィックの多くがMySpaceからのものであるならば、MySpaceは競合サイトより優れているとまではいかなくても十分なものを構築し、それらのサイトと互角に戦っていかなければならない」と語った。
http://www.techcrunch.com/2006/09/12/myspace-we-dont-need-web-20/
一方、8月の調査によれば、英国ではBeboがMySpaceを上回るシェアを誇っている。
http://weblogs.hitwise.com/heather-hopkins/2006/08/bebo_overtakes_myspace_as_most_1.html


Second Lifeのインパクト

こうしたトラフィック・データ上の競合サイトとは異なるスタンスで注目を浴びているのが"Second Life"。
MySpaceに比べれば、まだ小さなコミュニティだが、その社会的影響力は高い。
新しいタイプのSNSとみる人もいるが、ネットコミュニティ(経済圏)と言ったほうがいいだろう。

リンデンラボのCEOが語る「セカンドライフ」の第2章
http://japan.cnet.com/interview/media/story/0,2000055959,20298467,00.htm
この数カ月間で、Second Lifeはメディアの寵児の座を確固たるものとした。「BusinessWeek」の表紙を飾ったかと思えば、「Wired」では8ページの特集が組まれ、世界中のオンラインメディアや新聞に無数の記事が掲載された。Second Lifeに「拠点」を設ける企業も増えており、その中にはIBM、Sun Microsystems、Warner Musicといったお馴染みの名前も見える。


3次元CG仮想世界“Second Life”の人口が100万人突破,新しいSNSになるのかも
http://zen.seesaa.net/article/25705922.html
Linden Dollar と US Dollar の為替レートや,1日当たり45万ドル(USドル)の取引があったことがわかる。土地代などの購入に多くのバーチャル貨幣が使われていけば,それに応じたリアル貨幣がLinden Lab の懐に入っていくことになるのか。


Reuters/Second Life
http://secondlife.reuters.com

直近のデータをみると、1日当たり56万ドル(USドル)の取引があり、レートは以下のようになっている。
Linden Dollar vs US Dollar
273.5 L$/USD


なお、MRPGにおけるRMT(リアルマネートレーディング)については、以下が詳しい。
リアルマネートレーディング

オーストラリアでは、RMTの場合でも課税対象となることが発表された。
"The real world value of a transaction may form part of your taxable income, even if it is in Linden dollars."
http://secondlife.reuters.com/stories/2006/11/01/australia-says-virtual-income-taxable-report/

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ウワサのMySpace #2

M&A(合併・買収)と提携をめぐる展開

「MySpace社は部分的にIntermix Media社が所有しているが、この会社は2005年7月にニューズ・コーポレーションに5億8000万ドルで買収されその傘下となっている。それゆえ、MySpace も間接的にニューズ・コーポレーションの傘下企業である。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/MySpace

「News Corp:MySpaceは最高の買い物」
http://adinnovator.typepad.com/ad_innovator/2006/03/news_corpmyspac.html

5億8000万ドルで買収したMySpaceについて、News Copr幹部Peter Chernin氏は「長い間の買収歴で最もいい買い物だった」とFortune誌のインタビューで答えている。ライバルのFacebookが7億5000 万ドルのViacomの買収提案を蹴って、20億ドルは必要、という話が出ているところである。

米Google、「MySpace.com」に検索エンジンとAdSenseを供給する大規模提携
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/08/08/12936.html

契約によれば、Fox側が一定のトラフィックを確保することと、その他の要求を満たすことを条件に、GoogleがAdSenseや検索から得た収入の Fox側取り分として最低9億ドルを現金で支払うことになっている。この支払いは2007年第1四半期に始まり2010年第2四半期に終わることになっている。

この時点で、News Corporationの買収(5億8000万円)は、既に元をとったということがいえる。
一方では、この買収金額が不当だったとして、Intermix Mediaの元CEOが噛み付いている。

News Corp.のMySpace買収は「不当」――MySpace創設者がSECに調査申請
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0610/06/news029.html

MySpaceの創設者が、News Corp.がMySpaceを買収する際、内部の人間が相手側と通じ、その価値をあえて不当に低く設定したとして、米証券取引委員会などに調査を申請した。

グリーンスパン氏によれば、当時IntermixのCEOだったリチャード・ローゼンブラット氏は、MySpaceの価値が当時最低でも200億ドルあったと知りながら、株主にその情報を隠したまま、買収合意の投票を行ったという。ローゼンブラット氏は金銭およびNews Corp.でのポジションと引き換えに、インサイダー取引に応じたとグリーンスパン氏は主張している。

『MySpace.com』は、個人利益のために安売りされた?
http://japan.internet.com/finanews/20061010/12.html

「米Newsによるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)『Myspace』の買収は不当である」とする同サイト創業者の主張をロサンゼルスの米上位裁判所が却下した。News傘下の米Fox Interactive Media(FIM)が米国時間10月9日に明らかにした。

「MySpaceの創設者」という報道記事があるが、この表現は正しくないだろう。あくまで、親会社だったIntermixの元CEOの言動であり、MySpaceの実質的な創業者であるTom Andersonは、今でも新規入会すると最初の友達として設定されている。(笑)
キャピタル・ゲインを得ることができなかった前経営者の「ささやかな抵抗」であることは間違いない。

「現在のMySpace のサービスは、2003年7月にカリフォルニア大学バークレー校とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の卒業生だった現社長トム・アンダーソン(Tom Anderson)、南カリフォルニア大学経営大学院(USC's Marshall School of Business)出身で現CEOのクリス・デウォルフ(Chris DeWolfe)、ほかプログラマー数名が創立した。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/MySpace

さて、こうした買収劇が、その後のMySpaceにどんな影響を与えたのだろうか?
・同じNews傘下であるFOXとのコンテンツ提携が活性化した。
・MTVのようなメディア・ビジネス化に加速がついた。
・賛否両論あるにせよ、IntermixよりはNews(あるいはFox)のほうがブランド力が上。

MySpaceが、どう変化してきたか?については、こんな指摘もある。

SNSマイスペースとmixiの共通の悩みは小規模企業の隠れたビジネス活動
http://echoo.yubitoma.or.jp/weblog/h-yamazaki/eid/306871

このようなマイスペースのビジネス系のコミュニティは約8,200個もあります。
多くのものは余り書き込みが無くそのまま放置されていますが、中には参加者数が一万七千人を超え活発な展開をしているものもあります。
小さなフィルム映画の製作企業の成功事例も述べられています。
 初期の頃はマイスペースの創業者達は、小規模企業に暖かく、小規模企業のプロモーションビデオを作ろうかと言った申し出があったそうです。
しかしマードック氏がマイスペースを買収後は雰囲気ががらりと変りました。
マイスペースは大手からの有料広告の掲載に熱心になりました。そうなれば無料でビジネスを展開する小規模企業には冷たくなり、邪険な扱いさえする状況になっています。

日本への進出は?

News Corp. Estimates FIM Revenue Close To $500 Million In FY07; MySpace-Softbank May Team Up In Japan
http://www.paidcontent.org/entry/news-corp-estimates-fim-revenue-close-to-500-million-in-fy07-myspace-softba/

Bourkoff also told clients today that MySpace will launch in Japan this fall in a 50-50 JV with Softbank; no confirmation yet from the company.

なかなか正式発表が出ないが、非公式なリーク記事としては、こんなものもある。
ソフトバンクとのJVでMySpace日本版ができるとすると、Yahoo! JAPANとの提携も十分考えられることだ。

SNSでは一人勝ちといえるミクシィとの戦いも興味深いところだ。

ミクシィ襲う1億人の黒船
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20060922/110393/
SNS世界最大手のマイスペースで海外戦略を担当するトラヴィス・カッツ副社長は、ミクシィ上場の4日前、本誌の取材にこう答えた。
 「今後12カ月以内に日本版を正式に開始する。数は明かせないが既に英語版には相当数の日本のユーザーがおり、毎月15〜20%の割合で増え続けている。ミクシィはよく知っているが、ユーザーを奪おうなどと(小さいこと)は考えていない。米国では後発だったが(SNS米最大手だった)フレンドスターを抜き去った経験が我々にはある」

 市場調査はあらかた済ませ、現在は冒頭のようにテストを繰り返す日々。年内にもベータ版(試験版)を始める公算が大きい。


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ウワサのMySpace #1

圧倒的なシェアを誇るMySpace

MySpace
http://ja.wikipedia.org/wiki/MySpace
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)と呼ばれるウェブサイトに属するもので主に10代の音楽マニアがコアユーザーとなっている。また、MSN Spaces、 Friendster、 LiveJournal といった先行するライバルサイトを追い越して数千万人分の登録アカウント数を擁しており、英語圏で最も巨大で人気のあるソーシャル・ネットワーキング・サービスとなり、社会現象と化している。2006年8月9日、アカウント数はついに1億を突破し、2006年9月8日現在で1億600万人分のアカウントがあることが発表されている。また一日に23万アカウントずつ新規登録が増えている。

当初は、10代を中心に圧倒的な人気を誇ると言われていたMySpaceだが、現在は世代に関らない広いリーチをとっている。

「MySpace」利用者の半数以上は35歳以上、SNSは中・高齢者層にも人気
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/10/06/13542.html
MySpace利用者の年齢層は1年前に比べて高年齢化していることも明らかになった。
2005年8月時点の調査と比べてみると、12歳から17歳までの利用者層が12.8ポイントも減少し、逆に35歳以上の利用者層が合計で12.1ポイントも増加していた。この間にユニークビジター数は約2,200万から5,600万へと倍以上に増加している。このことからMySpaceでは、1年間に多くの中・高年齢層ユーザーを引きつけ、利用者層に変化が生じていることが理解できる。

こうした調査結果が出る背景には、MySpaceの利用が社会問題化してきたことも上げられる。

MySpaceなどSNSの利用には要注意――米調査
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0610/06/news020.html
米国では一般にSNS利用者の中心は10代の少年少女といわれるが、この調査では、利用者の48%が18歳以上であることが判明した。また、利用しているのは若者だけではなく、SNSを利用する成人の53%は35歳以上だった。成人利用者の増加はSNS普及を意味し、同時にセキュリティリスクの増大も意味する、と同報告は警告している。


MySpace、人気の理由

SNSの元祖であるFriendsterを駆逐して、MySpaceが圧倒的人気を誇るようになった理由は何だろうか?

ネット・コミュニティ史上最大の危機!!SNSマイスペースの文化モラル問題
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=1334
米国のSNSマイスペースは既に7,000万人に近い参加者を得ていますが、子供たちに与える悪い影響の議論など親たちが騒ぎ出し、移民規制法と並ぶ文化モラル問題に発展しています。<中略>大学院でFriedsterの台頭期からSNSを研究している若き女性人類学者、ダナ・ボイドさんはフォックス・テレビに出演するなどマイスペースの擁護に懸命ですが、この程、コラムを発表しています。

"Friendster lost steam. Is MySpace just a fad?"
http://www.danah.org/papers/FriendsterMySpaceEssay.html

<中略>ボイドさんのコラムはまず、何故Friedsterが衰えマイスペースが台頭したかを述べています。<中略>管理型で融通が利かないFriedsterと社交の手段をどんどん提供し自由にコミュニティを発展させたマイスペースの差だと言う指摘です。

実際、MySpaceのサービスを使ってみると、この「カジュアルさ」を体感できる。ナビゲーション・メニューは以下の通り。

Home | Browse | Search | Invite | Film | Mail | Blog | Favorites | Forum |
Groups | Events | Videos | Music | Comedy | Classifieds

メンバーは、自分の好きなようにページをカスタマイズし、お気に入りの音源を加えてページ上で再生することができる。
このコミュニティ・マーケティングの威力に気づいたメジャー・レーベルのミュージシャンたちも、MySpaceをプロモーション・ツールとして活用している。
FOXを系列に持つNews Cooperationが間接的な親会社になった影響で、"FOX on demand"というオンデマンド動画配信も開始した。
http://www.myspace.com/fox
また、"myspaceim"というIMソフトウェアもベータ公開している。
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=78744676
MySpaceは、いわゆるポータルサイト系とは異なり、オープンなSNSを中心としたコミュニティを軸に、楽しめるエンタテインメント系コンテンツを配した構成だ。

MySpaceには、10数年前にAOLが実現した「インターネット前史」の頃の、オンライン・エンタテインメントの要素がふんだんに盛り込まれている。もちろん、テクノロジーの発展(ブロードバンドの普及、Web2.0など)のおかげで、メンバーはより自由にコンテンツ&コミュニケーションを楽しむことができるようになった。
米国におけるネットコミュニティのマスは、AOL - Yahoo! - MySpaceと移り変わってきたといえるだろう。


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mixi(ミクシィ)・SNS時代のネットコミュニティ #5

これからのネットコミュニティ

最近、目にしたネット・トレンドに関する記事を抜粋する。

パーソナルコミュニケーター“mylo(マイロ)”
http://www.jp.sonystyle.com/Company/Press/061018.html
ブロードバンド環境の普及と、インターネット関連の技術の発達により、日本国内ではブログやSNSの利用者数が急速に増加。パソコンだけでなく、携帯端末などを利用して、友人・知人とコミュニケーションを簡単に気軽に図りたいという需要が高まりつつあります。

PDAと呼ばれたPalmベースの“CLIE(クリエ)”は旬を過ぎた(※)が、コミュニケーション・ツールとしての新製品が登場した。ブログやSNSを追い風にしたデバイスだ。
※今後新たな製品の販売を行わないことを決定した模様

Firefox 2.0リリース間近
http://japan.internet.com/busnews/20061017/4.html
伊藤氏は、Web が立ち上がった頃を「Web1.0」、大手企業が相互に連携できない IM を相次いでリリースした時期を「バブル1.0」と呼び、この時期は Web にとってかなりのダメージだったと振り返った。

ネットコミュニティの話ではないが、さすが伊藤譲一氏、Webの変遷をみるに際してIMをマイルストーンにしている点が興味深かった。
IM自体は優れたコミュニケーション・ツールだったのだが、個別アプリケーションである点や互換性の問題があり、伸び悩んでしまった。そして、互換性の話が進展(※)する前にトレンドはWebベースのアプリケーションに移行した。今では、Gmail/Google Talkでも同様の機能が使える。

※AIM/MSN/Yahooの互換性がもっと早く進展していれば、面白い動きもあったことだろう。

さて、これからのネットコミュニティはどうなっていくのだろうか?

・機能的視点

古くて新しいコミュニケーション・ツールであるメールのことを考えてみよう。
1対1のコミュニケーションの場合も、MLを使った複数での情報共有の場合でも、メールは相変わらずシンプルなだけに強力なツールであり続けている。
その理由は、リアルタイムではなくマイタイム(自分の都合のよいタイミング)で、情報共有が可能だからだろう。電話やチャットと最も異なるのはこの点だと思う。

SNSでは、相手のメールアドレスを意識せずにメッセージを送ることができる。これは便利だ。
そして、RSSによる送受信がメーラとマージすることによって一般化するはずだ。
<RSSリーダーはブラウザよりもメーラのほうが相性がいいはず…。>
そのメーラ自体がWebベースのものが主流になりつつあるが、とにかくインターフェイスとしてはメーラの中に取り込まれていくだろう。

メール/SNSメッセージ/RSSの延長線上とチャット/IM/Skypeの延長線上にあるコミュニケーションツールとその場(コミュニティ)が、比較的遠くない未来でのネットコミュニティの基本形となると思う。


・空間的視点

「オープン」と「クローズド」を絶えず繰り返してきたネットコミュニティ。SNSのような基本的に「クローズド」な空間も、次第に「オープン」がトレンドになってきている。
「オープン」なSNSというのは、本来の意味から逸脱しているのかもしれないが、各個人のBlogベースのコンテンツ(マイ・ページ)をコンテンツ単位で事細かに公開設定できるようになってきたのだ。
そして、個人ブランドを効かせることによって、情報の信頼性や嗜好性に関して担保する仕組みが緩やかにできつつある。


会員以外にも閲覧可能なオープン型SNS「vyyt!」が正式公開
http://japan.zdnet.com/news/software/story/0,2000056195,20277607,00.htm
会員以外のユーザーにも公開できるのが特徴。コンテンツの公開範囲は投稿する記事ごと、写真ごとに「公開しない」「友達まで公開」「友達の友達まで公開」「全公開」の4段階で設定することができる。


・心理学的視点

パソコン通信やインターネット黎明期のネットコミュニティでは、共通の「趣味・関心事」という「点」に対して「人」が集っていた。だから、バーチャルからリアルに集うという展開がある種の感動を生んでいた。(言葉通りの「出会い」を生んでいたからだ。)
いっぽう、現在のキーは「趣味・関心事」ではなく(と、敢えて言い切るが…)、自分という「点」から発信したコンテンツとコンテンツが、急速に発展した検索エンジンとDB技術によって、即座に「マッチング」「レイティング」されることによって派生しているといえるだろう。リアルな集いの延長線上にバーチャルな情報共有が繰り広げられるのだ。
その都度発散されるコンテンツ(キーワード)が、相互にリンクされることによって、メタコンテンツを生み出す…というイメージだ。
ある種、条件反射的なインプットとアウトプットを繰り返す。刹那的なコミュニケーションともいえるだろう。
ただ、こうしたコミュニケーションの応酬が全てDBに蓄積され、ネットコミュニティという織物が編みこまれていくと、マーケティングDBとしてのブレイクスルーを迎える。
暗黙知は集合知を生み、その集合知をトリガーにして更なる暗黙知が生まれてくるという循環が生まれる。


ネット・コミュニティは、「知らないままで付き合う」時代、「知らない人と知り合う」時代を経て、今は「知っている人と深く知り合う」時代になったと思う。
そして「知らない人から知られる」時代が、ついそこまで来ているのだ。

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mixi(ミクシィ)・SNS時代のネットコミュニティ #4

モバイルSNSの可能性

◆モバイルSNSの新鋭たち

まずモバイルに力点を置いているまだ比較的マイナーなサイトを二つ紹介する。

●びーぐる
http://sns.bgr.jp/
2005年10月にサービス開始。
モバイルSNSを主軸に、この春にはPCでもシームレスに利用できるようにした。
18万人を超える登録ユーザー数。(2006/9/15現在)

日本初!時代にあった使いやすいSNS!
PC〜携帯〜フルブラウザ端末間でシームレスに利用できるSNSを開発

http://www.xgroove.net/release/pdf/press_release060426.pdf

通常とは異なり、PCでのサービスのサブではなく、モバイルでのサービスのサブとしてPCサービスが位置づけられている。また、ターゲットは圧倒的に10-20代の女性。

この世界に潜入(?)してみると、日記&コメントは一般的なWeb日記と異なる様相を示す。
mixi日記以上に、個人間のケータイ・メールのやり取りに近い感覚で読み書きされている。
あまりにプライベートに近い情報のやり取りに、覗き見た(特にアクセス制限もないので読むのは自由)方が引いてしまう、という感覚だ。


●Any
http://www.myany.jp/
この春に携帯電話専用SNSサービスとして開始した。その後PC向けサービスも公開。

Any、携帯向けSNSサービス「Any」提供開始。慶應の大学院講義から事業化
http://www.venturenow.jp/news/2006/05/09/1945_011417.html
同社の代表畑野氏は「現在日本におけるSNSは招待制が主流。これだと、グーグルなどで記事を検索することもできず、インターネット上で公開されているとはいえない。アメリカでは登録制が一般的になってきており、誰でもが見られる環境でこそ、広告や企業の販促向けコミュニティの設置など様々なビジネスモデルが実現できる」とコメント。

この指摘は同感だ。「招待制」云々以上に、SNS内のコンテンツが検索エンジンのクロール対象外になっていることが問題であり、そこを克服することで新たなビジネス・チャンスがあると思う。


目指すはケータイ版YouTube--SNS「Any」に動画共有サービスを追加
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20131168,00.htm

「Any」が日本最大の資本金275,725 千円を有するSNS に
大手総合商社、広告代理店等9 社からの出資により大型増資を実施

http://img.myany.jp/_img/pdf/press060802.pdf

「日本最大の資本金を有するSNS」というフレーズは新鮮だ。(苦笑)
様々な企業から出資を募っており、さすがネットマイル創業者の一人が代表を務めるだけあると感心する。
SNSの弱点である「クローズド」性を払拭し、誰でも(検索エンジンも)見られる環境にしよう、という点がビジネスモデルとして期待できる点ではないだろうか?


◆SNS老舗のモバイル化

mixiもGREEもモバイル・サイトを持っている。
mixiモバイルは、mixiプレミアム会員と無料会員の間でサービス内容が異なる。(メッセージ機能の有無など)
いっぽう、GREEモバイルは最近デザインを一新(10/16)し、KDDI資本参加によるモバイル注力のスタンスをより鮮明に打ち出してきている。
両社ともに、PC/モバイルのユーザー比率は約80:20。ただ、今後モバイルの比率はますます高まっていくだろう。
それぞれ、モバイルの機能は、現時点ではPCサービスのサブセットまたは同一機能であり、モバイル独自の機能というものは存在しない。
そこに着手するのは、おそらくGREEモバイルのほうが先なのだろう。
(関連サイトとして「GREE Q&A」という「はてな」や「教えて!goo」に似たサービスをモバイルサイト先行でオープンした)

日本独自のネット・コミュニティといえるのがモバイルの世界。某有名ECサイトでも売り上げ上位におけるモバイル占率は、もはや30%を超えているという。

「ケータイでもPCメール・チェック」などという機能に喜んでいたのは、もう5年以上も昔の話だ。これからの(日本独自の)モバイル・インターネットの世界において、SNSがどういうポジショニングになり、どういうビジネス・モデルを構築していくのか、興味深い。
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mixi(ミクシィ)・SNS時代のネットコミュニティ #3

フレーミング(炎上)とスパムへの対処

Blog/SNSに限らないが、ネットコミュニティにおけるリスク管理について考えてみたい。

◆フレーミング(炎上)

「炎上」=ブログにコメントが殺到する状態
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%8E%E4%B8%8A

たとえば、こんなケースがある。

mixiの問題人物Kusakabe氏、強制退会に?
http://d.hatena.ne.jp/mixi_love/20050811/p1

そして、この事件に対する、「ある種の」意見。

インフラ化するmixiと、中立不偏性について
http://www.amanogawa.to/mt/archives/000349.html

mixiがインフラであろうとし、かつ一方的な(説明義務を果たさないままでの)ユーザ排除などを実行し続けるのであれば、いつかはインフラとしての中立性に明確な疑念が呈される事態になる可能性を否定しません。

現在、mixiには招待ブラックリストシステムが実装されています。このブラックリストシステムには、 mixiへの招待を受けるべく2ch等の招待スレに晒されたメールアドレスや、その他退会処分になった人のメールアドレスが登録されている模様です。

こういうスタンスは、一見口当たりがいいが、問題の本質を捉えているとは思えない。
mixiがインフラ化する、つまり誰もが使うようになる、という話と、だからといって中立性を担保されるべきか?というと、私企業が(利用規約の合意をとって)提供する(ほとんど無料の)サービスについて、そこまで期待するべきかどうか?という疑念がある。そもそも誰の目からみても「中立」であることはありえないし、「炎上」をみたくない、不快だという一般的なユーザーの心理をコミュニティの管理者がどう判断するか?ということだ。

ネット・トレンド<4> 「炎上」の加速化
http://computers.chips.jp/2006/09/post_16.html
昔のパソコン通信や、初期のインターネット掲示板で、散々「ネット・コミュニティ」の酸いも甘いも経験した人間からすると、こうした現象は驚くべきことではない。しかし、SNSのようにある程度の「非」匿名性(プライバシーの臨界点)が前提になってくると、「炎上」が起きた場合の影響度を軽視するわけにはいかない。

リスク管理の観点からも個人としての言動を慎む、という当たり前のことが、ネット社会の基本的マナーとして今まで以上に問われる時代になったということだろう。

つまり、個人(プライバシー)をある程度さらけ出すことが前提となるBlog/SNSにおいては、従来の「ネット・コミュニティ」以上に「炎上」の火の粉をリアルに受けるリスクがある。それを避けるためには、以下の選択肢しかない。

・Blog/SNSでは発言(コメント)しない。
・個人(プライバシー)情報を露出した言動を慎み、匿名性の中で生きる
・コミュニテの管理者(運営主体)を信用し、自分&周りの行動に対する判断も管理者の裁量に委ねる。
・トラブル等のリスクも許容し、覚悟を決めて生きる。

この四段階の中間くらいが、Blog/SNSを楽しむためのコツなのだろう。ある程度わかる人にはわかる名前(ニックネーム)で個人ブランド化し発言に対する色づけをしつつも、プライバシー情報の露出は極力控える。
そうした情報リテラシーがネット社会の基本的マナーとして必要になるといえるだろう。

◆スパム

Blogにおけるスパムとは、TB(トラックバック)スパムが最もわかりやすい例だろう。
せっかく、Blogならではの醍醐味であるTBも、スパムの洗礼を受けて設定OFFにしてしまった人が大勢いると思う。(私もあるBlogサイトで、TB設定を断念したことがある。)
さて、SNSはクローズドなので一般的にはTBスパムを受ける確率は低い。(ゼロではない)
しかし、一方でCSRF攻撃と呼ばれるスパムのような攻撃が事件となっている。

「ぼくはまちちゃん」 ――知られざるCSRF攻撃
http://www.atmarkit.co.jp/fsecurity/column/ueno/33.html

CSRF
http://d.hatena.ne.jp/keyword/CSRF
Cross-Site Request Forgeriesの略。Webアプリケーションの「投稿」や「削除」、「購入」、「退会」「メッセージ送信」など、永続的な影響を与えるコマンドを実行する URL へ誘導し、意図しないコマンドを実行させる攻撃。

開発者のための正しいCSRF対策
http://www.jumperz.net/texts/csrf.htm

[mixi] mixiにCSRF脆弱性「ぼくはまちちゃん!」トラップ
http://d.hatena.ne.jp/mohri/20050420#1113967566

mixiの「ぼくはまちちゃん!」で見えた脆弱性
http://webdog.be/archives/05420_130621.php
CSRFは正規ユーザーのログイン中に危険がありますので、サイトにログイン中はそのサイトから出ないようにし、サイトの利用が終わったら必ずログアウトすることで、少なくともあなたがCSRFの被害にあうことは防ぐことができます。複数のブラウザを使い分けるというのも有効です

また、こんな事件もある。

mixiの事件に見る運営ポリシーの重要さ
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=1407
・マイミク登録の人へ紹介文を書く
・マイミクの日記にコメントつける
・日記を書く
・日記へのコメントに返事する

人口無能や自動巡回ツールなどを知らない方は驚かれるだろうが、プログラムが勝手に日記を書いたり、友達の日記へコメントをしたりするのである。

「スパム」(CSRF)の予防法は、ユーザーの観点からみれば、いくつかの技術的措置(設定)と意識の問題でしかない。

・TBやコメントを管理し、スパム投稿は小まめに削除すること。
・Cookieの存在を意識してログイン&ログオフすること。
・妙なURLリンクをクリックしないこと。
・(少し悲しいが)世の中は性善説ではなく『性悪説』で成り立っていると思うこと。

問題や事件の存在を知らないと予防することもできない。そういう意味では、ウィルスやスパイ(アド)ウェアだけでなく、こうした新手の迷惑行為についても十分なケーススタディと対策に関する情報を得ておくことが必要だ。これが、ネットコミュニティにおけるリスク管理であり、ネット社会を生きていくためのひとつの糧といえるだろう。

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mixi(ミクシィ)・SNS時代のネットコミュニティ #2

BlogとSNSの違い

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、Blogの定義とは以下の通りである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0
ブログ(ウェブログ、Blog、Weblog)とは狭義にはWorld Wide Web(Web)上のウェブページのURLとともに覚え書きや論評などを加え記録(Log)しているウェブサイトの一種。"WebをLogする"という意味でWeblogと名付けられた。
現在、より頻繁に用いられている広義には作者の個人的な体験や日記、特定のトピックに関する必ずしもWebに限定されない話題などのような、時系列で比較的頻繁に記録される情報についてのWebサイト全般を含む。このようなWebサイトの作成機能を提供するソフトウェアやサービスなどを指して呼ぶ場合もある。又、SNSやブログや口コミメディアを総称してCGMと呼ぶこともある。

また、SNSの定義は以下のようになっている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/SNS
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(英語: Social Networking Service, SNS)とは、「友達の友達は皆友達だ」という考え方に基づき、人々の「つながり」を重視して、趣味や嗜好・仕事関係・男女関係などの構築をオンラインでサポートするサービスの総称である。

SNSの一部としてBlog機能を持っている場合が多いため、この両者を区分することは難しくなっている。しかし、一般的な大きな差異といえるのは、オープンであるかどうか?という点のみだろう。


「オープン」か「クローズド」か?

Blogは、不特定多数がアクセスできる「Webサイト」であり「オープン」だ。
一方のSNSは、そのSNSにログインしているメンバーのみや(その中でも友人のみに限定した)特定の人のみがアクセスできるように設定したものであり「クローズド」である。
<たしかGREEのブログは、ある時期までは「オープン」でありWebクローラーの対象になっていたはずだが、現在は「クローズド」のようだ。>
「オープン」か「クローズド」か?というのは、つまりGoogleなどの検索エンジンの検索対象になるかどうか?ということであり、これは重要なポイントになる。
技術的に「オープン」になっていないネット・コミュニティの代表として、SNSが位置づけられるとすれば、その将来性は極めてニッチなポジショニングにしか存在しないことになる。

Blogが面白いのは、そのコンテンツ自体をマクロ的にマーケティング・データとして活用できるようなサービスが登場している点にある。

テクノラティジャパン
http://www.technorati.jp
テクノラティジャパンは、ブログ界で今何が起きているのかを最もよく知っています。そのデータを利用して現在ブログ検索機能の提供を通じて、ブログそして記事を可視化するお手伝いをしています。

Yahoo!ブログ検索
http://blog-search.yahoo.co.jp/
Yahoo!ブログ検索は、インターネット上のさまざまなブログ上にある膨大な情報から、検索ができるサービスです。自分の興味や関心のあることについて書かれたブログの記事を、キーワード一つで効率的に探すことができ、あわせてそのキーワードの注目度の推移もチェックできます。

gooブログSearch THE BLOGGER'S NEWS
http://blog.goo.ne.jp/index.php?fid=trendranking
今!ブロガーが注目しているニュースのランキングが一目でわかる!
gooブログの検索エンジンを使用しブログ記事中にあるニュースサイトへのリンクをカウント。
【トレンドランキング集計対象ブログサービス】
gooブログ / JUGEM / はてなダイアリー / Livedoor Blog / Doblog / ブログ人 / ココログ / その他主要ブログ


次世代型ブログ検索実験BLOGRANGER
http://blog.goo.ne.jp/labstaff/c/5351e4b76f9644507c380df9b8d5266d
ブログから話題のトピックを提示する機能は、他のブログ検索サービスでも提供されていますが、この度開発した機能は、単にブログで多く言及される語ではなく、「BLOGRANGER」の適合度順のランキングに使われ、ブロガーが多くの人が引用するような良い記事を書いているかどうか、また良い記事を引用しているかどうかを数値化するリンク分析アルゴリズム「EigenRumor」によって注目度の高い記事を抽出した後、「BLOGRANGER」のトピックフィルターとして使われているトピック分類ラベル抽出技術によって、トピック語の抽出を実現しています。これにより、ブロガー間で「濃い」話題となっているトピック語がより出現しやすくなるように工夫されています。


個人ブランドの付与

BlogもSNSも、「誰が発信している情報か?」キーになっている。必ずしも、実名署名ではなくてもいいのだろうが、その筆者の個人ブランドがどう付与されているか?が重要なポイントとなる。
Blogにおけるトラックバック(TB)やコメント、SNSにおけるプロフィールや友達からの紹介コメントなどが、その筆者の発信情報に対する信用度を側面からサポートする。
この点においては、SNSのほうが匿名性が薄いだけに個人ブランド力が強いという言い方はできるだろう。
オープンなBlogにおいて自分ブランドを付与する、というのは、それなりのリスクと覚悟が必要なことだ。

Blogのオープン性の中に、SNSの個人ブランド力をどう効かせていくのか?
ある意味、囲い込むのではなく、緩やかなSNSを形成できるようなBlogサービスが生き残るのではないか?と思う。

この点では、Vox(シックス・アパート社の新ブログ・サービス。8月からベータ公開中)やStylog(但し、11月でサービス終了予定)のサービス機能設計は興味深い。
シックス・アパート社のプレゼンテーション資料にSNSとBlogの特徴がまとめられているので抜粋する。

http://www.sixapart.jp/pressroom/2006/09/vox_at_digitalgarage_conference.html
http://www.sixapart.jp/pressroom/SixApart-Vox-at-DigitalGarage.pdf
・ではなぜSNSを選ぶのか
−知り合い限定でユーザーが安心感を持つ
−ネガティブな話題が広がらない
−コミュニティを「コントロール」できる

・既存のブログではなぜダメなのか
−すべてのコンテンツが全世界に公開される
−非公開ブログを持つのは面倒
−高機能がゆえに、とっつきにくい

Vox
http://www.sixapart.jp/vox/
Vox はシックス・アパートが開発した、これまでにない、新しいブログ・サービスです。 Vox では、従来のブログの機能に加えて、柔軟なアクセス制限が可能です。

Stylog
http://stylog.jp
stylogは多くあるBlogサービスやソーシャルネットワーキングサービスとは違い、規模の拡大を目指しておりません。安心してご利用頂ける品質の高いフィールド作りを目指しております。
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mixi(ミクシィ)・SNS時代のネットコミュニティ #1

ネット・コミュニティの変遷

ネット・コミュニティ(オンライン・コミュニティ)には、現在に至るまでの約20年間の歴史がある。
国内でいえば、草の根BBS、NIFTY-ServeやPC-VANのような商用パソコン通信サービスが80年代半ばに立ち上がった。
やがて、Windows95を契機としたインターネット・プロバイダの隆盛。
このとき、Webベースの掲示板やチャット(IM)を使った「ネット・コミュニティ」が一般的に普及する。
そして「2ちゃんねる」や「teacup」などのWeb掲示板が隆盛を極めたあとに、mixiを筆頭にBlog/SNSコミュニティが急速に拡大してきている。

長文文化/短文文化/日記文化

とても荒っぽい言い方をすれば、パソコン通信時代は「長文文化」チャット&掲示板時代は「短文文化」、そしてBlog/SNS時代は「日記文化」ということができる。それぞれについて、整理すると以下のようになる。

【1】パソコン通信時代
<ナローバンド:従量制:テキスト:時系列アーカイヴ:薄い匿名性:ジャンル別>
「長文文化」であり、気合の入った長文の書き込みが多かった。つまりアーカイヴ(記録)性の高い濃い内容のテキストがコミュニティの中を駆け巡っていたのである。IDやハンドルネームは、書き手の同一性を担保する署名の役割を持っていたが、「誰?」よりも「何?」を書いているか?がキーとなっていた。

【2】チャット&掲示板時代
<ナロー・ブロードバンド:従量・定額制:テキスト:リアルタイム:濃い匿名性:検索キーワード別>
「短文文化」であり、短い突っ込みの応酬がリアルタイムに繰り広げられていた。IDやスクリーンネームは、パーソナリティを象徴する名前であり、ここでは「何?」よりも「誰?」がキーになっており、より親密なネット・コミュニケーションが加速した時代でもある。

【3】Blog/SNS時代
<ブロードバンド:定額制:リッチメディア:マイタイム:実名性:RSSフィード>
「日記文化」であり、リアルなプロフィールを開示することが増えてきた。また、リアルな人脈を前提としたコミュニティが多い。「誰?」がキーになっているが、リアルタイムではなく、メールや日記に対するコメントのようにマイタイム&ユアタイム(自分の都合のよい時間の)コミュニケーションという形となっている。
(FrickrもYouTubeも写真や動画による日記といっていいだろう。)

コミュニティ・トレンドのスパイラル展開

こうやって考えてみると、まさに以下の観点が当てはまる。
・物事は螺旋的に発展する
・何が「復活」してくるかを、読む 
           <『使える弁証法』田坂広志著>

Blog/SNSには、長文文化/短文文化の良い部分が融合されているように思える。
時間感覚でいっても、アーカイヴ/リアルタイムのいずれでもない、マイタイム&ユアタイムという軸でコンテンツ(日記、コメントなど)を覗き見て書く、というスタンスが一般的だ。パソコン通信のときのように従量課金を気にして、まとめてダウンロードしてあとで返信する、という形でもなく、チャットのようにリアルタイムで(お互いを時間拘束して)喋る、という形でもなく、1日数回少し時間の空いたときにチェックして気ままに投稿する、といえばイメージしやすいだろうか?

現状のBlog/SNSが、往年のパソコン通信時代の「長文文化」に似ているのは間違いない。ただ匿名性が薄くなり『バーチャル←→リアル』という垣根がなくなっているのが、今のネット・コミュニティだ。<昔はその使い分けがハッキリしていたから、「オフ会」と呼ばれるリアルへの架け橋が盛り上がった。>
そこで「螺旋的に」考えると、「どうチャット&掲示板時代のテイストを盛り込むか?」ということになる。(歴史は繰り返すのだ。)
既にSkypeとの連携を試みているサービスもある。IMのようにプレゼンス機能とチャット機能をSNS内に実装するケースも増えてくるだろう。
<mixiは、この辺りを次のステップに考えているのではないか?>

ネット・コミュニティは、「知らないままで付き合う」時代、「知らない人と知り合う」時代を経て、今は「知っている人と深く知り合う」時代になったと思う。そういうコアの部分の周辺に、従来通りのコミュニティ・モデルも遍在しているような状況といえる。
こうしたサービス(機能)は、技術的トレンドの影響を受けやすいので、様々なブレイクスルーを吸収して、今後も新陳代謝を繰り返していくのだろう。

Technorati Profile
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SNSビジネス<3> GREEにみるSNSのビジネス化 #3

◆GREEのサービスモデル

これまでのサービス強化の過程をみると、Web2.0的な技術アプローチと【クチコミ】というキーワードにこめたCGMとしての提携・事業開発アプローチがある。

GREE Labs
http://gree.jp/?mode=static&act=page&page=ext_labs
Web2.0的と思えるのは、"GREE Labs"にみられるようなOSS(オープン・ソース・ソフトウェア)コミュニティへのコミットメント。そして、Google Map APIを活用した「GREEマップ」のようなサービスだろう。

『GREEマップ 〜フォトタグで作る世界の写真集プロジェクト〜』を開始!
http://gree.jp/?mode=static&act=page&page=ext_press&id=press_release%252F2005-12-02
http://gree.jp/?mode=special&act=photo_world

また、【クチコミ】提携・開発には以下のようなものがある。

グリー、ウノウと提携し、映画クチコミサービスに参入
http://gree.jp/?mode=static&act=page&page=ext_press&id=press_release%252F2006-03-28

グリーとはてな、クチコミプロモーションの商品化で提携
http://gree.jp/?mode=static&act=page&page=ext_press&id=press_release%252F2006-04-25

グリー、クチコミ型のキャリア情報サイト『GREEキャリア』正式オープン
http://gree.jp/?mode=static&act=page&page=ext_press&id=press_release%252F2006-03-30

こうした【クチコミ】系がどの程度成功しているのかは不明だ。
しかし、GREEのサービスとインターフェイスに関しては、mixiよりも「スッキリ」した感が強く、「mixiよりもGREEのほうがいい」という人も少なくないのではないだろうか?
<mixiもGREEも使っているが、メインはGREEという人を少なくとも私は数人知っている>


◆GREEの強み・弱み

もともと大学生に人気だったGREE。就職活動にともなう情報収集にも活発に利用されているようだ。
プロフィールに「母校」という項目を入力できるようになっているので、横のつながりも作りやすい。(このあたりは、ゆびとまを彷彿とさせる。)
ただ、良くも悪くもGREEは「SNSらしいSNS」という印象を受ける。つまり、知らない人と出会って友達になる、というよりはリアルな友達の情報を一元管理するという側面のほうが強いのである。
<mixiは、コミュニティ機能が充実してきたため、ネット出会い系の亜種といわれるようになってきている>
GREEの強みは、ユーザー属性がブレていない点と、前述のような技術的な先行優位性に尽きるのではないだろうか?

いっぽう、GREEの弱みは何だろうか?
それは、企業としてのカラーが大きくついてきた、という点だと思う。
(当初は)田中氏個人の嗜好性を反映したサービス体系であったこと。一方、経営基盤は大手キャリアとVCが参画しているという点で、わかりやすいが窮屈な側面もあるだろう。(強みでもあり弱みでもある)
mixiにユーザー数で大きく水を空けられたという事実も痛い。(GREEは40万人、mixiは600万人)

GREEがmixiと同じ土俵で戦う必要は全くない。
その意味では、KDDIとの資本提携は大きな転機だったといえる。
今後は、モバイルSNSの拡充に努め、FMC(モバイルとPCの融合)戦略を進めていくようだ。

グリーはどこへ行くのか
http://japan.cnet.com/interview/media/story/0,2000055959,20199547,00.htm

「モバイルSNSを機軸に国内のモバイル・インターネットにおける技術的ノウハウを今後(場合によっては海外も含めて)どのように展開できるか?」が、GREEの事業戦略の根幹にあるのではないだろうか?

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SNSビジネス<2> GREEにみるSNSのビジネス化 #2

前回は、「そして、今年の夏にGREEは新たなる段階へと突入した。」で終わった。
既に旧聞に属するが、この夏、GREEが企業として次の段階に入ったことを予見する出来事だった。

◆GREEのビジネスモデル

KDDI、グリーに出資--携帯電話におけるSNS事業を本格展開
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20186467,00.htm

増資後のグリーの資本金は、2億4,216万円。
一年前の第三者割当増資による調達額が約1億円で、この内5,016万円を資本金として組み入れた。そのときの資本金総額が6,016万円だから、今回の増資額(1億8,200万円)は大きい。
KDDIの取得金額を調べることはできなかったが、2億円以上のお金が注ぎ込まれたことは間違いない。

ある意味足かせともなるVCや大手企業からの出資を受けつつも、独自の強みを発揮すべくGREEはmixiとは異なるフィールドを模索し始めたといえる。

個人で運営していたときから、GREEはGoogleのAdsenseとAmazonのアソシエイト・プログラムにる収益を上げていたという。ただ、売上としては微々たるものだったようで、株式会社化した頃から、インターフェイス・デザインの改善と共にバナー広告露出も目立つようになってきた。

そして、とうとう「GREEもか?」というわけで、プレミアム(有料)サービスである。

GREE、有料オプション「GREE プレミアム」で保存容量増加とアフィリエイト機能
http://japan.internet.com/wmnews/20061002/5.html
GREE プレミアムのオプション内容は3点。メールの保存通数が無制限になり、フォト・動画の最大保存容量が1GBに増加、さらにレビュー機能を利用したアフィリエイトが可能となる。
アフィリエイト機能の対応アフィリエイトプログラムは現在 Amazon.co.jp のみ。

おそらく10%程度と見込まれるコア・ユーザーを有料会員として囲い込み、その延長線上と全く違う市場であるモバイル・ユーザーをSNS(PC)へと導く…。
モバイルしかプライベートでは使わない若年層を就職を考える時期に「GREEキャリア」で囲い込み、出身校コミュニティでmixiよりは優位なところを活かし、モバイル/PCのマルチプラットフォームSNSを展開する…。
最近のGREEの動きをみると、そんなビジネス戦略を垣間見ることができる。

また、GREEの最近のプレスリリースをみると、VCとモバイル・キャリアの資本を得て加速している感がある。
今回のプレミアム・サービスの前に発表されたのが、先月末の以下の発表である。

グリー、「GREE」内動画共有サービスにてPCからの投稿に対応
http://www.venturenow.jp/news/2006/09/25/2100_013208.html
グリー株式会社(本社:東京都港区、代表:田中良和)は25日、招待制ソーシャル・ネットワーキングサービス(以下SNS)「GREE」にて、先月8日から開始していた携帯からの動画投稿に加えてPCからの動画投稿に対応した。PCでの閲覧についてはFlash形式に自動変換され、携帯電話では端末ごとに自動変換された上で再生される。

つまり、"YouTube日本版"である。既に数社が同様のサービスを開始しているが、モバイル・サービスと40万のユーザー・ベースを抱えての参入のインパクトは大きい。
ケータイで動画を撮影し、即アップが可能、ということになる。
今後、モバイルSNSに特化するGREEは、ますますWeb2.0のオイシイところを拾いながらサービスの拡充に努めることだろう。

モバイルの基盤をある程度持つGREEにとって、「KDDI(au)のSNS」というポジションニングから得られる収益は計り知れない。おそらく、SNSというプラットフォームにおいて初めてPCとモバイルのFMC(Fixed Mobile Convergence)を実現するのは、mixiではなくGREEなのだろう。しかし、主たる収益源がモバイル課金サービスだけというのは、もう今のご時勢ではリスキーだ。では、"Web1.0"モデルともいえる広告戦略はどうだろうか?

広告サービスガイド(PC版)
http://gree.jp/pdf/GREEmenu2006_10-12.pdf
広告サービスガイド(モバイル版)
http://gree.jp/pdf/GREEMobilemenu2006_10-12.pdf

どちらも想定PVをうたったオーソドックスなネット広告商品だ。
現在、GREEの広告スキームは「大手レップ2社、大手総合代理店2社」と提携して実施されている。
SNSならではのマーケティング・広告商品の開発は、これからの課題なのだろう。
どうしてもテクノロジー・ドリブンのイメージがあるGREEにおいて、こうしたマーケティング戦略のリソースをどう確保するか?は、大きな経営課題であるはず…。

Googleが単なるテクノロジー・ドリブンの企業ではなく、AdwordsやAdSenseのような収益源となる広告商品を開発できたのは、適切なタイミングでそうしたリソースを獲得できたからである。

GREEが(マーケティング主導の)mixiと(テクノロジー主導の)はてなの中間に位置しており、もっともビジネス的に化ける可能性が高いと思いつつも中途半端な印象を否めないのは、まさにこの点にある。おそらく最もターゲティングしやすく質の高い(?)ユーザー層をコアに持つと思えるGREEの資産を、今後ビジネスとして活かすも殺すも、この「SNSならではの」広告商品開発のアイディアと構築力次第だろう。

次回は、実際のGREEらしい"Web2.0"的サービス内容について検証を進める。

<以下、続く>

ココロ・プラネット SNS研究員 roomrag
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SNSビジネス<1> GREEにみるSNSのビジネス化

GREEのポジショニングについて、数回に渡って見ていきたい。
個人で始めたSNSサービスが拡大したことによって企業となった初めてのケースだ。(mixiは既存企業が始めたSNS)

◆GREEの成り立ち

GREEとは?
http://d.hatena.ne.jp/keyword/gree
国内初のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)。 招待状を受け取った人しか参加できない。 2004年に、当時楽天に勤めていた田中良和氏が個人的にはじめたサービスだったが、利用者の拡大に伴い株式会社化。

GREE - 由来(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/GREE
社会心理学者のスタンレー・ミルグラムの「Six Degrees of Separations」(六次の隔たり)の理論の名前からきている。

友達の友達の…と辿ってみると、6人の友達で世界中の人と友達になれる、というソーシャル・ネットワーク理論。都市伝説のようではある。しかし、LinkedInを使うと、そのイメージを掴める。私の場合は、8人−44人−7,200+と表示されている。


MSNがソーシャルネットワーキング「GREE」に学んだこと(2004/09/10)

http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20072844,00.htm
国内最大規模級の無料ソーシャルネットワーキングサービス「GREE」に、MSNが共鳴──。マイクロソフトは、来る9月12日(日)に行われる「GREE Night 2.0」へ協賛する旨を発表した。同日、会場ではMSNメッセンジャーに関するニュースも発表されるという。

まだGREEが田中氏個人のサービスであり、MSN Spaceが立ち上がったばかりの頃。MSNは、社内事情によるところが大きいが、MSNとMicrosoft Liveのサービス・ロードマップ戦略の折り合いの問題もあり、CGM関連サービス進出に大きく出遅れた。


「GREE」を株式会社にした理由(2004/11/29)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0411/29/news011.html
国内ソーシャルネットワーキングサイトのさきがけ「GREE」を運営する「グリー株式会社」が12月7日に設立される。社長に就任するのは、GREEを開発し、ボランティア運営してきた田中良和さん。勤めていた楽天を10月に退社し、GREEの運営に専念する。株式会社化に踏み切ったのは、GREEを長く続けるためだという。

楽天は、わずかしか出資しなかった。これは田中氏の意向だったのだろう。賢明だと思う。


GREE 事業内容
http://gree.jp/?mode=static&act=page&page=ext_operation-strength
私たちグリーは、SNS「GREE」を出発点に、個人の力を集約したメディア、 CGM(Consumer Generated Media)をはじめとした次世代のウェブを開拓するパイオニアとしてユーザーが楽しめるサービスを常に作り続けていきます。

SNSのみならず、CGMというキーワードを盛り込んでいる点がポイントかもしれない。


◆GREEのポジショニング

GREE Labs
http://labs.gree.jp/
http://labs.gree.jp/Top/Study/20060823.html
グリー株式会社では、最新のインターネット技術・サービス・ビジネスを発掘・研究するために、「GREE Labs」という社内プロジェクトを結成しております。ここでは、ソーシャルネットワーキングサービスを基盤とした新しいサービスや機能を、正式サービスとは別に実験的に開発して公開する、といった試みを展開しています。
その一環として、2006年3月より、「オープンソーステクノロジー勉強会」を、グリー株式会社とグローコムの主催という形で、毎月行ってまいりました。

よりオープンソース・コミュニティとのコミットメントを明確にしている点が、他社とは異なるポジショニングだろう。<本当は、はてな、gooはもちろん、ライブドアなども技術的に優秀なのだが…。>


Greeとmixiの違いを考えてみた
http://netafull.net/internet/004823.html
GREE COMMUNITY 1.0 リリースに際して、恐らく開発者田中さんの言葉だと思うのですが、次のように語られています。

「グリーは、いわゆるオンラインで交流するために使う「(オンライン)コミュニティ」ではありません。
自分のいつも接する身近な友達とやり取りをしたり、共通の趣味であつまる同好会やサークル活動、友達の集まるパーティ、学校の同窓会、食事会などを、より簡単に、より便利にするそういうサービスを目指しています。」

そもそもSNSとは、そういうものだと思うのだが、GREEはよりSNSらしいサービスを志向していたといえるだろう。


mixiとGREEの差|神泉で働く社長のアメブロ(2006-03-04)
http://ameblo.jp/usami/entry-10009722563.html
以下は僕の勝手な想像ですが、田中君はGREEを自分にとって必要だと思うサービス(欲しいと思うサービス)として創っていたのに対して、笠原君はファインドジョブへの入り口としてmixiを考えていたんじゃないだろうか。

このコメントは、尤もだと思う。個人的に開始した開発者田中氏と、既に企業経営者としてファインドジョブをメインの事業としていた笠原氏の、SNSに対するスタンスの違いだろう。
そして、今年の夏にGREEは新たなる段階へと突入した。

<以下、続く>
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mixiはYahoo!になれるのか?

上場企業Mixiに対するマスコミ視点での大疑問の数々
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=1717

 さてこれは筆者が幾つか雑誌にコラムに書いていますが、 MIXIの経営者はWeb2.0経済をまだ完全には理解していない点が気にかかります。
 筆者の見方としてMIXIはネット通販やプレミアムなど一切余計なことは辞めて米国のマイスペースの広告モデルを見習い、それに集中すべきだと思っています。
何度も申しますがWeb2.0はボランティアと広告費が支える『無料経済』です。これに音楽、映画、ドラマ、電話や通信サービス、ビジネスソフト、更にフリーペーパーが出始めた新聞まで飲み込まれてゆきます。
でもmixiはyahooと同じようなポータルサイトを目指していると考えられます。。

mixiがmixiたる所以は、サブカルチャーに依存した(少しだけ新しい)ネット・コミュニティであることは間違いない。今回の上場が明らかにバブルなのは、mixi自体が頑張ったことはもちろん、様々な外部環境要因がmixiを強くしたことも事実だ。

・Blog/SNS自体がブームになった
・従来のネット・コミュニティ(2ちゃんねるを含む)が頭打ちになりつつある
・ネット広告産業が活性化した(キーワード広告の隆盛が結果としてバナー広告を押し上げた)
・日本のITベンチャー第三世代として位置づけられるように、第一世代(楽天、ライブドアなど)第二世代(ネットエイジ、サイバー・エージェントなど)の布石の上に証券業界が動いている事情がある
・"Web2.0"でもないのに" Web2.0"というバズワードを象徴するサービスとして誤解されるだけのユーザー数の勢いを持てた

「検索を軸に」「あらゆるサービスを飲み込んだポータルに」「ユーザー数を武器にマスメディア的広告ビジネスを誘引」
というYahoo!的"Web1.0"ビジネスをmixiが参考にしていることは事実だろう。
「SNSを軸に」「あらゆるサービスを飲み込んだポータルに」「ユーザー数を武器にマスメディア的広告ビジネスを誘引」
つまり、軸となるサービスモデルは異なるがビジネスモデルは変らない、ということだ。

しかし、SNSがビジネスとして成り立つためには、もう少しネットならではの巧妙なマーケティング・広告商品がなければ長続きしないことも事実だろう。
安易なアフィリエイトやGoogle/Overtureに依存したキーワード広告をメインとせずに、独自の収益源を築くためには、ユーザーの満足度を充足するためのサービス・メニューと同時に広告クライアントを納得さえるようなネット・コミュニティ・マーケティング戦略が必要だろう。

そういう意味では、上場後に改訂(平成18年 9月28日 改訂)したmixiのプライバシー・ポリシーにおける下記の部分は、象徴的だ。
http://mixi.co.jp/privacy.html#privacy
14. 行動ターゲティング用のクッキー無効化(オプトアウト)についての説明
 弊社のサイトにおいては、効果的な広告配信のために株式会社アイメディアドライブが米国レベニュー・サイエンス社(以下RSI)の技術を用いた行動ターゲティングサービスを行っています。当サービスで利用するクッキー(RSIの作成するドメイン名:revsci.netのクッキー)は効果的な広告配信の目的のみに使用し、その他の目的や個人情報の収集には一切使用しません。このクッキーを無効にしたい場合は、お手数ですが、行動ターゲティングクッキーステータス確認ページにて手順に従い、無効化してください。

ターゲティング広告の精度を上げて、より高付加価値の広告商品とするためのアプローチのひとつだ。この微妙なバランスがB2Cでは特に重要であり、顧客に対するサービス&ステイクホルダー全般に対する事業としての説明責任をどうするか?が大きな課題であることは間違いない。

ブロードバンドが発展してきたことで、動画を初めとして広告商品自体の魅力が従来のマスメディアと表現力や影響力の点で遜色ない部分も増えてきた。
しかし、「そもそも…」という点においては、今後の課題となっていくだろう。
放送媒体や報道媒体としてのマスメディア以上のビジネス・チャンスを考えるかどうか?
いかにネットらしいインタラクティブ(双方向性)メディアとしてのビジネスを志向するか?ということである。

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mixi/SNS コミュニティ前史

今でこそ「SNS」の代名詞といわれるmixi。そして「SNS」という言葉自体の認知度も高まり、ネット・コミュニティの代表のようにイメージされる。
しかし、ネット・コミュニティ(オンライン・コミュニティ)には、現在に至るまでの約20年間の歴史がある。
国内でいえば、80年代半ばから草の根BBS、NIFTY-ServeやPC-VANのような商用パソコン通信サービスが立ち上がる。そしてWindows95を契機としたインターネット・プロバイダの隆盛。このとき、Webベースの掲示板やチャット(IM)を使った「ネット・コミュニティ」が一般的に普及する。
その中で現在に至るまで大きな影響力を持つ掲示板が「2ちゃんねる」(開設日は1999年5月30日とする説が有力。)

mixiが2ちゃんねるを名実共に超えた日?(2005-12-9記)
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=989
インターネットコミュニティの代表事例が、匿名掲示板の2ちゃんねるだけだった時代はそろそろ終わり、一般人も巻き込んだmixiがもう一つ新しいインターネットのイメージを作ってくれそうな感じがします。

さて、少し古いがネット・コミュニティに関する研究レポート(Web上で入手しやすいもの)として、以下のものがある。

特集/ネットコミュニティ(NTT COMWARE TECHNOLOGY 2003)
http://www.nttcom.co.jp/comtech/tech07/pdf/tech04_06.pdf
ネットコミュニティは現在も発展していますが、いまだ既存コミュニティの延長から抜け出ていない感はあります。真に新しい世界が開けるまでにはいくつかのブレークスルーを経験する必要があるでしょう。

ヒューマンサービスとオンライン・コミュニティ(第一生命 2003)
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/report/rp0312.pdf
日本においては、1995年前後からインターネットが急速に普及するが、それ以前にも、パソコン通信上のオンライン・コミュニティが数多く存在しており、NIFTY-ServeやPC-VAN(いずれも当時)などといった大手商用パソコン通信上にはフォーラム(名称は各事業者で異なる)と呼ばれるテーマごとに複数のBBS を持つコミュニティが存在している。それ以外にも個人や団体が運営する、いわゆる草の根BBS も1980年代後半にかけて盛んとなっており、いずれも趣味や生活関連、地域関連のテーマを中心に交流が行われていた。

ブランドマーケティングにおけるネットコミュニティの活用(野村総研 2003)
http://www.nri.co.jp/opinion/chitekishisan/2003/pdf/cs20030205.pdf
マーケッター3つの戦略…
.優奪肇灰潺絅縫謄へのアクセスを促進するためのプロモーション
▲優奪肇灰潺絅縫謄での共感を形成するためのブランドの「物語情報」の発信
8果的コミュニケーションのための「ルールとツール」の提供

これらは、Blog/SNS以前のネット・コミュニティを対象にした論考だが、今でも参考になる点が多々ある。
SNSの可能性のひとつは、ネット・コミュニティ・マーケティングであり、圧倒的にスティッキーな(滞在時間が長い)ユーザーベースをどうビジネスにつなげていくか?ということだろう。

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mixiとWeb2.0の微妙な距離感

インタビュー: 3─5年で市場評価に合った業績に=ミクシィ社長
笠原社長は株価が売り出し価格の約2倍に当たる290万円前後で推移していることについて「中長期的に業績を上げていき、市場の評価に合ったものにしたい。中長期的というのは3─5年後ぐらい」と語った。ミクシィのPER(株価収益率)は200倍を超えており、市場平均の20倍前後にするには、2006年3月期の純利益5億7600万円を10倍に引き上げる必要がある。

笠原社長はそのための施策として「今後1─3年は広告収益の拡大に注力したい。それと同時並行で新しいサービス、新しい収益モデルとなるものに種をまき、3─5年後に収益化したい」と語った。新しいサービスの中身については、会員間での電子商取引や、音楽などデジタルコンテンツの販売などを挙げた。

収益性の高いネット・ビジネスを立ち上げていくために、Web2.0的なアプローチについて、mixiはどう考えているのだろうか?
少し古い記事になってしまうが、以下のコメントがある。

「Web2.0よりユーザーの声を」――mixi笠原社長(2006/02/02)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0602/02/news020.html
「mixiは結果的には、Web2.0的だったと言えるかもしれない」と分析する。
しかし「mixiにWeb2.0的なサービスをどんどん入れていく、というのもどうかと思う」と考えている。

これを裏付ける噂話としては、以下のような言説もある。

ミクシィがCGM(ユーザーがコンテンツを作るメディア)だから「ウェブ2.0」というのであれば、2chも「ウェブ2.0」になるよね
http://www.otsune.com/diary/2006/09/18/1.html
あるmixi関係モジュール界隈で聞いた話によると、開発者は(サーバー負荷対策やシステムの作りやすさなどを考慮して)APIを提供したいのに、笠原社長があえてWebサービスAPIを搭載しないように命令しているとのこと。それは広告バナー収入などの「Web1.0企業」としては当然の方針だと思えるので、社長の判断としては変だとは思わない。

これは、ありそうな話だ。開発側(バタラ ケスマCTO)としては、GoogleやAmazonのAPIとの連動を謳ったサービスをもっと展開したいだろう。しかし、ネット広告を稼ぎ頭とする「Web1.0企業」としては、画面インターフェイスをテッキー(技術オタク系)になり過ぎないようにすると共に、広告インベントリ(枠)を確保しておかなければならない。この辺の落とし所が、(皮肉ではなく)ミクシィはマーケティング戦略&経営判断として優れているのだろう。

↓さて、Web2.0というバズワードを煽り続けなければならない立場の人々の議論も興味深い。

グロービス・キャピタル・パートナーズ小林氏に聞く「投資したいWeb 2.0企業」
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/web2/2005/12/26/6848.html

フィードパス(ex.サイボウズ)小川氏と、GREEにも出資しているGCP小林氏の対談は濃い。(苦笑)
Web 2.0時代の競争戦略は、世界観的には競合よりユーザーを見ようということです。だからmixiは関係ありません。ユーザーのロイヤルティをどうやって高めていくかをひたすら考えます。
<中略>
CGM的なところで、日本でも特化型というか垂直型のSNSがどんどん出てきてますが、あれらは全部消えて淘汰されると思います。技術面やインフラ面で革新的なことをやらないで、業界特化とかターゲットの絞り込みに動くのは、CGM的なサービスとしては逃げであって、バブル期にもありましたが、やはりほとんど消えてしまいました。

Webは「2.0」であればいいというものではない。しかし、イノベーションを求める空気感が「Web2.0」というバズワードに込められているのは事実だ。mixiが、今後そうした潮流とどう折り合いをつけていくのか?興味深い。
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ネット・トレンド<8> mixi上場、そしてGREEは?

mixiのポジショニングを明確にするために、競合といわれていたGREEとの歴史を振り返ってみよう。
日本のSNSは、mixiとGREE、この二つから始まった。

あなたはGREE派?mixi派?座談会
http://www.dart-books.co.jp/sns/
2004年夏に行われた田中氏(GREE)・笠原氏(mixi)両者を含む座談会。

そして、立ち上げ当初はGREEが優勢だったようだが、mixiの伸びが進んだ。

【速報】GREE.jp vs mixi
http://blog.livedoor.jp/nipotan/archives/6510028.html
September 05, 2004

関東の学生はGREEがお好き?という意外な事実も…。

東京大学総合サイト SNS特集−MIXI、GREEの比較
http://www.all-todai.com/sns/hikaku.html
2005年夏現在の記事と推測。

SNSとしてのGREE、メディアとしてのMixi
http://blog.bizknowledge.jp/?eid=272993
2005.07.15 Friday
双方のサービスを使ってみての実感としての違いをうまくまとめている。

 簡単にこの感覚の違いを言ってしまうと、システム屋さんが作ったGREE、広告屋さんが作ったMixiという感じ。おそらく新聞に載るような、何かの事件が起こるのはMixiの方。でも逆にそれでこういう新しいサービスがキャズムを超えるんだろうけどね。でもまさか、MixiがGREEを超えるとは思いませんでしたね。いろんな意味で。

この感覚は、両方を使い比べてみた筆者(roomrag)にとっても、わかりやすく納得できる表現だ。
GREEにはシンプルさと生真面目さがあり、よりSNSの原点に近い形でサービスを構築している。mixiは遊びとサブカルチャー的要素が強く、SNSをベースにしつつも新しい形のポータル・メディアを目指しているといえよう。

GREEは、mixiと異なり、当初は田中氏(当時は楽天で開発担当)の個人的なサイトだった。その後、独立して法人化、VCの出資を受けて経営基盤を整えつつ、広告ビジネスに取り組みつつ、Web2.0的なアプローチを展開してきた。
今年7月にはKDDIから多額の出資を受け、モバイルSNSを本格的に進めていく模様だ。

KDDI、グリーに出資--携帯電話におけるSNS事業を本格展開
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20186467,00.htm

グリーはどこへ行くのか
http://japan.cnet.com/interview/media/story/0,2000055959,20199547,00.htm

…そうなるとやはりモバイルからのインターネット接続というのが次の主流になるという感覚が、ここ何年かの流れを考えたときにありました。

 そういう時代のSNSは端末や通信キャリアとの組み合わせも考えた、総合的なものである必要がある。こう考えて、KDDIと組むことにしたんです。

現状でも、GREEモバイルやmixiモバイルのようにモバイルSNSサイトは、いくつかある。
しかし、キャリアが公式サイトとしてSNSに取り組んでいく、というのは時代の流れだろう。
公式サイトならではのナビゲーションやサービスの実装方法というのがあるはずだ。
(モバイル検索が公式メニューに入ったことで、巨大な広告商品となったのは、つい最近のことだ。)
mixiほどユーザー数が膨れ上がっていないGREEだからこそ、サービスの開発もまだ小回りが利くはずだ。

SNSとのスタンスを各キャリア(DoCoMo、KDDI、SoftBank)が、どのように考えてくるか?興味深い。
KDDI-GREE、SoftBank-*yS*aceとなると…DoCoMoは…?

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mixi上場後の株の動き

ミクシィ株は、先週末15日に155万円の公開価格を90%上回る295万円の初値をつけた。しかし、9/20現在の取引値は、268万円。
<投資家の間では同社の売り上げなどの事業規模から判断して株価は過大評価と見る向きが強く、短期勝負と割り切った商いが大きな割合を占めていることが荒っぽい動きの要因ともなっていると見る向きも強い。>

さて、いかにミクシィ株の株価が膨れ上がっているか?について、ここでは検証してみたい。
まずは同じネット関連株でミクシィの株主でもあり、8月にマザーズに上場したばかりのネットエイジグループの数字を参照する。

(株)ネットエイジグループ
時価総額:29,861百万円
前期売上高:1,896百万円
前期経常利益:363百万円
株価:738,000円
1株当たり当期利益:5,396.90円(PER:136.74倍)


これに対して、ミクシィの数字は以下の通り。

(株) ミクシィ
時価総額:188,940百万円
前期売上高:1,893百万円
前期経常利益:912百万円
株価:2,680,000円
1株当たり当期利益:8,731.63円(PER:306.93倍)


これだけをみても、いかにミクシィがバブル状態なのかがわかる。
いっぽう、ライブドアとの関連も深くなってきた(株)USEN。前期は芳しくなかったため、以下の数字となっている。

(株)USEN
時価総額:96,421百万円
前期売上高:154,148百万円
前期経常利益:6,274百万円
株価:948円
1株当たり当期利益:-395.75円(PER:-2.40倍)


それにしてもUSEN/ミクシィだと、売り上げで81倍、経常利益で6.8倍。
なのに、ミクシィはUSENの1.96倍の時価総額。(苦笑)

冷静にみるために、ITの基本形(?)ソフトバンクの現在の数字をみてみよう。


ソフトバンク (株)
時価総額:2,189,759百万円
前期売上高:1,108,665百万円
前期経常利益:27,492百万円
株価:2,075円
1株当たり当期利益:54.36円(PER:38.17倍)


こうやってPERを横並びでみるのも、ちょっと乱暴なのかもしれないが、ミクシィの株価が突出していることがよくわかる。

※ PER:Price Earning Ratio(株価収益率)=株価/一株当たり利益

世の中には「時価総額至上主義」のせいで、たいへんな想いをしている会社もある。
ましてやミクシィは、上場で調達した資金の大部分の使途がまだ決まっておらず、キャッシュを眠らせている。
今後は、ファイナンスと事業開発とIRを巧みに行っていかないと、せっかくの「mixi」ブランドも枯れ果ててしまう結果になりかねない。
SNSビジネスに対する市場の期待値をどう実態に織り込んでいくか?が、彼らの目下の最大のハードルではないだろうか?

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ネット・トレンド<7> ミクシィによるmixiの戦略

イー・マーキュリーは、2006年2月1日から社名をミクシィに変更した。
その際の笠原氏へのインタビュー記事のひとつがこれである。

サービスを続々と投入する新生ミクシィのこだわり
http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20096000,00.htm

--mixiの収益構造はどうなっていますか。

 広告収入と有料のプレミアムサービス、おすすめレビューでのAmazonアソシエイトがあります。割合としては広告が過半数で、次にプレミアムがあり、アソシエイトの収入は非常に小さいです。

mixiは、Web1.0ビジネスの王道を行っており、圧倒的なユーザー数と滞留時間を持つメディアとして広告ビジネスを展開している。
有料のプレミアム・サービスは、売上の20%前後というところか?
Amazonアソシエイトは(mixiの現在のインターフェイスの場合)大きな収益源とはなりにくいだろう。
バナーやテキストの広告インベントリは、どんどん増えているようだ。(笑)
今後、よりECとアフィリエイトに特化したサービス&広告商品を開発していけば、単なるブランディング広告バナー以上の収益力をもたらすことができるだろう。
しかし、今どきクリック率だけで高い広告費を稼げるほどネット業界は甘くない。

(既に実施しているようだが)公認コミュニティを商品化し、スポンサーとタイアップしたマーケティングの場を提供したり、場合によっては定性分析のリサーチの場にもなっている。
こうしたコミュニティの延長線上にバイラル(口コミ)マーケティングを展開できれば、スポンサーとしては嬉しいのだろうが、「ヤラセ」ではなく上手にファシリテートしていくのは、なかなか難しいもののようだ。

一方で、"Find Job !"とのシナジーという観点で考えると、これは他社にない強みといえるだろう。既に"Find Job !"は"mixi"をうまくメディアとして活用することで、コストを削減した広告出稿モデルを構築しつつある。

mixiは広く一般の人に使ってもらうサービスだが、Find Job !は求人、求職という分野なので、けっして老若男女問わず、だれもが使うサービスではありません。mixiの中で、人材や職を求める人はFind Job !を使ってもらうという流れができればいいなと考えています。

さらっと控えめなこのコメントにこそ、ミクシィ社のmixiらしさ(?)が表れているように思う。

さて、今あらためてmixiオープン当時のプレスリリースを読むと、SNSの黎明期であったことを微笑ましいくらいに実感する。

イー・マーキュリー、ソーシャル・ネットワーキングサイト『mixi(ミクシィ)』をオープン (2004年3月3日)
http://press.mixi.co.jp/press_04030300.html
『mixi』は、広告収入モデルのコミュニティ・サイトで、同社既存のデジタル 系求人情報サイト『Find Job !』のユーザー数の拡大と、トラフィックの獲得による安定したサイト運営を目的に開設されました。
<中略>
ソーシャル・ネットワーキングサイトとは、従来の「コミュニティサイト」(何らかの共通の興味、目的を持つ人の集まるサイト)の特徴に加え、人間関係の繋がりを表現する機能を強化したサイトで、米フレンドスターのほか、米google社の提供するオーカット、リンクトイン、トライブ・ネットなどを中心に、昨年より米国を中心に爆発的な広がりを見せています。

2年半前のこのとき、国内での現在のBlog/SNSの流行を正しく予感できた人は、いったい何人いただろうか?

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mixi上場 会社の強みと弱み

◆強みと弱み

SWOT分析は、どの会社でもやっていると思うが、このページで「株式会社ミクシィの強みと弱み」が一覧になっている。

mixi勉強会参加者が考える株式会社ミクシィの強み、弱みとは
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=1711

一部を抜粋紹介すると…

<強み>
■既存の会員数の多さ、盛り上がりの高さ
■顧客属性の幅広さ(一般、女性)

<弱み>
■ビジネスモデル
・今後成長が見込めるmixi事業では収益モデルが広告しかない点。他の収益モデルを立てる必要がある。
■会員数、質
・参加者が多すぎること
・人数が増えすぎることによるSNS特有の「安心感」の減退

といった辺りがポイントだろうか?

SWOTの一般論として、強みと弱み、機会と脅威は絶えず背中合わせにある。従って、強みがそのまま弱みになっていることは否めない。
ユーザー数に依存した(ネット広告としては古典的な)ブランディング広告ビジネスがメインとなっている限り、Web2.0らしいビジネスモデルとは言えない。
インターネットメディア事業(mixi)とインターネット求人広告事業(Find Job)という、二つの事業ドメインを持つことで、成長と安定に関するリスク・ヘッジが取れればいいのだが、相互補完的というレベルには、まだ至っていないのだろう。


◆【対処すべき課題】と【事業等のリスク】

では、株式会社ミクシィ自身は、どのように考えているのだろうか?
彼らの新規公開目論見書
http://www.kabu.com/pdf/Denshikoufu/PM/00001103-PM-00003394.pdf
http://mixi.co.jp/ir/library.html
には、【対処すべき課題】が、以下のような項目にそって記述されている。

【対処すべき課題】
(1)インターネットメディア事業について
 1.サービス機能の強化
 2.サイトの健全性の維持・向上
 3.インターネット広告販売の強化
 4.収益モデルの多様化の検討
(2)インターネット求人広告事業について
(3)システムの強化
(4)モバイル分野について
(5)社内体制の強化について

また【事業等のリスク】についても一部を紹介する。

【事業等のリスク】
(2)インターネットメディア事業について
1.SNSの普及について
(中略)…平成17年5月に発表された総務省の「ブログ・SNSの現状分析及び将来予測」によれば平成17年3月時点の国内のSNS参加者数は延べ約111万人、うち少なくとも月に1度はSNSを利用している参加者数は約80万人となっております。また、同報告書では平成19年3月末にはそれぞれ約1,042万人、約751万人に達すると予測しており、今後SNS参加者は急速に拡大することが予測されております。新たに平成18年4月に発表された総務省の「ブログ及びSNSの登録者数」によれば、平成18年3月末時点のSNS参加者数は716万人となっており今後も引続き増加していくものと思われます。
(中略)…今後においてSNSの普及及び利用が想定通りに推移する保証はなく、SNS市場の成長鈍化又は縮小等が生じた場合には、当該事業及び当社の業績に影響を与える可能性があります。

2.広告料収入への依存について
…(中略)平成18年3月期における当該事業の売上高(640,837千円)に占める広告料収入の比率は81.2%(520,473千円)であり、その依存度は高い状況にあります。
…(中略)従って、インターネット広告市場の縮小、競合の激化、及び「mixi」サイトの健全性が損なわれること等により、「mixi」のブランド力が低下し、当社の広告料収入が減少した場合には、当該事業及び当社の業績に重大な影響を与える可能性があります。

目論見書なので、各項目ともに悲観的なリスク要因も合わせて明示しておかなければならない。環境要因は、想定不可能なリスクを孕んでいるので、上記のような表現になってしまう。


◆IR情報
http://mixi.co.jp/ir/

ミクシィは、SNSの「mixi」を展開するインターネットメディア事業と、求人情報サイト「Find Job !」を展開するインターネット求人広告事業がある。これまでの売上高の推移を見ると、圧倒的にFind Jobの占める比率が高かった。
さて、平成18年3月期の株式会社ミクシィの総売上高は、18億9300万円。そのうち、インターネットメディア事業(mixi)の売上高は6億4000万円(33.9%)。一方、インターネット求人広告事業(Find Job)の売上高は、12億2100万円(64.5%)。つまり、急速にインターネット求人広告事業(Find Job)からインターネットメディア事業(mixi)へ重心をシフトしつつも、前期はまだ"Find Job"の売上が過半数を占める。
<平成18年3月期決算の第4四半期(2006年1月〜3月)で逆転した。mixi>Find Job>
また、mixi事業の80%以上が広告料収入であり、プレミアムサービス等の別の収入源は柱になっていないことが伺える。

今後は、mixiサービスをベースとしつつも、広告代理店に依存しない直販可能なマーケティング商品(バイラル・マーケティング・サービス等)を開発し、B2Bビジネスを始めとする事業開発が必要だろう。
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mixi上場 株主名簿

主な株主の所有株式数割合と売り出し株式数/所有株式数

東証の新規上場ページとEDINETの有価証券届出書を参照した。

・笠原 健治(62.75%) 350/45,700
・ネットエイジキャピタルパートナーズI【ファンド】 (9.34%) 400/6,800
・サイバーエージェント (7.83%) 1,050/5,700
・ネットエイジキャピタルパートナーズ (7.14%) 300/5,200
・バタラ ケスマ (4.53%) 0/3,300
・サイバーエージェントCA-I【ファンド】 (0.41%) 0/300

【参考】
公募売出しの要領 (予定)
http://www.tse.or.jp/listing/new/200609/9mixi.html
EDINET 
https://info.edinet.go.jp

創業社長:笠原健治氏については、既に様々なメディアに露出しているので、敢えてコメントする必要もないだろう。

ネットエイジはネットビジネス・インキュベーション、サイバーエージェントはネット広告代理店&メディア・ビジネスが主要事業。
元々は、ネットエイジがミクシィ(イー・マーキュリー)をサポートし、のちにサイバーエージェントも第三者割当増資で大株主となった。この渋谷のITバブル第一世代(?)二社が、第三世代のミクシィをバックアップしてきたのだ。

バタラ ケスマ氏は、ミクシィの取締役CTO。

ミクシィのCTOが語る「mixiはいかにして増え続けるトラフィックに対処してきたか」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060330/233820/
mixiのシステムはもともとBatara氏が1人で作り上げたものだ。2003年当時,米国で
FriendsterなどのSNSがはやっており,同氏が会社(現在のミクシィ,当時はイー・マーキュリー)にSNSを作りたいと提案したところ認められたという。同氏が開発を始めたのは2003年12月。3カ月でコーディングし,2004年2月にサービスを開始した。

mixiサービスの成功で、バタラ氏は取締役に就任。笠原氏からの無償譲渡で大株主となった。

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