・ふっと口から出ちゃったことばなのですが、
　どうも、そのとおりだという気がするんです。
　「ほんとうにのぞむことは、いちばんにしちゃダメだよ」
　と、言ったんですけどね。
　前々から、そう思っていたのか‥‥。
　それとも、でまかせを言っただけなのかもしれない。
　
　でも、当たっているんだよなぁ。
　たとえばですよ、皆さまのお好きな恋愛にしても、
　「あなたが好きです」は、理解できる。
　でも、その「あなたが好き」を最優先にしていたら、
　「あなた」のあとをくっついて生きていくことになるよ。
　目を離さず、あなたのことだけ思って、追いかける。
　１時間くらいのドラマなら、そんな設定も成り立つけど、
　そんなやつのことを、その「あなた」はどうすりゃいい？
　ただの「困ったちゃん」になっちまいますよね。
　恋愛を２番の位置にしていたら、その「あなた」と、
　いっしょに生きていくことができると思うんですよね。
　
　仕事なんかでもね、「利益」は大事なのですが、
　それを本気で１番にしてしまったら、
　大事にするべきことをかなり犠牲にすることになります。
　だから、企業は「理念」とか「社是・社訓」とかを、
　「利益でございます」とは言ってないんですね。
　だけど、事実上、株主とかも含めて、
　「利益」を1番にするべきという考え方が強いですよね。
　それって、かなり自分の首を絞めてることかもしれない。
　「いちばんにしちゃダメだよ」なんですよ、きっと。
　一時的に利益もあがるかもしれませんが、
　いろんなものが失われていくと思うんです、ほんとに。
　おそらく、なんでもそうなんですよ。
　
・世の中にグルメ本だとか、おいしいもののブログだとか、
　ほんとうにたくさんあります。
　これはこれで便利に使わせてもらっているのですが、
　たくさんのものを食べた、たくさんの店を紹介した、
　たくさんの知識を得た、というふうに
　「たくさん」とか「網羅」を大事にしたものが多いです。
　実際には、そのなかの、ほんの一部分の店や料理に、
　ぼくらは出会うことになるわけです。
　ぼく自身、ほんとに好きで、いつも行く店の数なんて、
　数えるほどしかありません。
　それで十分に満足しているんですよね。
　「あれこれ食べたけど、これがうまい」という紹介は、
　たしかに説得力があるかもしれませんが、
　「これしか食べてないけど、これはうまい」ということも
　成り立たないとは言えないですよね。
　なんか、もうちょっと考えてみたいところです。
　
ああ、10周年記念日まであと4日かぁ？
9歳も終わり頃の、今日も来てくれて、ありがとう。