東京電力は29日、中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発の耐震強化工事を来月2日に着手することを明らかにした。当面は6、7号機の配管で揺れを押さえる支持装置(防震器)を増設するほか、建屋に張り巡らせる鉄骨(屋根トラス)を強化するなど、建屋が1000ガル(ガルは加速度の単位)まで耐えられる設計にする。
東電は22日、原発の新耐震指針に中越沖地震の地震動を加味し、揺れ想定(基準地震動)を建設時の最大約5倍に引き上げると発表した。今後、妥当性について国や県の審議会で検討することになっている。一方、東電はこうした議論を待たず、直ちに耐震強化工事に入る意向を示していた。【五十嵐和大】
毎日新聞 2008年5月30日 地方版