日本麻酔科学会第49回大会(2002)
麻酔科医師は航空身体検査医として適任か?

澤井 克彦1、竹田 健太1、西良 雅夫1、野村 哲也1、吉川 範子1、立川 茂樹1

1住友病院 麻酔科

一昨年我々は国土交通省・航空局から指定航空身体検査医(指定医)としての指定を受けた。航空機乗組員は航空法第31条の定めにより、航空機の操縦に係る技能証明のほか、国土交通大臣又は指定航空身体検査医による航空身体検査証明を取得する必要がある。これは航空機乗組員が航空機に乗り組んで、その運航業務を遂行するために必要な心身の状態を保持しているかどうかについて検査・証明を行うものである。 国土交通省・航空局は、航空身体検査を実施する医療機関(指定機関)を定めて所定の検査を行い、そこに所属する医師を指定航空身体検査医(指定医)として指定し、検査結果の評価、判定に携わせて身体検査証明書を交付する仕組みになっている。指定機関と指定医は、国が法律に基づいて執行する本制度の重要性を認識して適正な検査を実施し判定を行うことを求められている。平成10年10月現在、国内の指定機関は106の医療施設、指定医は185名を数えている。今回、おそらく一般の麻酔科医師にとっては疎遠である指定航空身体検査医について紹介し更に麻酔科医師が指定航空身体検査医として適任であるか、また従事する際の問題点について考えてみたい。