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短時間正職員制度 看護師確保の切り札 (2/2ページ)

2008.6.2 07:47
ナースステーションで忙しく立ち働く看護師ら=東京・五反田のNTT東日本関東病院ナースステーションで忙しく立ち働く看護師ら=東京・五反田のNTT東日本関東病院

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 日看協はこれまでも、離職後に働いていない「潜在看護師」(推定約55万人)について復職研修などを行い再就職を促してきた。だが、いったん現場を離れた看護師は医療知識の面で後れをとり、心理的なハードルの高さも相まって再就職の壁は厚いのが実情だ。

 日看協の小川忍常任理事は、「看護師がいないいないと嘆きながら、その一方で夜勤のできない看護師を辞めさせるのでは、いつまでたっても看護師は確保できない。病院自身で人手不足を作っているようなものだ」と断じる。

 そして「いま働いている看護師を潜在化させず、働き続けられる環境をつくる。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)こそが求められており、その切り札が短時間正職員制度だ」と話す。

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 日看協は先に、同制度など先駆的な勤務形態を導入している全国22医療施設についてヒアリング調査を行い、ホームページでその事例の公開を始めた。各医療施設で離職防止などに役立ててもらうのが狙いで、全国の看護師の離職率12・4%(平成19年)の改善を目指す。

 また病院がこうした制度などを導入する際、助成金を支給するモデル事業も始める。事業の前後でワーク・ライフ・バランスが改善したかどうかを調査し、改善のノウハウを共有するため今年度末に報告会を開く。すでに対象施設の公募を開始した。

 政府は、少子高齢化が進むにつれ労働人口が減少し、2050年には2006年比で3分の2弱になると試算。昨年末にはワーク・ライフ・バランス憲章を策定し、女性の継続就業率の引き上げを目指している。看護師の確保も困難さを増すと予想され、継続的な就業の実現が課題だ。

 小川常任理事は「短時間でも正職員の看護師が増えることは、持続可能な社会保障制度の負担の担い手を担保することにつながる。女性就業者の20人に1人は看護師で、看護師の働き方が変わることは社会に大きなインパクトを与える」と話している。

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ナースステーションで忙しく立ち働く看護師ら=東京・五反田のNTT東日本関東病院
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