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4月失業率悪化、7カ月ぶり4%台 雇用判断下方修正

2008年05月30日11時05分

 総務省が30日発表した4月の完全失業率(季節調整値)は、前月を0.2ポイント上回る4.0%で、7カ月ぶりに4%台を記録した。厚生労働省が同日発表した4月の有効求人倍率(同)も前月を0.02ポイント下回る0.93倍に悪化。厚労省は、雇用情勢の判断を「注意を要する状態にある」と7カ月ぶりに下方修正した。

 完全失業率は2カ月ぶりの悪化。男性が前月より0.2ポイント高い4.0%、女性が前月と同じ3.9%だった。

 雇用者数は前年同月より8万人少ない5536万人と、3カ月連続で減った。業種別では建設業が同45万人減の424万人で、減少幅は3年半ぶりの大きさだった。厚労省は「建築基準法改正による住宅着工数の減少や、ガソリン税の暫定税率切れで、自治体が工事発注を凍結したことなどが影響した」と分析する。

 従業員規模別の雇用者数は、1〜29人の企業で前年同月より2.6%減り、11カ月連続の減少。500人以上の企業では逆に増え続けており、原材料高や原油高を価格に転嫁できない中小零細企業で厳しさが続いている。

 完全失業者数も前年同月比7万人増の275万人で、2年5カ月ぶりに増加に転じた。そのうち、会社都合による失業者数が3万人増の61万人と悪化。自発的な離職者は2万人減の95万人だった。

 完全失業者のうち「収入を得る必要」があって求職を始めた女性が24万人で、前年同月より5万人増えた。総務省は「女性の労働市場への参入が失業率を押し上げる主因となった。ただ、非自発的な失業者が増えており、先行きには注視が必要だ」とした。

 4月の有効求人倍率は3カ月連続で低下。新規求人数が前年同月比12.6%減と16カ月連続で減少したことが響いた。業種別では医療・福祉を除き全業種が前年同月比で減少。減少幅が特に大きかったのは建設業で33.2%減、サービス業が23.1%減、製造業が13%減などだった。

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