このページの本文へ
ここから本文です

政治は官僚を牛耳れるのか 土壇場決着の公務員制度改革

2008年5月29日

国家公務員制度改革基本法案の修正案が28日、自民、民主、公明各党などの賛成多数で衆院内閣委員会で可決された。ぎりぎりの段階での成立である。実はこの法案をホンネでは一番成立させたくなかったのは自民党である。民主党は絶対賛成すべきなのに、途中まで反対していた。

だが、結果としては、自民党政府が提出したよりもはるかに、曖昧さのないすっきりした法案になった。ねじれ国会の良さがはじめて実ったともいえる。

官僚は「省あって国なし」

これまで公務員制度改革をやろうとすると、官僚がこぞって反対してきた。官僚が反対すると自民党も反対する。自民党の議員というのは官僚と“共存共栄”で生きているからだ。

官僚は「省あって国なし」という姿勢が強い。つまり、外務省の官僚たちは自分の省のためにはやるが、国のためには動かない。外務省だけでなく、経済産業省も国土交通省も、どの省もそうだ。なぜ「省あって国なし」になるのかというと、それは天下りがあるからだ。

公務員は、定年になるまでにもらう給料と定年後にもらう報酬がフィフティ・フィフティと言われている。だから、将来の生活設計のためにも天下りが大事だった。もっと言えば、天下りのために公務員を勤めているようなところもあった。その天下り先を決めるのが各省なので、官僚は何よりも省の利益を優先するように動く。

しかも、民間企業へ天下るためには必ず“お土産”を持って行かないと受け入れてもらえない。お土産というのは、防衛省ならば武器の調達に関する情報など、各省庁でいろいろあるわけだが、そうした利権を企業にお土産として持っていく。これが談合の温床となる。

(全 6 ページ中 1 ページ目を表示)

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る