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    「どう猛な別人格状態」  異例の判断で心神喪失認定


     短大生殺害事件で、死体損壊について兄の元歯学予備校生武藤勇貴被告(23)を無罪とした27日の東京地裁判決は「解離性同一性障害(多重人格)により、本来の人格とは別のどう猛な人格状態にあった可能性が非常に高い」と指摘した。

     多重人格を理由に心神喪失を認めた司法判断は極めて異例で、精神鑑定の在り方や刑事責任能力をめぐる議論に波紋を広げそうだ。

     一方、秋葉康弘裁判長は殺害行為について、被告がトラブルなく日常生活を送っていた点や、発覚を恐れて遺体のある自室に入らないよう家族に告げたことなどを挙げ「制御能力がかなり減退していたことは否定できないが、責任能力が限定されるほど著しいとはいえない」と述べ、完全責任能力を認めた。

     判決はまず「遺体損壊時は多重人格」とした牛島定信東京女子大教授の精神鑑定に対し「鑑定手法や判断方法に不合理な点はなく十分信用できる」と言及。「妹亜澄さん=当時(20)=の挑発的な言動に怒りの感情を抱き、激しい攻撃性が突出。殺害に及び、その衝撃で解離状態が生じ、遺体を損壊した」とする鑑定結果を採用した。


      【共同通信】

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