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短時間正職員制度 看護師確保の切り札 (1/2ページ)

2008.6.2 07:47
ナースステーションで忙しく立ち働く看護師ら=東京・五反田のNTT東日本関東病院ナースステーションで忙しく立ち働く看護師ら=東京・五反田のNTT東日本関東病院

 ■日看協が普及に本腰/「育児理由の離職」に歯止め

 看護師確保の切り札として日本看護協会(久常節子会長)が「短時間正職員制度」の普及に乗り出した。従来、育児などのため夜勤を含むフルタイム勤務をこなせない看護師は「半人前」扱いされ、退職を余儀なくされるケースも目立っているという。全国的に各医療施設が看護師不足に悩む中、正職員のまま短時間勤務を認めれば離職防止を期待でき、看護師確保に道筋がつく。日看協は先駆的に取り組む職場を広く紹介し、同制度のモデル事業にも着手する考えだ。(柳原一哉)

 東京・五反田のNTT東日本関東病院。この病院は看護師の間で働きやすい職場として知られているが、それは育児支援制度が充実し、中でも正職員のまま短時間勤務できる選択肢があることだ。

 同病院では、育児と仕事の両立が目的で、小学3年生以下の子供のいる看護師は4時間▽5時間▽6時間−の3種類の勤務時間を選べる。給与はその分少なくなるが、正職員として子供の成長に合わせて無理のない勤務を続けられる。現在、590人の看護師のうち62人がこの制度を利用している。

 この制度は昭和40年前後から実施されており、職場文化として定着しているという。看護部長の山元友子さんは「いつかは自分自身も制度を利用するときがあるから、大半が『お互いさま』と考えている。育児中の看護師が短時間しか働かないことについて同僚などからの苦情はありません」と話す。

 夜勤の多い看護師にとって、育児と仕事の両立は難しい。しかし従来、看護師は「交代制の夜勤をこなすことで、一人前とされるのが常識だった」(日看協)。そのため現在も、出産などの理由で離職かパートを選ばざるを得ない看護師は少なくない。同病院は特筆されるケースで、「身分を安定させながら働き続けられる制度のおかげで、育児を理由に辞める看護師はまれです」と山元さんは胸を張る。

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ナースステーションで忙しく立ち働く看護師ら=東京・五反田のNTT東日本関東病院
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