日常的に存在するヒブ(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)と肺炎球菌などによって発病する「細菌性髄膜炎」について、「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」は6月2日までに、ワクチンの早期の定期接種を求める約5万5000人分の請願署名を衆参両院議長に提出した。
【関連記事】
重い感染症から子どもを守れ!
細菌性髄膜炎は、現在の医学では早期発見が難しい難病になっている。国内で発症している細菌性髄膜炎のうち、約60%がヒブ、約30%が肺炎球菌を原因菌としている。守る会によると、年間約1000人の子どもが罹患(りかん)し、約5%が死亡、約20%が後遺症に苦しんでいる。
細菌性髄膜炎はワクチンの接種で予防できるため、ヒブワクチンは既に120か国で導入されている。1998年にはWHO(世界保健機関)が定期予防接種を推奨し、94か国で定期接種され、予防に効果を発揮しているという。肺炎球菌ワクチンについても、乳幼児に使用できる肺炎球菌7価ワクチンが89か国で承認され、米国やオーストラリアなどで定期予防接種されている。
しかし、日本ではヒブワクチンが2007年に承認されただけで、販売は始まっていない。また、肺炎球菌7価ワクチンについても申請の段階で、定期接種には至っていない。こうした中、守る会が、ヒブ重症感染症を予防接種法に基づく定期接種対象疾患に位置付けることや、肺炎球菌ワクチンの早期の薬事法承認のための手立てを講じることを求め、署名活動に取り組んできた。
署名の提出に際し、患者家族は細菌性髄膜炎に感染した苦しみや、ワクチンの存在を知りながら、いまだに使えない苦悩などを、小児科の臨床医は早期の定期接種の必要性を訴えた。
更新:2008/06/02 09:25 キャリアブレイン
医療ニュースアクセスランキング
※集計:5/27〜6/1
医療ニュース動画
08/05/23配信
最近、駅や学校などで見掛けるAED(自動体外式除細動器)は、急に倒れた人を助けるための医療機器です。いざという時のために、AEDの使い方を学びましょう。