川西町の公立置賜総合病院を訪れた社会保障担当首相補佐官、伊藤達也衆院議員の視察を取材した▲2市2町のサテライト4病院・診療所と連携し高度、救急医療を行う拠点病院としての先進例を見るのが目的のようだった。だから伊藤補佐官は「運営システムを全国に広げるため国の考えるポイントは」などと聞き返していた▲しかし斎藤弘知事や病院組合管理者の原田俊二川西町長は「勤務医の過重労働と医師不足への危機感」を、新澤陽英院長も「現状は忙しさが増し、人減らしで意欲低下するだけ。腕も磨け、安心して働ける環境が必要」と訴えた。しかし伊藤補佐官は「国民会議でしっかり議論し答えを出したい」。地域医療崩壊を危ぶむ現場に対し、まだ「議論」とは。【近藤隆志】
毎日新聞 2008年5月31日 地方版